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のび太「ドラえもんとか、実際無理だろ」 : 【2ch】ニュー速クオリティ

のび太「ドラえもんとか、実際無理だろ」









のび太「ドラえもんとか、実際無理だろ」

1: :2009/02/13(金) 15:49:39.43 ID:
学生「どうかしました?野比先生」 

のび太「ううん、何でもないよ。それより研磨は終わったかい?」 

学生「はい。これでもうバリはないはずです」 

のび太「本体側のインターロック回路も大丈夫?」 

学生「はい、動作確認済みです」 

のび太「よし。じゃあモータを駆動してみようか」 

青い球体の中にギアボックスを収められるのを、のび太は少し離れて見守っていた。

doraemon
https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1378618349/

2: :2009/02/13(金) 15:51:49.20 ID:
中学卒業と同時に、ドラえもんが未来に帰った。 
のび太がもう一人立ち出来る、別れを割りきれる年齢と判断したらしい。 
高校の類型選択で、のび太は何となく理系を選択した。数学や理科が得意なわけ 
ではないが、国語や英語も別に得意ではなかった。 

相変わらずの適当さでのらりくらりと高校を卒業し、藤子大学の工学部に入学し 
たのび太は、そのまま大学院まで進学し、博士課程を修了する。 
今ではその藤子大学工学部ロボット工学科で助手をしていた。 
3: :2009/02/13(金) 15:53:46.16 ID:
その日の午後、のび太が大学生協でラーメンを食べていると、不意に声をかけら 
れた。 

???「野比先生!」 

のび太「ん?ああ、しずかちゃん」 

しずか「うふふ。まさかのび太さんのことを先生って呼ぶことになるとはね」 

のび太「慣れないなあ、その呼び方」 

のび太はガシガシと頭を書く。ボサボサの髪の毛が余計ボサボサになる。 
高校が別れてから疎遠になりがちだったしずかと、藤子大学の図書館で再開した 
のはつい最近のことだった。彼女は大学図書館で司書として働いているらしい。 

しずか「それより、のび太さんまたラーメン?」 

のび太「うん。でも昨日はカップの塩ラーメンで、今日は生協の醤油ラーメンな 
    んだよ」 

しずか「…………」 
4: :2009/02/13(金) 15:54:52.20 ID:
ふむふむ
5: :2009/02/13(金) 15:55:48.61 ID:
しずか「のび太さん、そういうところは変わらないわね」 

のび太「そうかな?でもこないだしずかちゃんに言われてから、ヒゲは毎朝剃るよ 
    うにしたんだよ」 

しずか「それだけじゃダメよ。他に……」 

のび太「他に?」 

しずか「そうね、まずその伸ばしっぱなしのボサボサ髪を綺麗に切って整えて、 
    丸眼鏡をオシャレフレームに変えて、背筋を伸ばして、ヨレヨレの白 
    衣を洗濯してアイロンかけて……」 

のび太「………いろいろダメみたいだね」 

7: :2009/02/13(金) 15:59:42.41 ID:
しずか「そんなことより、ここへ来る途中に研究室の前を通ったんだけど……」 

のび太「ん?」 

しずか「のび太さんの研究室で作ってるアレ……ドラちゃん?」 

のび太「……うん。といっても、形だけだよ」 

しずか「そうよね……」 

のび太「情報工学科との共同開発でね、言語学習型のコミュニケーションロボッ 
    ト。そのロボットのデザインを、ドラえもんにしてみたんだ。周りから 
    はなんでそんなデザインに』って言われたけど」 

しずか「のび太さんらしいわ」 

のび太「けど、本物のドラえもんには程遠いよ」 

のび太「実際、今の科学じゃドラえもんは無理なんだ」
9: :2009/02/13(金) 16:01:27.05 ID:
???「やあ、野比先生にしずかちゃん」 

しずか「あら、出木杉さん」 

のび太「出木杉くん……その呼び方はやめてよ」 

出木杉「いいじゃないか。助手になったのはのび太くんの方が先なんだし」 

のび太「君のいる情報工学科とは違って、うちは慢性的な人手不足だから……そ 
    れだけの理由だよ」 

出木杉「謙遜するなって」 

のび太「そんなことないよ……現に今の共同開発だって君が皆を引っ張ってるし 
    ね。出木杉くんの方が、やっぱり僕より優秀だよ」 
10: :2009/02/13(金) 16:03:14.37 ID:
出木杉「そうかな。それより、ドラえもんの話をしていたみたいだけど?」 

