857 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:02/06/20 16:48
学生の時、爺さんが末期癌でこの世を去った。
悲しかった。ただ、葬式では泣かなかった。泣けなかった。
「人前で泣くな」が、爺さんの教えだったから。

数日後、母から思わぬ話を聞いた。
「爺さんは、あんたにキツく接していたけど、実は一番可愛がられていたのはあんたなんだよ」と。
「爺さんが肩車したのは、子供・孫の中であんただけだったんだから」と。
この話を聞いた時、物凄い後悔をした。
なんでもっと孝行出来なかったんだと、自分を責めた。
ただ、泣くことはしなかった。

さらに数日後、交通事故にあった。
自転車 対 自動車(自分が自転車)で、自分は10メートル近く吹っ飛ばされた。
しかし、地面に激突する、という時に、凄い力で自分の体が支えられた。
大事故だというのに、すり傷程度で済んでいた。

何かの気配を感じ、顔を上げた・・・。
爺さんだった。生前には見たことも無い優しい笑顔で、こっちを見ていた。

守られている・・・と言うのが分かった時、涙が止まらなかった。止めれなかった。
爺さんに心の中で謝った。
「出来の悪い孫でごめん・・・泣いちゃったよ」
爺さんは優しい笑顔のままだった・・・・。


爺さんが、俺の夢か幻でなければ、全て実話です。