バーチャファイター6が何故今になっても実現できないのか考察してみるコラム記事が掲載中。格闘ゲームのパイオニアでありながら、今やすっかり忘れ去られているゲームであって、セガも当分復活はないと断言していますね。
セガの3DCG格闘ゲームのパイオニアでもあるバーチャファイターは1993年に業務用基板MODEL1でデビューして、鮮烈な印象を残しましたが、そこから劇的に進化して、ゲーセンでバーチャブームが起こった2、そして、MODEL3を採用して最新作の3と出た後、しばらく沈黙しますが、4で復活、NOAMI2基盤を使っていて、PS2にも移植されて話題になりましたね。
しかし、このゲームの不運なところは、セガハードでずっと出ていたため、セガサターン、ドリームキャストと続き、海外でのネバーリューが乏しいのと、鉄拳がその代役を果たしており、こちらの人気が絶大だったため、海外での売り上げが低迷したことが要因のまず1つでしょうね。
その後、バーチャファイター5がゲーセンでデビューして、これといって進化がなく、グラフィックが変わりライブ性を重要視したオンライン対戦を売りにしたものでしたが、この作品もPS3で出たものの、パッとせず、ここでセガもこのIPに見切りをつけた形になったようです。そもそも生みの親の鈴木裕氏が中国の格闘をモチーフにして誕生させたゲームだっただけに、技が派手だとか、かっこいいというより『渋い』という印象で、そして、派手な演出も極力避けていたので、その辺は技の見栄えと派手さでアピールする鉄拳とは双璧で、鈴木氏がタッチしなくなっても、バーチャスタッフは新しいものを生み出せずに良質な格闘ゲー『どまり』になってしまいます。
鉄拳を超えるとか、それ以上のものをアピールする素材がなかったんでしょうね。そして、セガは鈴木裕氏がかかわった作品を極力避けるようになっており、セガとの確執が感じられます。シェンムー1&2を移植を担当したのも海外のスタジオでしたし、その辺が影響していそうな気がします。
格闘ゲームを第一線で引っ張っていこうという気概が今のセガには皆無で、キャラゲーの格闘ゲームでもあるシャイニングアークなどをスタジオ最前線が作って、それをセガブランドで出していたりしますから、よく言えば臨機応変、悪く言えばパイオニアを尊重しない今のセガの在り方を問われることになりますね。
バーチャファンも未だに根強いですし、出たらゲーセンは盛り上がることは確実に考えられますが、それをしないというのはセガインタラクティブにも実は顔が利く名越氏の存在もあるかもしれません。名越氏がGOサインを仮に出して入れば6の制作も可能だったのかもしれないですが、多分NOと言い続けているのではないかと予想します。
元々AM出身の名越氏ですし、何を出すべきかよくわかっているはずだと思いますが鈴木氏との確執がセガなまでも垣間見れるので、その辺が影響していそうな気がしてなりません。現セガ体制になって、活発になったのは龍が如くスタジオと少数精鋭のAMゲー、あとはスマホゲーという感じになっており、AMはそれでもうまく立ち回っていますが、出すべきタイトルを出さないという昔のとがった、そして、開拓精神旺盛なセガのあるべき姿はもはやどこにもなく、単に儲かるか儲からなかということを最優先にしすぎている感が強く、その結果、本当に出すべきタイトル、もしくはゲームを見失い、自分たちが力を入れたいものだけが出てくるという消費者無視の現状が一定度あるのは間違いないですね。
これはAMCS共にあるので、バーチャも復活を望むAMスタッフがいないのかどうかというところが見えないだけに、3D格闘ゲームではもう勝負しないと断言しているに等しい今のセガが組織体制が変わらなければ復活は非常に厳しいものであると痛感する次第です。