879 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/03/11 17:25 ID:dFIJUN6Q
>>851と似てるが、
うちの父親はそば打つのが好きだった。
そば打ちキット買って来て、
そば作りのハウトゥービデオとか見たりして、
父は熱心にそばを打ちはじめた。

父の作ったそばは最初全然おいしくなかった。
麺も太くてコシなんかなくて、ボソボソで、湯で加減も最悪。

「まずいよ。お父さん。こんなの食べられないよ!」と
ぼやく家族。

すると父は拗ねだして
「もうお前らには食わさない!」と言って
怒ってそばを流しに全部捨てた。

それでもまたそばを打ち始める父。
毎週末になると決まって父の不味いそばを食べさせられて
家族はうんざりしていた。

でも、だんだん慣れてきて、味もましになってきた。

「最近やっと食えるようになってきたね、お父さん。」

と言う家族のほめ言葉に少し照れながら
「うるさい、俺は飲み込みが早いんだ」
とぶっきらぼうに答える父。


880 名前:879[sage] 投稿日:04/03/11(木) 17:26 ID:dFIJUN6Q [2/2]
それからしばらくして、
今週末もそばか…なんて憂鬱に思っていたら、
父が難病を発祥したと母から聞かされた。
体が段々動かなくなって、やがて死に至る。


父がそば作りをやめて4年経った。
父のそばは二度と食べられない。

でもまだ父はなんとか生きてる。
それだけで家族は幸せに思う。