アメリカ、アイダホ州にあるシャラリー・ハワードさんの家の庭には樹齢110年を超えるポプラの大木があった。
その木は長い間、家族や住人たちをそ静かに見守ってくれていた。
時は流れ木に終わりの時が訪れた。後は朽ち果てるだけの状態となってしまった。そのまま処分するのは忍びない。シャラリーさんは木に第二の人生を与えたいと考えた。
そうして木は生まれ変わった。木の幹には屋根とドアが設置され、明かりが灯された。中にはいくつもの本が並んでいる。
こうして、ファンタジー漂う小さな無料図書館ができあがったのである。
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The Little Free (Tree) Library
思い出の木を図書館に
アイダホ州コー・ダリーン市にあるシャラリー・ハワードさんの自宅の庭にあった樹齢110年のポプラの大木は、無風でも枝が折れるようになり、道路や車に大きな太い枝を落としながら、どんどん枯れていった。
平均寿命の2倍も生きたポプラはついに寿命となり、周囲の安全のためにも切らざるを得なくなった。
長い間シャラリーさんを見守ってきてくれた木をこのまま処分するにはしのびない。そこで彼女は、この木を図書館に再利用できないかと考えた。
というのもシャラリーさんは、公立図書館で働く司書だからだ。
そこで、全米各地に小さな図書館を作っている団体リトル・フリーライブラリー(Little Free Library)と協力し、幹の部分を「無料図書館」にしたのだ。
まだ作ってる途中だけど、シェアしたくなっちゃった。私たちは樹齢110年の木を切ることになりましたが、その切り株を図書館にしました!
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長めに切った幹の中をくりぬき、屋根やライトをつけて内装を整え、おとぎ話に出てくるような可愛らしい図書館にした。
しかもこの図書館は無料で誰でも入って本が借りられる。
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ファンタジーな図書館はすぐに評判になり、こんなコメントが寄せられた。
・絶対行きたくなる場所ね。まずどこにあるのか調べなくっちゃ。
・カナダに住んでた時に近くに同じような切り株があったよ。それはもっと小さかったけど、寄付してもいい本を置くようになっていた。中にはいつも数冊の本があった。
・ドイツにも同じような図書館がいくつかあるよ!いつもたくさんの良書があってピューリッツァー賞の本も置いてある。こういうアイデアはいいね。コミュニティの一体感も高まるし、広がりやすい試みだと思う。
・図書館の写真、いとこから回ってきたんですがひとめぼれです。あなたとご家族はすばらしいです!近くだったらぜひ行きたいです。
・ホビットの家だ…いい発想だ。
・ゴブリンと妖精たちの魔法の家ね。
・これは素敵だし、他の人のためになるしとてもいいね。地域にとっても良い贈り物。
・なんてみごとな思いつきなんだろう!こんなの初めてみたよ!いい仕事したなぁ!
・小人が住んでる家みたいだ!無料の図書館っていうのがまた素晴らしい。
・最高の計画だね。これは建てた価値があるよ。
指先一つでいろんな情報にたやすくアクセスでき、電子書籍がある現代でも、紙のページを好む人や本にしかない魅力を再発見する人もいる。
本にはスマホなどの流し見やスクロールという手軽さはない。だが、深い没頭をもたらし、現代社会で失われがちな批判的思考や共感を養うといわれている。
もちろんそれぞれに一長一短あるけれど、情報があふれて物事や複雑化しつつある昨今、こういう小さな図書館で本の貸し借りができる環境ってすごく貴重で贅沢かもしれないな。
written by D/ edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
とってもロマンチックだ。この切り株が善意と知恵を詰めこんでまた百年続くといいな。
ところでこういうドアが異世界に繋がってた古い物語を思い出しそうで思い出せないんだ、カラパイアのみんな助けて。
3. 匿名処理班
童話みたい
4. 匿名処理班
いいなあ
私も死んだら骨を使って陶器やお皿の代わりにしてくれないかしら
5. 匿名処理班
※2
ナルニア国物語シリーズの中にそんな話があったような・・・なかったような
6. 匿名処理班
絶対できないけど日本の屋久杉とかなら教室くらいの大きさの図書館作れそうだよね。
7. 匿名処理班
※2
有名所だとナルニア国物語あたりかなぁ。
映画のバンデットQもドアをくぐる事で他の世界(と言うか時代)にどんどん移動して行ってたっけ。
8. 匿名処理班
いつも丁寧にお話を拾ってくれてありがとう!
