女店員「本にカバーはおかけいたしますか?」男「お願いします」女店員(めんどくせえ……)
女店員「お待ちのお客様、どうぞー」
男「……」スッ
女店員(文庫本の小説か……)
女店員「カバーはおかけいたしますか?」
男「お願いします」
女店員(めんどくせえ……)
女店員「どうぞ」
男「どうも」
女店員「ありがとうございましたー」
女店員(ったく、手間取らせないでよね)
女店員「いらっしゃいませ」
男「これを」スッ
女店員(ハードカバーの小説か……)
女店員「カバーはおかけいたしますか?」
男「お願いします」
女店員(またかよ……)
女店員「どうぞ」
男「どうも」
女店員「ありがとうございましたー」
女店員(カバーつけずに読みなさいよ、もう!)
女店員「いらっしゃいませ」
男「お願いします」ドザッ
女店員(漫画本……10冊!)
女店員(まさか……。いや、いくらなんでもこれ全部カバーつけろはないわよね?)
女店員(信じてるわよ!)
女店員「カバーはおかけいたしますか?」
男「お願いします」
女店員(ちくしょぉぉぉぉぉ!!!)
女店員「ど、どうぞ」
男「どうも」
女店員「ありがとうございましたー」
女店員(くそったれが!)
女店員「いらっしゃいませ」
男「これください」スッ
女店員(……そうだ)
女店員(いつもいつも、こっちからカバーどうするか聞くからいけないんだ!)
女店員(今日は聞かずにいきなり袋に入れてみよう!)
男「あ、ちょっと」
女店員「はい?」
男「できればカバーをかけて欲しいんですが」
女店員「かしこまりました」ニコッ
女店員(なんでだぁぁぁぁぁ!!!)
男「お願いします」
女店員「カバーは……」
男「お願いします」
女店員「カバー……」
カバー…… カバー…… カバー…… カバー…… カバー……
カバー… カバー… カバー… カバー… カバー… カバー… カバー… カバー… カバー…
女店員(あああああああああっ……)
女店員(私は迷い込んでしまった……)
女店員(無間の……カバー地獄にっ……!)
トントントントントントントントン…
ザクッ
女店員「いたっ!」
女店員「いたたたたたた……!」
女店員「あちゃ~、キャベツの千切りで指を切っちゃうなんて、なにやってんだろ私」
女店員「えーっとバンドエイド、バンドエイド……」
女店員「こちらのレジどうぞー」
男「これください」スッ
女店員(まーたこいつか)
女店員(はいはいカバーカバー)
女店員「カバーはおかけいたしますか?」
男「いえ、結構です」
女店員「!?」
女店員「なぜなの? なぜいつものようにカバーを要求しないの?」
男「だってあなた……指にケガしてますよね?」
男「だったら、カバーをかけるだとか、そういう作業はしない方がいいと思ったもので」
女店員「……!」
女店員(なんて……こと!)
女店員(私はこの人を誤解してた……!)
男「はい!?」
女店員「この本はカバーつけさせていただきます! ええ、つけますとも!」サッサッサッ
男(速っ!)
女店員「それと、この後私とちょっとお茶する時間あるかしら?」
男「えぇっと……」
女店員「あるわよね? あるでしょう? あるといって!」
男「あ、あります」
女店員「よっしゃ!」グッ
女店員「まずは謝らせて下さい!」
女店員「本当に……ごめんなさいっ!」
男(何に対して謝ってるのかさっぱり分からないけど……)
男「ゆ、許します」
女店員「ホント!? 嬉しい!」
女店員「あなたはどうしていつも本にカバーをかけてくれって頼むの?」
女店員「カバーがあると確かに汚れないけど、何の本か分からなくなるし、不便なことも多くない?」
男「ええ、たしかに」
男「僕はカバーをつけてもらっても、結局後で外しちゃうことも多いです」
女店員「でしょでしょ! なのになんで?」
男「なんでと言われても……うーん……」
女店員「本に……?」
男「書店のカバーってしっかりした紙で出来てて、素敵なデザインしてることも多いし」
男「せっかく読む本だし、せめて一瞬でも着飾って欲しいから、カバーをお願いしてる……」
男「……のかもしれません」
男「すみません、変な答えで」
女店員「……」
男「え!?」
女店員「私、正直いって本なんてあまり読まないけど、居心地も悪くないから」
女店員「大した志もなく、ずるずると本屋でバイトを続けてる女だったの」
女店員「だけど……だけど!」
女店員「あなたはそんな凍てついた私の心に……カバーをかけてくれたのよ!」
女店員「私たち……きっといい仲になれると思う! 付き合いましょう!」
男「う、うん……!」
男「結婚しよう」
女店員「はい……!」
カラーン… カラーン…
ワァァァァァ… ワァァァァァ…
「おめでとう!」 「お幸せにねー!」 「ヒューヒュー!」
男「着飾った君は……とても美しいよ!」
女店員「ありがとう……!」
…………
……
女店員「……」
男「……」
女店員「あなた……そこもカバーがかかっちゃってるのね」
男「面目ない……」
おわり
元スレ
女店員「本にカバーはおかけいたしますか?」男「お願いします」女店員(めんどくせえ……)
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1546866848/
女店員「本にカバーはおかけいたしますか?」男「お願いします」女店員(めんどくせえ……)
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1546866848/
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
今週
先週
先々週
コメント一覧 (10)
-
- 2019年01月08日 07:47
- こういうくっだらねぇのがいいんだよ。SSらしくてさ。
-
- 2019年01月08日 07:49
- 日本人の6割はカバーかかっちゃってるからセーフ
-
- 2019年01月08日 08:08
- 面白かった!
-
- 2019年01月08日 08:14
- >>2
女性の肌にもカバーが掛かってるからセーフ
-
- 2019年01月08日 09:48
- バーカ
-
- 2019年01月08日 10:07
- >>2
ゴム無し派が4割居るのか…
-
- 2019年01月08日 10:25
- 初夜まで見たことがないというのはリアリティがない
「今日からカバーしなくてもいいのよ」の方がオチとしては良かったのではないだろうか(27歳包茎童貞)
-
- 2019年01月08日 10:59
- でも、お願い、ここのカバーは貴方が外して…(くぱぁ)
-
- 2019年01月08日 14:43
- >>7
採用!
包茎のくせになかなかやるやん
-
- 2019年01月08日 16:16
- なんか気持ち悪い
スポンサードリンク
デイリーランキング
ウィークリーランキング
マンスリーランキング
アンテナサイト
新着コメント
最新記事
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク