42生後間もない息子を抱えた30代の母親は、福井県坂井市の東尋坊の売店で酒を飲み、3歳の娘の手を引き、岩場へ向かった。大人用のスリッパを履いていた娘は「かーかー(お母さん)帰ろう」と泣きじゃくっていた・・





パトロール中に異変に気付いたNPO法人「心に響く文集・編集局」の茂幸雄代表(75)は、親子に駆け寄り、強引に事務所に連れ戻した。母親は「関係ないやろ」と爪を立てて暴れた。茂さんは「お前だけの命じゃない」としかりつけた。

 警察に保護され東尋坊を離れるとき、女児は茂さんに笑顔で手を振った。「ありがとう、帰るね」


・東尋坊



 母子3人は翌朝、マンションの10階から飛び降りた。手を振る女児の姿を思い出すたび、茂さんは「あの親子を一時的に保護するシェルター(避難所)があれば…」と、苦い思いがこみ上げる。

 同NPOは2004年からパトロールしており、ことし3月29日現在、643人の自殺志願者を保護した。自殺を引き留められた後、生きる希望を見いだし、毎年東尋坊を訪れるようになった人も少なくない・・

(source: 福井新聞ONLINE - 東尋坊で自殺止めた翌朝、母子飛び降り 保護活動続ける男性、苦い思い


・茂幸雄さん









・東尋坊 命の番人