871 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:04/03/11 15:06 ID:j+Cv3uty
大学卒業して、故郷へ帰るという女友達を羽田まで送っていった。すごく気が合う女の子で、
4年間ずっと一緒だったけど、お互いに異性としては意識せず、お互いの恋愛の悩みとかを
話し合ったりした。最後の1年は二人ともフリーだったけど、今さら恋人同士になるのも照れ
くさいのか、気持ちを口にすることはなかった。最後のクリスマスも二人で過ごしたけど、
友達以上の関係にはならなかった。

空港でかなり早めにチェックインを済ませて、あっちこっちぶらぶらしてるうちに、搭乗手続きの
時間が近くなった。彼女は急に口数が減り、手を握ってきた。思えば、4年間で手を握ったのは
初めてだった。そして彼女は「今日帰るのやめようかな」とぽつりと言った。「だってもうチェックイン
しちゃったし、もったいないじゃん」と、俺は心にもないことを言った。「そうだね」という彼女は
俺の手を強く握った。

いよいよ搭乗手続き開始のアナウンスが入り、彼女は「じゃあ、元気でね」と言った。今しか
ない、今言わなきゃ一生言えない。心臓が爆発しそうなほど高鳴り、俺は「待って」と言った。
「え?」と俺を見つめた彼女の顔は嬉しそうだった。俺は思い切って言った。

「君が好きだ」
「はぁ?」
「君が好...」
「やめてよ、あははははっ」

彼女は緊張の糸が切れたように爆笑し、嫌だ嫌だと笑いながら手を振って行ってしまった。実家に
着いた彼女からのメールの最後に、「気持ちは嬉しかったけど、ああいうのは困ります。4年間の
楽しい思い出を壊さないようにしましょう」と書いてあった。顔から火が出るほど恥ずかしかった・・・。