のび太「ああ、あのコミュニケーションロボットの方のね」 

しずか「言葉を学習するって聞いたわ」 

出木杉「まあ、多少はね。でも22世紀からきた、あのドラえもんほどのAIはとて 
    も無理だ」 

しずか「そう……」 

のび太「……本当に、ドラえもんの言っていたような未来が来るのかな?」 

しずか「どういうこと?」 

のび太「ドラえもんが言っていた年までに、今の科学があそこまで進歩するなん 
    て思えないよ」 

出木杉「僕もそう思うな。今の科学では到底無理だ」 

しずか「でも、ドラちゃんはそう言ったのよ?」 

のび太「それが気になるんだ……どうしたってドラえもんの言っていた年には間 
    に合わない」 

のび太「なぜドラえもんは嘘をついたんだ?」 
12: :2009/02/13(金) 16:05:00.91 ID:
その日の夜、居酒屋に懐かしい5人がそろった。 
のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫、出木杉。 
のび太としずかと出来杉の3人が顔を合わせたので、どうせならみんなで飲もう 
という話になったのだ。 

ジャイアン「しかしのび太が大学の先生だなんてよー、何回聞いても笑えるよなw 
      ww」 

スネ夫「出木杉はしっくりくるのになwww」 

のび太「どうせ馬鹿ですよーだ……」 

ジャイアン「で、なんなんだよ?話って」 

出木杉「いや、実はね……」
13: :2009/02/13(金) 16:06:31.07 ID:
これは支援する
14: :2009/02/13(金) 16:06:43.71 ID:
スネ夫「なるほど、ドラえもんか……」 

呟いたスネ夫がスーツのポケットから煙草を取り出そうとし、しずかの方を見て 
やめた。 
ジャイアンは逞しい腕を組み合わせ、考えこんでいる。 
スネ夫は大学卒業後親の会社に入り、ジャイアンは高校を中退して剛田商店を継 
いだと聞いている。 

スネ夫「僕はのび太や出木杉みたいに専門じゃないけどさ、今の科学でドラえも 
    んが作れないことはわかるよ」 

ジャイアン「待てよ、俺テレビで見たぜ。二足歩行したり、会話するロボット」 

出木杉「ああいうのとはレベルが違うよ」 

ジャイアン「でもよぉ……そもそもドラえもんが出来たのっていつだ?」 

スネ夫「確か、2112年」 
17: :2009/02/13(金) 16:08:00.40 ID:
ジャイアン「何だよ!まだ100年以上あるんじゃねぇか!それなら……」 

出木杉「無理だよ。今の開発段階からドラえもんまでの間にある壁は、あまりに 
    も高く厚い。感情を持って、思考して、なめらかな動作も必要。今のロ 
    ボットはね、走るのさえ難しいんだよ?」 

しずか「それにドラちゃんより先に秘密道具が必要よ」 

のび太「うん、秘密道具はドラえもん誕生以前に出来てたはずだよ。それに、ド 
    ラえもんの話が本当ならタイムマシンはもう出来てるはずなんだ」 

ジャイアン「え?」 

のび太「ドラえもんは言ったんだ……タイムマシンが発明されたのは2008年だって」 

ジャイアンは黙ったまま、店内を見回した。 
そして、カレンダーを見ると目を見開く。 

ジャイアン「2008年って、去年じゃねぇか!!」 

スネ夫「反応遅っ!」 

出木杉「……その話は僕も初耳だったな」 

のび太「つまり、ドラえもんの話にはすでに矛盾が生じてるわけだ」 
18: :2009/02/13(金) 16:09:56.46 ID:
しずか「でも……」 

カルーアミルクのグラスを置いて、しずかが口を開いた。 
みんなの酒のペースは格段に遅くなっていた。 

しずか「でも、まだドラちゃんが嘘をついたとは限らないわ」 




  


この記事へのコメント

1.  Posted by  名無し   投稿日:2019年02月19日 23:47

良作!

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