image credit:youtube/AGU
純粋な氷は青い。長年の積み重なってできた気泡の少ない氷は、光が当たると長波長の赤色が吸収されるが、短波長の青色は氷の中を突き抜けて反射するため人間の目には青く見えるのだ。
そのため海に浮かぶ氷山のほとんどは白か青にみえる。
だが、20世紀初頭以来、探検家や船乗りたちから、南極には緑(エメラルドグリーン)の輝きを放つ奇妙な氷山があると報告されてきた。
氷が緑色になる理由はこれまで謎に包まれていたが、今回発表された研究で新たなる仮説が提唱された。その正体は、南極大陸から流れた岩石の粉に含まれる酸化鉄にあるという。
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Why are some icebergs green?
緑色の氷山は透明度も高かった
1988年、アメリカ・ワシントン大学のスティーブン・ウォーレン氏は、東南極にあるアメリー氷棚付近の緑の氷山からサンプルを採取した。
興味深いことに、それは通常の氷山のものよりもずっと暗く透明で、深いエメラルドグリーンであった。通常の氷山とは違う可能性があるというサインだ。
だがウォーレン氏によると、氷山に登ってみたとき、一番印象的だったのは緑色ではなく、その透明度だったという。
image credit:youtube/AGU
このことは、氷に気泡が含まれておらず、普通の氷山とは作られ方が違うのだということを如実に物語っている。
氷山は氷河や氷棚から分離する。そして典型的な氷河の氷は、雪が積もり、それが時間をかけて固まることで形成される。そのために中には気泡が含まれており、それが光を反射する。
ところが南極には、「海氷(marine ice)」という氷棚のオーバーハングの下の海水が凍ってできた氷がある。海氷は光を反射する気泡がないために、氷河の氷に比べて透明であり、暗い。
思った通り、緑の氷山のサンプルを分析したところ、それが氷河ではなく海氷の氷であることが明らかになった。
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緑色になるのは有機炭素だけではなかった
このことから、ウォーレン氏らは、海水に含まれる不純物が氷山を緑色にしているのではと推測。氷棚の下で海水が凍ったとき、海の植物や動物の死骸から生じた溶存有機炭素も一緒に混ざったのだろう、と。
溶存有機炭素は黄色っぽい。純粋な氷は青なのだから、そこに黄色を加えれば、緑になるはずだ。
しかし1996年の調査で採取されたサンプルからは、有機炭素のほかに、また別の氷に緑を添えるでろう物質が発見された。
氷河が削り取った岩の粉
数年前、オーストラリア・タスマニア大学の研究者がアメリー氷棚から採取された氷床コアを分析したところ、その一番底の氷には、上部の氷の500倍という鉄分が含まれていることが判明した。
土壌や岩石に含まれる酸化鉄は、黄色、オレンジ、赤、茶色といった明るい土色を与える傾向がある。
だが、その鉄は一体どこからやってきたのだろうか?
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それは南極大陸の岩盤だ。
氷河が岩盤の上を流れながら、岩を削り取り、「岩粉」という細かい粉を作り出す。こうして岩粉を含んだ氷が海にたどり着くと、粉も一緒に海に流れこむ。
それが氷棚の下に沈み込めば、海氷が形成されるとき、その中に一緒に含まれるだろう。これが南極の緑色の氷山の色の元ではないかというのだ。
緑の氷山が海洋生態系を支えている可能性
この仮説が正しかったとすれば、緑の氷山は想像以上に重要なものだということになる。
というのも、鉄は海の食物連鎖の基礎となる植物プランクトンにとって重要な栄養素であるからだ。
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たいていの海では鉄分が不足している。しかし、新仮説が正しいのだとすれば、緑の氷山は南極本土から削り取られた貴重な鉄分を運び、海で溶けながらそれを供給しているということになる。
ほとんどあらゆる海洋生物を支えている植物プランクトンに栄養をもたらす、大切な役割を果たしているのかもしれないのである。
この研究は『Journal of Geophysical Research』に掲載された。
References:agupubs/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
マズい!もう一杯!
2. 匿名処理班
>純粋な氷は青い
酸素原子の色だね、だから氷山が青く見えるし水も青いんだ、それが気体だと薄くて見えない。
酸素を液体にすると青く見える(液体酸素は危険、私が見たのは液体窒素に空気中の酸素が捉えられて青みが出てきた状態)。
オゾンはもっと青い、どちらも固体なら濃い青〜紺に見えるだろう(固体は写真でしか見たことはないけど)。
ごめん。
緑の氷とはあんまり関係が無いね。
3. 匿名処理班
エメラルドというよりも浅田飴グリーンという感じ
4. 匿名処理班
花京院...いや、なんでもない。