私は大学院で有機ELと有機薄膜太陽電池の研究してました。
この技術は簡単です。電子の励起状態のエネルギーと光エネルギーの光電変換の原理を用いています。光電発光層と呼ばれるp型とn型の有機薄膜を接合（p-n接合）し、そこに”キッカケ”すなわちバイアスを与えることで拡散電位Vbi=ΨnーΨp=kT/q・ln（NaNd/ni^2）を越える電位を与えることによりp-n接合の電子と正孔の均衡が崩れ、再結合による空乏層が発生しそれにより発生する電位により拡散電流が発生し膨大なエネルギー（または光）を得ることができるのです。
光子のエネルギーをE、プランク定数h、振動数ν、光速度c、波長λ、電荷素量e、禁制帯幅をEgとした場合、E=hν=hc/λ=Eg すなわち発光波長λはλ＝hc/Egとあらわされます。すなわち禁制帯幅を伸縮させることで発光波長を制御することができます。禁制帯幅とは電子が存在しない領域のことです。バンドギャップを越えるエネルギーを与えなければ電子は価電子帯と伝導帯間を遷移できません。有機薄膜の場合はこの禁制帯は材料固有となるため、選出する材料に依存します。すなわち、材料でバンドギャップが決まります。そしてP-N接合の場合はこのバンドギャップの選び方で印加電圧と半導体の動作帯が決まります。