老人「おやすみ……ワシの古時計……」
一人の老人がベッドの上で静かに息を引き取ろうとしていた。
老人「おやすみ……ワシの古時計……」
彼が目をつぶると同時に、彼を百年間見守ってきた古時計も動かなくなった。
近所に住んでいた息子たちが、老人の亡骸を発見する。
父「昨晩、胸騒ぎがしたから駆けつけてみたら……親父……」
母「お義父さん……」
青年「おじいちゃん……」
嫁「おじい様……」
赤子「ばぶぅ、ばぶぅ」
母「ちょうど百歳……だったかしら?」
父「ああ……今日が誕生日だった。親父らしい、いい最期だ」
父「同居の誘いも断って、最後までこの家で一人で暮らしてさ……本当に立派だった」
嫁「そうね……」
赤子「だー、だー」
嫁「だけど、おじい様の強い意志は、きっとこの子にも伝わってるわよ」
青年「うん……きっとそうだ!」
母「あらホント、百年いつも動いてたらしいのに……」
青年「たしかおじいちゃんが産まれた日に買ってもらったんだっけ?」
父「ああ、親父はいつもあの時計と一緒だった。嬉しい時も悲しい時も……」
父「俺が子供の頃、あの時計にふざけて蹴り入れたらメチャクチャに怒ったもんさ」
青年「そりゃ怒るって」
嫁「フフフ……」
嫁「おじい様が亡くなられたから自分の役目も終わった、と悟ったからかも……」
父「ああ、きっとそうだ」
母「ロマンチックな話ねえ……」
父「今頃、親父は古時計を抱えて天国に旅立って、お袋に再会してるに違いないさ……」
青年「この古時計、よく見ると電池式なんだね」
父「え、そうなのか?」
青年「単三電池四本で動くみたい」
母「それだけの電池で百年動くってすごいわねえ。よほど設計が優れてたのね」
青年「今、俺ちょうど電池持ってるし、入れ替えてみようか」
嫁「……でもなんだか無粋じゃない?」
青年「なあに、おじいちゃんだってもっと時計に動いて欲しいに決まってるさ」
父「親父の性格なら、そういうだろうな。動かしてみろよ」
青年「オッケー」
ボーン…… ボーン……
チクタクチクタク
青年「お、動き始めた!」
父「親父!?」
母「お義父さん!?」
青年「おじいちゃん!?」
嫁「おじい様!?」
赤子「キャッキャッ」
老人「おおっ、みんな!!! ひっさしぶりじゃなあ!!!!!」
老人「みなぎるッ! みなぎるぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
老人「天国で婆さんとも再会してきたし、まだまだ生きてやるぞおおおおおおおおおおお!!!!!」
どうやらこの爺さん、あと百年は生きそうである。
おわり
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コメント一覧 (4)
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- 2019年02月24日 22:00
- 草
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- 2019年02月24日 22:15
- 嫌いじゃない
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- 2019年02月24日 23:44
- 割と好き
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よかったと…思います…(困惑)