現世界チート主人公「スキル『実家が金持ち』!!」
友「ああ。異世界に転生やら転移して、反則級の超常能力を持って…みたいなヤツだろ?」
主人公「そうだ。その『チート能力』ってヤツだけどな…」
主人公「俺……現世で持っちまってるんだ…」
友「な、なんだってーーっ!?」ドンガラガッシャーン!
主人公「驚かせてゴメン。でも…事実なんだ!」
主人公「俺は…圧倒的なチート能力を持ってしまっているんだ…っ!」
友「マジかよ…」
友「確かに背丈もあるし、筋肉質だ。オマケに運動神経バツグンだ」
主人公「そうなんだ。俺のスキル『親がオリンピック選手』に由来しているんだ」
友「なっ!?お前の親!!オリンピック選手なのか!?」
友「生みの父親!?」
主人公「俺の実の両親は他界しているんだ。だが、その血は俺に脈々と受け継がれている」
友「そうだったのか…!」
友「モデルだって!?」
主人公「俺の容姿…スキル『親がイケメン』のDNAにより、俺の顔面はすごく整っているだろう?」
友「ああ!思わず見とれる人間がいるくらいのイケメンだよお前は!」
主人公「これも俺がチート能力を持っているせいなんだ!」
友「まさかお母上も…ッ!」
主人公「すでに故人だ。だがその血は俺に脈々と受け継がれている!」
友「お母様はどのような方だったんだ?」
主人公「学者だ」
主人公「俺って、自分で言うのもなんだが、めちゃくちゃ頭良いだろ?」
友「そうだな。全国模試1位は何度か取っているもんな」
主人公「母親はかつて『天才』と呼ばれたほどの頭脳の持ち主だったらしい」
主人公「それに由来するスキル『親が天才』の効果で俺も頭が良いんだ」
友「マジかよ!」
友「歌手だって!?」
主人公「俺の美声と凄まじい歌唱力はスキル『親が歌手』によるものだったんだよ…!!」
友「よく通るもんな。お前の声」
友「まだあるのか!?」
主人公「ああ。聞く話によると、祖父は戦争で活躍した英雄だったらしい」
友「英雄だって!?」
主人公「俺の持つ勇気と度胸はスキル『祖先が英雄』の効果なんだ…!」
友「お前…!!不良の先輩に絡まれても一歩も退かないと思ったら!!そんなスキルあったのかよ!!」
友「まだあるのかよ!?」
主人公「祖母はとある神社の巫女でさ。あらゆる超常現象を解決して回ったらしいんだ」
友「まさか…お前!!」
主人公「そうだ。俺は生まれつき霊が見えるし、声も聞こえる。さらには悪霊を自動的に除霊できちまう…っ!」
友「なんてこった!」
主人公「スキル『先祖が霊能者』だよ」
友「言えよ!そんなもんが見えてたんなら!」
主人公「すまん」
友「そんな!まさか…!!」
主人公「母方の祖父母もヤバイ人たちばっかりだぜ」
友「おいおいマジかよ!」
友「政治家か!」
主人公「ああ。お前も名前を聞けばわかると思う。地元で名を知らぬ人間はいないほど顔がきく人さ」
友「すごいな…そんな大物の血を引いているのか」
主人公「スキル『太い人脈』は俺に脈々と受け継がれているよ」
友「ま、魔女!!?」
主人公「そう、魔女だ。だから俺は魔族の血を1/4脈々と受け継がれたクォーターということになる」
友「クォーター!!」
主人公「そして、生まれつきスキル『魔法』により魔法を使うことができるんだ」
友「な、なんだってーーっ!?(2回目)」ドンガラガッシャーン!
友「やっぱりお前はスゴイヤツだったんだな!!」
主人公「……まだだ」
友「えっ?」
主人公「俺のチートはまだまだこんなもんじゃない!!!」
友「な、なんだってーーっ!?(3回目)」ドンガラガッシャーン!
