Image by Enrique Meseguer from Pixabay
死や地獄といったテーマで人間の魂の叫びを奏でる、アグレッシブでよりエクストリームなメタル音楽「デスメタル」だが、今や人工知能ニューラルネットワークが生成したメタルが、人間の魂を激しく揺さぶってくれる時代となったようだ。
音楽の名門バークリー音楽大学で学んだCJ・カール氏とザック・ズコウスキ氏が開発した「ダダボット(Dadabots)」は、さまざまなジャンルの音楽を再現する音楽生成AIである。
その最新プロジェクト「リレントレス・ドッペルゲンガー(Relentless Doppelganger)」では、AIが生成したデスメタルがエンドレスにぶっ続けでライブ配信される。
つまりは、「ブラックメタルから人間を駆逐」する第一歩が踏み出されたというわけだ。
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RELENTLESS DOPPELGANGER \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/ \m/
様々なジャンルの音楽をAIで生成
2012年の誕生以来、スケートパンクからブラックメタルまで、各ジャンルの音楽を元にして数々のアルバムを制作してきたダダボット。
両氏が2017年に発表した論文にはこうある。
スタイルに特化した音楽生成実験のほとんどは、ビートルズ、バッハ、ベートーベンといったハーモニーの教科書御用達の音楽家を参考にしており、ブラックメタルのような現代の異端ジャンルに着目したものはほとんどない。
我々の出発点は、元データのリアルな再現を目指すことであったが、その不完全さが持つ芸術的メリットに感銘を受けてきた。
ソロボーカリストは劇的なゴーストボイスとなり、ロックバンドは小気味好いキュビストジャズになり、多重録音のクロスブリードは、超現実的なキメラサウンドとなる。
AI、ダダボットの生成した音楽は以下のサイトから無料ダウンロードできる。
DADABOTS
ニューラルネットワークの持つ人工ニューロン
ニューラルネットワークは、脳細胞ではなく脳が情報を処理するやり方にヒントを受けたものだが、ノードという人工ニューロンを無数に利用している。
ごく簡単にいうと、ニューラルネットワークは入力層と出力層、そして入力された情報を出力層が利用できる形に変換する、つまりは思考を担う”隠された層”で構成されている。
ダダボットが生成するメタル音楽には、カナダのメタルバンド「アーチスパイアー」の楽曲が入力情報として用いられている。
AIはそのサウンドをどうにか模倣しようと試みる。その結果が、出力として流れてくる音楽だ。
ライブ配信される楽曲は、少々乱雑に聞こえ、ときに流れが途切れることもあるが、それゆえにデスメタルの暗く混沌とした世界観にぴったりかもしれない。
References:Listen To This Endless Live Stream Of AI-Generated Death Metal | IFLScience/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
メタルのフェスで外でケバブとか台湾麺とか食ってる時に中から聞こえてくる感じの音
2. 匿名処理班
音場(おんじょう)が狭すぎて、なんだかなぁ……
3. 匿名処理班
AIに特定のジャンルの曲をぶち込むと、このようにそれらしい音源は出来るが
難しいのは「きちんと1曲として終わらせる部分」だそうな。
4. 匿名処理班
死なない者が奏でる「デス」メタルか
5. 通りすがり
なぜ人間は音楽を聞いて興奮するのか?
このAIに入力したのが有名な楽曲だけでは多分そこまでたどり着けない
人間に聞かせて脳波を検出してそちらも入力してやればそのうちたどり着けるのかも知れない
今のやり方はオリジナルに近いコピーを量産するだけにはならないだろうか?
6. 匿名処理班
サビとして聞くなら結構好き
7. 匿名処理班
おお技術は進歩してるなぁとは思うけど、それ以上でもそれ以外でも無いなぁ
AIが〇〇で人間を負かす事が出来た!って話がたまに出るけど、機械は特定の場所で人間を超える仕事をする為に開発、製作されてる訳だから、人間以下の事しか出来なければただのポンコツな訳だし。人間以下の運搬量のトラックとか使い物にならんし。
人間の能力を超える事が出来るからって、格闘技の試合のリングにプログラムされたデカいトラックが自動で乗り込んで対戦相手をボロボロに轢いて「イエー!人間ヨリ強イゼ!トラック最強!」とか合成音声が流れても「はぁ?」だし。
何を言いたいかというと、所詮機械は機械でしかないって事。そこから生まれた物は例え人間が作り出した物に似ていたとしても単なる意味の無い「モノ」でしかない。(AI自体はもちろん人間が造ってるから意味のある物)
人間が何かを作るから、人間が何かをするから、人間同士が何かをするから、そこに意味が生まれるあるんであってさ。
ただ、AIがロボット的な躯体に組み込まれ、何らかの意思的な物を持つ事が出来て自律行動をし、トータルに人間を模倣出来て何かを創り始めたとしたならば、それには意味が生まれるんだけど……それは遠い未来のお話。
8.
9. 匿名処理班
最初聞いたら凄く小さい音で、遠くで何かが鳴ってるという感じだったのが、聞き続けていたら突然めちゃくちゃ激しいデスメタル始まってビビったw
10. 匿名処理班
音ゲーでコレきたらリズム難過ぎない?
11.
12. 匿名処理班
BGMにしてたら頭痛くなったけど、そんなこと言ったらAIに、
「この曲についてこれないとか年寄りwww」
と草生やされそうだから言わない。
13. 匿名処理班
最近AIって言葉のレベルが下がってる気がする。
画像作成ってのもどこかで見たけど、
複数の画像や音声をプログラムが一定のルールに従って合成してるものだし知能と言えるのか疑問。
特定の音声に特定の反応するだけのやつもAIなんて呼ばれてるし・・・
地球外生命体を発見したぞ!→微生物でしたーってのに似てる。
知的人工知能の開発に期待。
14. 匿名処理班
すげえなこれ
そのうち魂に響くような音楽を作れるといいね
15. 匿名処理班
作業用BGMにしよう。
16. 匿名処理班
以前「AIが作ったクリスマスソング」って感じの記事では
休符がなく常に音が鳴りっぱなしで
楽曲として成立している感じがしなかったけど、
これはまだしも所々に音が止まっている瞬間があるから
「隣の部屋の奴が大音量でかけて音漏れしてくるデスメタル」
くらいの雰囲気は出てる気がする。何となく聞き流す分には。
ただ、鑑賞するつもりで長く聴いていると
やっぱり「これという盛り上がり所のサビがなく
だらだらと長く続いている駄作」っぽい印象。
17. 匿名処理班
意外に地味だね