驚きの米朝決裂…!日・米・北・韓「最も得した国」はどこか
ベトナムのハノイで開かれていた米国と北朝鮮の2回目の首脳会談は2月28日、合意に至らず、決裂した。勝利したのは米国のトランプ大統領、敗者は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長である。次に何が起きるのか。
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正恩氏に次ぐ2番目の敗者は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領だ。文氏は昨年秋、英国やフランスなど国連安全保障理事会の常任理事国を歴訪し、懸命に北朝鮮に対する制裁緩和を働きかけてきた。正恩氏の忠実な「代理人」だった。
文氏は金剛山観光と開城工業団地の操業再開を狙っていたが、正恩氏がそれ以上の要求をしたために、すべて水の泡になってしまった。トランプ氏は「オマエが言ってきた話と全然、違うじゃないか」と思っただろう。これでは、トランプ氏にも合わせる顔がない。
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トランプ氏に次ぐ勝者は安倍晋三首相である。日本とすれば、米国が下手に宥和姿勢に傾いて、非核化も拉致問題も日本を狙う中距離ミサイル「ノドン」の撤去問題も前進がないまま、制裁緩和に動けば、置き去りにされかねない局面だった。
それが正恩氏の強気のおかげで、会談決裂という結果を得た。最高とは言えないが、最悪でもない。むしろ正恩氏が負けたのは、日本にプラスである。とはいえ、これで北朝鮮が日本に経済支援を求めてくる可能性は当分、なくなった。
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中国とロシアも敗者である。中ロ両国は韓国と歩調をそろえて、北朝鮮に対する制裁緩和を求めていた。ところが、肝心の正恩氏が大きく出過ぎたために、せっかく北朝鮮を応援しようにも、応援のしようがなくなってしまった。
こうしてみると、今回の大失敗を招いたのは、正恩氏自身の稚拙さとうぬぼれ、見通しの甘さが原因だ。
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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60189