友「ああ、確かに聞いた!」
主人公「俺は今、父親の親友だったという人の家に養子に入っている!!」
友「ま、まさかその家の人たちも…!?」
主人公「全員ものすごい方々ばかりだ!」
友「ヒエッ…」
友「社長!?つ、つまりは…」
主人公「俺の家はものすごい金持ちだ。スキル『実家が金持ち』だよ」
友「今後も俺と仲良くしてくれよな!」
主人公「あ、ああ…もちろん…」
友「元アイドル…?ふむ…」
主人公「まぁ、ここまでくると少しインパクトは弱いかもしれないな」
友「そうだな。魔女やら霊能者やら世界一の大企業の社長と比べると元アイドルって言われても…」
主人公「だが、そのアイドルの血を脈々と受け継いでいる者がいたとしたら…?」
友「!!!」
主人公「俺には超美人な義理の姉と妹がいる!!!」
友「う、ぅおぉおおおおおおおおッッ!!!」
友「う、ぅがぁあああっ!!ぐおっ!!」ビクンビクン
主人公「これがスキル『義理の姉妹がめっちゃ美人』だ!!」
友「ぐぅぅ…ッ!正直に…正直に言おう!!」
友「う゛ら゛や゛ま゛し゛い゛!!!」
主人公「あと従姉妹も美人だ」
友「あ゛ぁ゛……」ぽてり(トドメ)
友「お前さぁ。もうホントなんなん?」はぁ~
友「お姉さん美人で妹美人で従姉妹美人で」
友「ああ、当然育てのお母様も美人でさ。なんなら従姉妹のお母様、叔母さまも美人なんだろ?」
主人公「スキル『親族が美形ぞろい』だよ」
友「その上でお隣の幼なじみまで美人とかさあ!!!ヒロイン的な女性に囲まれすぎだろ!!」
友「あぁ~なんかもうムカついてきた!!一発殴らせてくれ!!」
主人公「え」
友「すまん!だがもうなんだか気がおさまらないんだよ!!」
ブンッ!
主人公「破ッッ!!」ぐねりっ
友「うわっ!」
ドサッ!
友「はぁ…まったくお前にはかなわないぜ」
主人公「あと、お前は一つ勘違いをしている」
友「ん?」
主人公「幼なじみは男だ。美形だし、女の子みたいな見た目だがな」
友「はぁ!?」
主人公「いわゆる…『男の娘』に近い、かな?」
友「お前…美人の女の子たちだけじゃなくてそんなところにまで…」
友「やれやれ…どんだけいろんな属性集めるんだよ」
主人公「そうだな…あとは家に美人のメイドさんがいるくらいかな?」
友「お前ホントいう加減にしろ!」
友「おいおい、まだあんのかよ?」
主人公「お前だよ、友」
友「はっ!?」
主人公「俺にとっての一番のチート能力は、スキル『なんでも話せる友人』ってことだよ、友!」
友「主人公…!」
このあとめちゃくちゃ…
終わり
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コメント一覧 (17)
-
- 2019年01月08日 17:23
- 何でも話せる友人の存在がチートと言えてしまうほど、現代の人間関係が希薄ってことだよたぶん
-
- 2019年01月08日 17:46
- スキル:ホモ
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- 2019年01月08日 17:50
- 実際本当の意味で「なんでも」話せる友人なんて存在しないからな
みんな多少なかれ話す内容を取捨選択してる
それすらなくガチでなんでも話せる友人ならチートと呼んで差し支えないのではなかろうか
-
- 2019年01月08日 18:00
- ※1
オチについてはともかく、親のおかげで本人努力してなくても大抵のことがどーにかなるってのは、反則とかズルって意味でのチートと言えなくもない
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- 2019年01月08日 18:04
- 全てを帳消しにするマイナススキル「その友人とは実在していますか<イマジナリーフレンド>」の可能性
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- 2019年01月08日 18:21
- ホモでは?
-
- 2019年01月08日 18:25
- やはり人生はクソゲーか
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- 2019年01月08日 18:43
- ※1
語源はその通りなんだが、最近は多用され過ぎてて「並外れて強力」程度のニュアンスを含むようになった
心的外傷を負うほどでもない苦手意識をトラウマって言うようなもんだ
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- 2019年01月08日 18:57
- 実はこれ、友人が「チートまみれの人間と仲良くなれる」というチートスキルを所持しているかららしいよ
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- 2019年01月08日 19:10
- >>10
その発想はなかった
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- 2019年01月08日 19:16
- 最後のオチ 自分は「お前と出会えたことが何よりもチートだ」って愛の告白をしたって受け取ったけど違ったのか
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- 2019年01月08日 20:09
- こういう発想のもとに「自分のいいところ、自分の家族のいいところ」を探せるようになればちっとは社会の役に立つと言えるんだがなあ
そういう昇華ができるまともな人間はそもそもハマらないという哀れさ
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- 2019年01月08日 20:14
- ジャスティスリーグの映画で「(ヒーローチームのメンバーの)あたなの能力は?」と聞かれたバットマンが「金持ち」と答えたの思い出した
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- 2019年01月08日 21:16
- 野生の現実世界チート主人公が現れた
神さま「行けトラック!体当たりだ!」
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- 2019年01月08日 21:19
- ※10
それすごいじゃんw
一番初めから持ってるより、自身で努力して得たことになるチートスキルだから、自尊心や自己肯定感も主人公より持ってそう
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- 2019年01月08日 23:26
- >>13
実際問題、こういうのってめちゃくちゃニッチだから無理だろう
チート、チーターの題材だから良く感じるかもしれないけどさ
恋愛ジャンルでいえば「インモラルな展開をやらない浮気・不倫物」みたいなものじゃないか
方向性がとっ散らかってる
一記事になるくらいが限界
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ドラえもんみたいなのが友達とかならともかく、何でも話せる友人がチートってちがくね?