昔から、私は妹の加奈に対してコンプレックスを抱いていました。
真面目な性格の私と違って、要領がいいというか…。
何をやらせてもソツがなく、いつでも自由奔放に生きる子だったからです。
私は親に言われるままに女子高に入ったっていうのに妹は共学の高校へ。
男性と知り合う機会が少なくて、卒業してから初体験した私と違い、妹は高校で何人とも付き合ってました。 その奔放さは特に異性関係で際立っています。
同じ男性と半年以上付き合ったことはなく、きれいな外見を活かしとっかえひっかえの状態でした。
それに比べて私は親戚の勧めでお見合い結婚、十代で家庭に入ることになりました。
一人息子にも恵まれはしましたが、夫との関係は子育てと共に冷めていき…
いまではただのお父さんとお母さん以上の何者でもありません。
5年前に伊豆のサーファーと結婚して、妹は結婚生活も謳歌しています。
それと比べると、私は地味で何の面白みもない主婦になってしまいました。
もちろん、自分と妹の性格が正反対だという事は分かっています。
人生を楽しくするのは結局その人次第だという事も。
そうは思ってみても、やはり一抹の寂しさはどうしても拭えませんでした。
そんなある日の事…
その日、たまたま遊びに来ていた加奈が、最近始めたという新しい遊びの事を話したのです。
私はいつものように聞き流していたんですが、内容がハードだったんです。
どうやらその遊びというのは、年下の男の子との浮気という事を知って、さすがにどうかと思いました。
「まさか、相手は未成年なの?いくらなんでも…」
「いいじゃない。男はとにかく若いこの方が良いんだって。でも高校生って言うのは初めてかも」
「こ、高校生と不倫してるの?」
加奈の言葉に驚いてしまいました。
浮気してるというだけでも大変な事なのに、その相手が高校生だなんて。
それに息子のサトシと同じ高校生です。
妹からすれば甥と同じぐらいの男の子と肉体関係を持つだなんて、私には信じられません。
「高校生なんて、すっかり大人と同じよ。教えたら教えただけ上達するし、体力が違うわ」
あけすけな妹の言葉に私は言葉を失ってしまいました。
派手な服を着ている妹は、見た目とても28歳には見えません。
これだと確かに高校生にとっては美人のお姉さんという感覚かもしれません。
若々しい少年と妹が絡み合っている場面を想像し、頬が熱くなってしまいました。
「高校生っていいわよ。素直だし、経験が少ないからとっても責めがいがあるの。姉さんも体験してみれば?」
「や、やめてちょうだい。そんな恥ずかしい事。それに親御さんに知れたらどんな顔すればいいの?」
サトシと同じぐらいの少年の親って、私と同じくらいの年齢のはず。
妹のしでかした事とはいえ、同じ母親として申し訳がありません。
ところがそれを聞いている加奈は、何か意味深な含み笑いをしています。
「うふふ… 言っちゃおうかな。その子ってね、本当は姉さんも知ってる子なの」
「え、なに…?私に高校生の知り合いなんて。まさかサトシの友達とかじゃないでしょうね」
「あたり?!しかも3人としてるのよ」
!!!!
さ、三人と?
今度こそ、本当に私は呆気にとられてしまいました。
加奈は、息子の友達3人と肉体関係を持っているというのです。
「やだ?、そんな顔しないでよ。偶然だったんだから」
どんな偶然なのかは教えてくれないけど、息子と同い年の子と遊びで付き合ってるだなんて。
想像以上の内容を聞かされて、妹の対して様々な感情が湧き上がってきます。
加奈のただれた性生活に対する非難。
それとは逆の、自分の欲望のままに行動できる性格への羨望。
いろんな感情が混ざり合ってましたが、最も強く感じたのは嫉妬…。