117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:04/05/06 21:27 ID:7TIUq1F8
私が留学中に、実家の犬が痴呆になった。
人間と同じで、ご飯食べたのも忘れて何回も催促
したり、パっと立ち上がって、でも何の為に立ち上がった
かわからなくなってぼけっと何時間も突っ立っていたり。
目も鼻も効かなくなって、家族でも不用意に近づくと
噛み付かれた。大きな犬だったから、年取っても噛まれると
相当痛い。親はどうしたものかと途方にくれていた。
そんな状態の中、留学先の学校を卒業して2年ぶりに実家に
帰った。親からは、もうお前の事を認識できないかも
しれないから、触る前に充分においをかがせて、それでも
唸ったりするようだったらあきらめて触らずに家に入れ、
といわれショックだった。自分が小学1年生の時から、
ずっと一緒だった犬だったから。他の人にはただの
犬でも、私にとっては弟であり、友達であり、心の支えで
あったから。門をあけると、犬がいた。おそるおそる、
名前を呼びながら近づいていった。立ち上がって
緊張感をただよわせる犬。昔は私が学校から帰ると
尻尾ぶんぶん振って飛びついてきたのに・・。
こちらも緊張しながら、ゆっくりゆっくり近づいていった。
すると・・突然、犬がゆっくり尻尾を降り始めた。
よろめく足で必死に歩き、私の足元に来て倒れこんだ。
倒れこみながらも尻尾を振って、キューンキューンと
甘えた声を出してきた・・。わかってくれた・・・。
それから8ヶ月間、彼が逝くまで、ずっと側に
付き添った。