医学部卒業生を送り出した80校のうち、1位は栃木県の「自治医科大学」でした。これで同大は7年連続1位となりました。合格率は99.2％。125人が受けて、不合格は1人だけ。新卒に限ると、合格率はなんと100％です。

　では、受験偏差値でも、医学部ヒエラルキー（伝統的な序列）でもトップに君臨する「旧七帝大」はどうでしょう。合格率が一番よかったのが東北大の94.0％で15位、次が名古屋大の91.7％で30位、大阪大が90.6％で45位、京都大が89.8％で50位、東京大が89.0％で55位、北海道大と九州大が88.0％で59位でした。

　旧七帝大のパッとしない成績を意外に思った人も多いのではないでしょうか。とくに、受験偏差値が全大学・全学部の中で最高の英才たちが集まる東大医学部の合格率が平均と同じで、順位も中の下なのが目を引きます。


・自治医科大学医学部



　実はこれも毎年のことです。受験が得意な東大医学部の人たちがまじめに取り組めば1位になっておかしくないと思うのですが、どうして国試ではふるわないのでしょうか。それにはいろいろな理由が考えられます。

　まず、旧七帝大のような伝統ある大学では、国試対策の授業やテストをほとんど行いません。現役時代から国試予備校に通うような人も、プライドの高い旧七帝大の学生では少ないはずです。ほとんど自助努力で国試に挑むことになるわけですから、偏差値が高い人たちといえども対策が不十分で、落ちる人がいるということなのでしょう。

　ただし、東大医学部OBから、こんな話を聞いたこともあります。こうした超難関校に入ってくる人たちの中には、受験界の頂点に入ることが目的になっていて、医学そのものにあまり興味が持てない人もいるというのです・・

・詳細は（source： 文春オンライン - なぜ日本最難関の東大医学部が、医師国家試験で合格率「55位」なのか）


・天才東大生ランキング第1位がすごいを通り越してヤバイ



・東大薬学部の場合、対策をせずに薬剤師国家試験を受けてみる人が大半と聞いたことがあります。薬剤師免許を取って、調剤をやるつもりで入った人は少なく、研究その他免許を必要としない職を希望します。
医学部も研究をするなら、医師国家試験に合格することが目標にならないのかもしれません。

・記事にあるように、「ヒエラルキーのトップを目指す事が目的であり医学に興味があったわけではない」という指摘は、たしかにそうかもしれません。
　動物行動学者が言うように、どの動物も若い頃(生殖が可能な頃)に競争して順位を決める傾向があるから、人間も勉強やスポーツや芸術も順位をつける傾向があるので、勉強分野のトップを目指しただけの人もいるだろう。
(司法試験も似たような理由で受ける人がいる)

・医師国試は合格ラインが大体９割で調整されているので、１割は必ず落ちるようにできており、どのような人が落ちるように試験を作るかが時代とともに少しずつ変わる。割合で言えば、医師になってはいけないような裏口入学ではいったはいいが頭も志も足りない人をふるいにかけるのが一番で、次に必要な勉強をしなかった頭がいいだけの人がふるいにかかっている。最近は病院実習をきちんとこなしたものが解けるような問題が用意されており、要点をかいつまんでテストを乗り切ってきただけの「優秀」な学生は不利である。

ただ医学部は医師養成所以外の側面もあり、旧帝大は研究を引っ張っていく役割もあり、必ずしも医師国家試験に合格することが目的ではない学生が悪いとは限らない。研究に従事して大発見することでたくさんの命が救われることもあり、それは医学部で勉強したからこそ研究のニーズがわかるという側面もある。

・記事にもあるように講義や実習、臨床と研究を通して6年間医学を学んでいる訳です。
せめてその6年間の蓄積と医師としての適性を実践的に評価できるのなら良いのですが、それが今の「国試」で十分か？というお題は残っていると思います。
近年は、臨床実習等で症例をしっかりと実見し理解していないと回答できない問題が増えているようです。

国試は必要だと思いますが、米国のように段階を分けて審査する方法もあるでしょう。
一発で全範囲というのは優秀な学生であっても負担が大きく、一部の私立医大が国試の予備校のようになってしまう状況を生み出していると思います。

・自治医の合格率が高いのは合格してもらわないと各自治体が困るからね
なんだかんだで10年間くらいドサ回りさせられてた記憶がある
初期研修（2年）はそこそこレベルの高いいろんな症例にあたる病院に配属されるけど、そのあとは僻地だから、各自治体で当たり外れは大きいんじゃないかな


・東京大学医学部は頭が悪いそうです