200 名前:名無し三等兵 本日のレス 投稿日:2005/09/03(土) 00:39:09 YHl+JC17
漏れのじいちゃん、徴兵されたが身体が弱く、
上官も呆れるほどで、部隊は出征したが、じいちゃんは内地師団司令部の警備任務に残された。
師団司令部からじいちゃんばあちゃんの実家までは、現在ならクルマで30分ぐらい、
終戦になるやいなや、じいちゃんは武器を投げ出し、国鉄に飛び乗った。

同じころ、働き手がいなくなって、ばあちゃんはとうちゃんと兄弟を連れて街に働きに出ていたのだが、
そこを見舞ったのがB29の空襲。
ばあちゃんはとうちゃん以下兄弟の手を引いて地獄の中を逃げ延び、実家にたどりついていた。

そこで幼いとうちゃんの仕事は、兄弟の分も含めての食料調達。
田んぼの中を走り回り、ドジョウを捕まえて鍋の材料を確保していたのだが、
その田んぼの脇をとぼとぼと歩いていたのがじいちゃん。
「ああ、戦争に負けたのだなあ、あんな小汚いガキがドジョウ採りをやっているとは」、
・・・で、家に着くと、くだんの「小汚いガキ」が「とうちゃん、お帰りなさい」。

まあ、終戦翌日の晩御飯の食卓を、一家で囲めたというだけで無上の幸せであろうか。
・・・ちなみにここまでの「わが家の戦史」の聞き取り調査において、
「じいちゃんはな、兵隊さんがそれはそれは辛くって」
「何を言うやら、ワタシがどれだけ苦労をしたか」
「とうちゃんはな、じいちゃんとばあちゃんを助けた、そりゃあ孝行息子でなあ」
・・・証言者の証言に微妙な食い違いがあり、戦記作家の苦労が少しだけわかったのは言うまでもない。