女刑事「恋人を殺した座薬密売組織を壊滅させてみせる!」
- 2019年03月12日 01:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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売人「ああ、こいつをケツに入れりゃ、あっという間に天国に行けるぜ」
若者「ありがてえ……」
売人「さっそく入れてみるかい?」
若者「おう」
ズブッ
若者「お゛お゛お゛~~~~~~~~~~!!!」
女刑事「また座薬中毒者が運び込まれたんですか?」
院長「ああ、全く大忙しだよ。今日だけで何名運び込まれたかな?」
ナースA「午前に5名、午後に7名」
ナースB「計12名です」
院長「病院のベッドはご覧の通りだよ」
「座薬をくれ~」 「ううう~」 「ケツがさびしいよぉ~」
女刑事「ひどい……」
女刑事「ですが、患者を見捨てず受け入れて下さってありがとうございます」
院長「医は仁術というからねえ」
女刑事「あなたは椅子にふんぞり返っている、他の大病院の院長とは違いますね」
女刑事「ええ、それも非常に賢い連中です」
院長「もう手を引いた方がよいのでは? これ以上は命に関わる」
女刑事「いえ、私は絶対手を引きません!」
院長「……彼のことがあるからかね?」
女刑事「はい……」
ナースA「院長」
ナースB「そろそろ回診のお時間です」
院長「おお、そうか。では私はこれで失礼するよ。くれぐれも無理をしないようにね」
女刑事「…………」
刑事「やっと例の座薬密売組織に肉薄できそうだよ」
女刑事「本当!? あなたの執念が実ったのね!」
刑事「ああ、ボスを見つけ出し、逮捕して組織を叩き潰してやる!」
女刑事「だったら私も――」
刑事「いや、こればかりは俺一人の方がいい」
女刑事「でも……」
刑事「なあに、心配するな。恋人の君一人を残して死にはしないよ」
これが彼との最後の会話になった――
女刑事「!」
女刑事(彼からのメッセージだわ!)
『ボス 水戸肛門』
女刑事「…………!」
その後、いくら電話をかけても彼は電話に出ず、程なくして彼の遺体が発見された――
女刑事(その直後、致命傷を負わされたに違いない)
女刑事(だけど最後の力を振り絞って、私に……)
女刑事(その後、上層部は及び腰になって、今や本気で密売組織を追いかけてるのは私ぐらいのもの)
女刑事(絶対私の手で座薬密売組織を壊滅させてみせる!)
女刑事(地道に街で聞き込みをするしかないか)
金髪「座薬の密売人? さあ、知らないな」
ピアス「噂は聞いたことあるけど……詳しいことは全然」
ホームレス「座薬なんざ買う金ねえよ!」
ギャル「分かんなーい!」
女刑事(今日も成果なし、か)
チンピラ「おい、姉ちゃん」
女刑事「?」
チンピラ「あんた、座薬の売人捜してるんだって?」
女刑事「え、もしかして知ってるの?」
チンピラ「…………」
女刑事「もし知ってるなら教えて! どんな情報でもいいの!」
チンピラ「ああ……教えてやるよ」
女刑事「きゃっ!」
女刑事(ナイフ……!)
女刑事「いきなり何するの!」
チンピラ「世の中には知らない方がいいこともあるってことだァ!」ビュンッ
女刑事「しまっ……」ヨロッ
チンピラ「勉強になったろ? トドメだっ!」
女刑事(やられるっ……!)
チンピラ「う……!」
医者「このメスで首刺されたくなきゃ、俺の質問に答えろ」
医者「お前は売人か?」
チンピラ「ち、違う! 俺は雇われただけで、なんも知らないんだ!」
医者「そうか……だったら消えろ!」
チンピラ「ひいいいいいっ!」タタタタタッ
女刑事「…………!」
医者「あんたも座薬密売組織を追ってるのか」
女刑事「ええ、私は刑事なの。あなたは?」
医者「俺は医者だ。開業医をやってる」
女刑事「医者? お医者さんがどうして……もしかして、座薬中毒者を増やしたくないから?」
医者「違う、俺は中毒患者などどうでもいい」
女刑事「?」
医者「俺は肛門科医なんだ」
女刑事「肛門科医!?」
女刑事「なにこれ……。太いし、棘がついてる」
医者「こんなものを何度も何度もケツに刺したら、肛門は確実に重傷を負う」
医者「肛門科医として、こんな肛門に優しくない座薬を売りさばく連中を放ってはおけない」