こないだどこかで見たけど、こんなに色んな情報はなかったよ。
9. 匿名処理班
樹齢110年で平均寿命の2倍ということは、ポプラの木は一般的には、我々人間より寿命が短いということか。ポプラのような大きな木は、もっと長生きするもんだと思ってた。
10. 匿名処理班
>>2
ナルニア国物語一巻の「ライオンと魔女」だね。
衣装だんすの扉を開けて中に入るとずっと奥まで続いていて、雪に覆われた異世界にたどり着く。
…この図書館の奥の壁に、雪景色と街灯の絵を描いたら素敵かも…
11. 匿名処理班
あとは枯れるだけ…と思ったら根元に芽が生えてきたりして。
12. 匿名処理班
オーナーさんの目が届くところに置かれて良かったわ
日本でも、駅の片隅等々に自由に貸し借りできるブックスペースを設けてるところがあるけど、本の未返却やページ切、落書きなんかで散々ですよ
13. 匿名処理班
coeur d'alene little free library treeで
すでにグーグルマップで検索できた
在りし日の木は、葉が生い茂ってた元気そう
14. 匿名処理班
木の側からしたら中身くりぬいてボコボコにして第二の人生だ?
ふざけんな!だろうな。
15. 匿名処理班
夜中になるとポプラの妖精も棚に座って本を読んでたり
16. 匿名処理班
心が暖かくなった。
嫌だな、最近こういうの見るとすぐ目頭熱くなるんだよな。
17. 匿名処理班
>>14
木の気持ちを想像するなんてアンタも相当メルヘンだな。
18.
19. 匿名処理班
※6
ウィルソン株なんて、屋根だけ付ければそのまま使えるね。
観光スポットだから無理だけど、想像しただけでファンタジー感に震える。
20.
21. 匿名処理班
マジの「ポプラ舎」か。
22. 匿名処理班
110年であんなに育つのか…
23. 匿名処理班
インスタ映えじゃな
24. 匿名処理班
右端の本はキイチの挿絵なのかな? 嬉しいね。
25. 匿名処理班
"Little Free Library" stump
画像探すと切り株仲間多いな。切り株で木工でパルプ製品の本。感謝しかない。
サイズではジャイアントシダーの切り株図書館、整った愛らしさではこの記事の切り株図書館だろうか。どれもこれも素敵だ。
26. 匿名処理班
※5※7※10 みなさんありがとうございます。探してくださってとても嬉しいです。でもたぶん、児童向けで翻訳ものでファンタジー物語なのは同じ、分野はすごく近いと思うのですが、箪笥の扉を少年少女たちが通るナルニア国物語じゃないと思うんです……。
こう、庭のすみっこにある木に扉があって、それをひとりの少女が見つける──みたいな挿絵だけが脳裏で浮かんでて、その物語の題名も少女の名前も思い出せなくて。ここに書きこみしてから自分でも全力でネット検索してみたんですが見つからなかった……。
もうプロに任せるべく明日図書館へ行って司書さんに依頼してみます。
27. 匿名処理班
深い没頭をもたらし、
→これね、紙の本の魅力を言語化して頂き、
ありがとうございます。
28. 匿名処理班
>>26
タイトル判明したら教えて〜
超気になる
29. 匿名処理班
トイレの個室くらいの空間を作れそうなのに、
扉開けたらすぐ本棚なのが少し残念な感じ。
30. 匿名処理班
なんか、リアルに鬼太郎とかが住みそうなたたずまいの木だな。
ていうか、とっくの昔に何かが住んでたりして。
だとしたら、利用する人間とうまく共存できるといいよね。
31. 匿名処理班
生きた部分をくり抜いて本棚にしたのか
活け造りみたいなもんと思うとちょっと残酷な気がする
32. 匿名処理班
素敵だわ
行ってみたい
33. 匿名処理班
※31
揚げ足をとる訳じゃないがどちらかというと生きているのは外側では?
ばっさり切られている時点でまぁあれだけどさ
でももう寿命だったようだから、こういった形でこれからも愛されていくのは幸せだと思うな