【SS】メリーさん「私、メリーさん。今、貴方の後ろにいるの」
男「済まなかった!」
メリーさん「!?」
男は青いスマホを右耳に当て
左手は腰の位置で握り拳を作りつつ
お辞儀しながらも
そう大きな声で答えた
メリーさん「え・・・?」
メリーさんは唐突の事に驚き、銀色のPHSを右耳に当てたまま
思わず固まった
男「ただ・・・俺が小学生の頃に父親が妻子に暴力奮った挙句に愛人と逃亡・・・」
男「だから母親が当時、幼かった俺と俺の弟の為に馬車馬のように働いたんだけど・・・」
男「ギャンブラーとなって借金まみれ・・・」
男「仕方が無いから俺が学校に内緒で色んなバイトをして・・・」
男「俺が大学入学と共に高校入学した弟も同じように色んなバイトして・・・」
男「そしたら俺が大学の2年、弟が高校の2年の時に母親が癌で亡くなって・・・」
男「しばらく2人でバイトしていたんだけど・・・」
男「借金のカタに実家を売る事になった時に」
男「流石にお前と一緒に家なき大人なんて出来ないから・・・」
男「どんなに出世しても」
男「弟がホモビデビューの末に自殺しても」
男「でも、お前を忘れる事が出来なくて・・・」
メリーさん「嘘よ!」
メリーさんは思わず声を荒らげたが、男も続けて声を荒らげた
男「嘘じゃない!」
男は振り向き
その場にスマホを捨てた
男の目から頬にかけて
一筋の水滴が流れていた
男の白目は赤色になっていた
男「現にその証拠に この場所戻って来た!」
男「それから・・・これ」
男はそう言うとメリーさんの前で左手を広げた
メリーさん「これは・・・」
メリーさん「オリエント工業の領収書!!」
男「そう・・・君を父親に買って貰ったのが嬉しくて記念に持っていたんだ・・・」
メリーさん「男・・・さん・・・」
男「愛してる、メリーさん・・・いや、メリーちゃん」
2人は強くハグし合った
その中で男は こんな事を思った
(あぁ・・・
声も肉感も想像した通りだ・・・
メリーちゃんとこんな事出来るだなんて
何と至極
幸せな事だろうか)
男の腹に刺さる1本の出刃包丁と
その包丁が刺さる所から流れる
一筋の鮮やかな濃い紅色
メリーさん「なら・・・あの世で一緒になりましょ♪」
男は目と口をを真開き
腹を見た
それから男はメリーさんの顔を見ると
口角を上げて
目を細めて笑った
ンドン冷たく硬くなった
メリーさんもそれに続くように
同じように冷たく硬くなった
翌朝、ニュースで男の訃報が流れた
空気嫁と抱きつきながらも
腹が刺された状態で亡くなっている事も
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コメント一覧 (2)
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- 2019年01月09日 00:01
- やま
なし
オチ
なし
まるで
意味なし
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