医者「人間がどうなろうと知ったことじゃないが、肛門が痛い目にあうのは許せないからな」
医者「だから座薬密売組織を追いかけてるんだ」
女刑事「……変わった人ね」
女刑事(だけどこの愚直さ、どこかあの人に似ている……)
女刑事「組織のボスが……“水戸肛門”というところまで」
医者「水戸肛門……。ゲスの分際でそんな素敵な名を名乗るとはふざけた奴だ」
女刑事(素敵かなぁ)
女刑事「ねえ、私たち同盟を組まない?」
女刑事「二人で同盟を組めば、きっと組織を倒せると思う!」
医者「……いいだろう。俺も一人で捜査するのに限界を感じていたからな」
女刑事「毎日のように聞き込みをしてるんだけど、売人と接触する方法は常に変えられてるみたいで」
女刑事「まるで組織の正体が見えてこないの」
医者「しかも、あまりにこちらから接触しようとすると、さっきのチンピラのような奴が」
医者「襲いかかってくる危険性があるってことか」
女刑事「ええ、それに警戒されて拠点を変えられてしまうかもしれない」
医者「そうなったら、もう組織を追うことはできなくなるな」
女刑事「はっきりいって、もう猶予はないわ」
医者「だとしたら、手がある」
女刑事「なに?」
医者「売人も商売である以上、当然新規への営業活動もしているはずだ」
女刑事「そりゃねえ……」
医者「誰かに座薬を売りつけるとして、肛門になんの問題もない奴に話しかけても」
医者「おそらく無視されてしまうと思うんだ。座薬に抵抗のある人は多いからな」
女刑事「たしかに……それで?」
医者「だから、肛門に問題のある人間を尾行すれば、売人との接触の瞬間が目撃できるかもしれん」
女刑事「なるほど!」
医者「俺は肛門科医だぞ? 見つけ出すのはたやすい」
医者「ただしちょっとやそっとの痔じゃダメだ」
医者「よほどの重症でないと、売人も目をつけないだろうな」
女刑事「じゃあ、近くの喫茶店にでも入って見張りましょうか」
医者「…………」
女刑事(すごい集中力だわ。まるで張り込みしてる時のあの人のよう……)
医者「む」ピクッ
医者「あの男……歩き方からしてかなりのイボ痔を持っているな」
女刑事「歩き方で分かるの?」
医者「ああ、これでも“肛門科の寵児”といわれてるからな。痔の人間を見抜くのは自信がある」
医者「行こう。奴をつければ、なにか分かるかもしれない!」
コソコソ…
女刑事「普通の歩き方に見えるけど……」
医者「よく見ろ。重心からして肛門をかばってる」
女刑事(全然分からない……)
男「……ん?」
女刑事「!」
医者「!」
売人「お兄さん、なかなかいい歩き方してるね」
売人「ひょっとして痔なんじゃない?」
男「どうしてそれを……!」
売人「よかったら……この座薬試してみない?」
売人「これをケツに刺すと、痔だったのが嘘のように気持ちよくなれるよ」
男「ホントかい!?」
売人「初回だからお安くしとくよ」
男「おお、それぐらいなら払える。だけど本当に気持ちいいのか?」
売人「もちろん。きっとやめられなくなるさ……」ニヤ…
女刑事「そこまでよ!!!」バッ
売人「!」
男「?」
女刑事「やっと尻尾をつかんだわ……座薬の売人!」
医者「お前はこっちに来い」グイッ
男「わっ!」
医者「ああ、それと……痔を治したいのならウチに来い」
医者「切れだろうとイボだろうと痔ろうだろうとちゃんと治してやる。これ名刺だ」スッ
男「ど、どうも」
売人「クックック、観念するのはそちらの方だ」
売人「女刑事さん、あんたが俺らのことをしつこく嗅ぎ回ってることは聞いてたからな」
売人「うっとうしいからいい加減始末したかったんだよ」
女刑事「どういうこと?」
売人「こういうことだ! おい、みんな出てこい!」
ゾロゾロ…
「へっへっへ……」 「罠にかかったな」 「飛んで火に入る夏の虫だ!」
女刑事(仲間を潜ませてたの!?)
医者「……やるしかないみたいだな」
女刑事「ええ」
手下A「死にやがれェ!」ダッ
女刑事「刑事を舐めないで!」ガシッ
女刑事「せいぃぃぃぃっ!」
ブオンッ ドシンッ!
手下A「ぐえっ!」
バシッ!
医者「うっ!」ポロッ
手下B「メスさえなきゃこっちのもんだ!」
医者「残念だったな……俺にはまだ浣腸(これ)がある」
ズブッ
手下B「ぐああああああっ……!」
女刑事「てやぁぁぁぁぁっ!」ブオンッ
医者「むんっ!」ズブッ
売人(こいつら……やりやがる!)
ドサッ…
女刑事「さあ、あらかた片付いたわよ」
医者「ふん、どいつもこいつも軟弱な肛門だ」
売人「ぐっ……こんなはずじゃ……」
女刑事「さあ、教えなさい」
女刑事「あんたを動かしてる黒幕――“水戸肛門”の正体を!」
売人「いえねえ! いったら殺される!」
女刑事「今すぐ殺されるのと、どっちがいいの!?」チャッ
売人「ピストル!? よ、よせ!」
女刑事「私はあの人の仇を取るためだったら何でもやるわ!」
売人「ひ、ひいいっ!」
女刑事「いいなさい!」
売人「俺たちのボス“水戸肛門”の正体は――」
女刑事「ウソでしょ……!」
売人「…………ッ!」
院長「おやおや、こんな時間にどうしたのかね?」
女刑事「あなたにお話しがありまして」
院長「しかも、“肛門科の寵児”ともいわれた君も一緒とは」
医者「……どうも」
院長「さて、お話しとはなんだね?」
女刑事「座薬密売組織のボス……≪水戸肛門≫はあなたね?」
院長「よくここまでたどり着いたねえ」
女刑事「警察がこの事件から手を引いたのも、きっとあなたが裏から手を回したのね」
院長「うむ、おっしゃる通り」
女刑事「なぜこんなことを? あんな危険な座薬を世に広めたの?」
院長「決まってるだろう? 金だよ、金」
院長「座薬を売れば金が儲かる、中毒者がリピートしてまた儲かる」
院長「さらに中毒患者が我が病院に来てまたまた儲かる」
院長「金はいくらあっても困らんのでねえ。アーッハッハッハッハ!」
医者「お前は医者じゃない……ただのクソ野郎だ」
院長「なんとでもいいたまえ」
女刑事「!」
院長「スケ子さん、カク子さん、やっておしまいなさい!」
ナースA「はい」
ナースB「はい」
女刑事「あなたたちは……!」
医者「気をつけろ、この二人只者じゃないぞ!」
女刑事「注射器? そんなので刺されたくらいで――」
医者「!」
医者「バカ、その注射器に入ってるのは猛毒だ!」
女刑事「えっ!?」
ナースA「はっ!」シュッ
女刑事「くうっ!」サッ
ナースA「……惜しい」
医者「し瓶……!?」
ナースB「喰らいなさい」バシャッ
医者「まずいっ!」サッ
バシャァッ
ジュワァァァァァ…
医者「これは硫酸か……! し瓶ではなく“死瓶”だな……」
院長「この二人はただの看護婦ではない。特殊な戦闘訓練を受けた暗殺ナースなのだよ!」
院長「通常の看護婦は患者をHEALTH(健康)に導くが、彼女らはHELL(地獄)に導くのだ!」
ナースB「浴びなさい」バシャアッ
医者「完璧なコンビネーションだ……つけいるスキがない!」
女刑事「こうなったら銃を使うしかないわ! 止まりなさい!」チャッ
ナースA「撃てますか?」
ナースB「私たちには分かります。あなたに人の命を奪う覚悟はないと」
女刑事「ううっ……」
医者「…………」
医者「人間、命を奪う覚悟なんかより、命を救う決意を持ちたいもんだ」
女刑事「お医者さん……」
ナースA「甘いことを」ダッ
ナースB「トドメです」ダッ
女刑事「…………!」
女刑事(そう、命を奪わなくても彼女たちを倒すことはできる!)
女刑事「撃つ!」
パンッ!
パラパラ…
ナースA「……な!」
ナースB「蛍光灯を割ってガラス片を!」
医者「ケツががら空きだ、お二人さん」サッ
ズブッ ズブッ
ナースAB「ぐあああああああっ……!!!」
ドササッ…
女刑事「ここまでね、院長……いいえ、“水戸肛門”!」
女刑事「さあ、大人しく逮捕されなさい!」ジャラッ
院長「く、来るな! 来るなァ!」
女刑事「みっともない……大病院の長として、最後ぐらい潔くしたらどう!?」
院長「う、うわっ!」
ドテッ
女刑事(あ、尻もちついた)
院長「う゛」
院長「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ゴロゴロ… ゴロゴロ…
女刑事「これは……!?」
医者「そうか……これでこいつがあの危険な座薬を広めてた真の理由が分かった」
女刑事「え……?」
医者「こいつはひどい痔だったんだ。それこそ座ることすらできないような」
医者「だから腹いせに自分のような人間を増やそうと……」
女刑事「そういうことだったのね……」
女刑事(めったに椅子に座ってなかったのも、痔だったからなんだわ……)
女刑事「ええ」
医者「後始末は警察に任せるよ」
女刑事「……ねえ」
医者「ん?」
女刑事「今度、あなたの病院にお邪魔してもいい?」
医者「……あんたなら、肛門に異常がなくても歓迎するよ」
女刑事「……終わったよ。座薬密売組織は壊滅したよ」
女刑事「これでようやく、あなたのお尻を追いかけず、前に進めそう」
医者「さ、行こうか」
女刑事「うん」
女刑事「じゃあまた……命日に来るからね」
医者「!」
『彼女を……よろしく頼む』
医者「ああ、分かってる……ちゃんとケツまで面倒見るよ」
女刑事「どうしたの?」
医者「いや、なんでもない。ただの独り言さ」
― 完 ―
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先々週
コメント一覧 (7)
-
- 2019年03月12日 01:58
- ※1 尻の穴が痒いんですか?www
-
- 2019年03月12日 02:09
- 座薬だと言われてアレを入れられていたことを知りショックシ
-
- 2019年03月12日 02:15
- 「今からちょっと太い座薬入れますからね」
「あの、これ本当に医療行為なんですよね?」
「大丈夫です。みなさんやってますから」
-
- 2019年03月12日 07:31
- 捕まって座薬中毒になり、尻を振り乱す展開はよ
-
- 2019年03月12日 11:38
- ひとまずハッピーエンドだけど医者の性癖からして今後刑事のケツ穴は無事では済まないだろうなぁ
-
- 2019年03月12日 12:24
- アクション大作。
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