2019年5月6日
(社説)エジプト改憲 強権の長期化を憂える
https://www.asahi.com/articles/DA3S14003183.html
現代のファラオになろうとでもいうのだろうか。
エジプトで国民投票があり、票数の89%の賛成で憲法が改正されることになった。大統領の任期と権限が大幅に拡大する。
かねて国連の専門家や人権団体が批判してきた強権的な手法に拍車がかかるだろう。自由で民主的な社会づくりの道は、さらに遠のいた。
軍総司令官として2013年に当時の政権を倒し、翌年に大統領となったシーシ氏は22年に退任するはずだった。改憲により、30年まで大統領の座につく道筋ができた。
また、大統領が各司法機関の長を任命し、軍は国土防衛に加え「憲法と民主主義の擁護」の役割も担うことになる。司法が大統領に従属し、軍による政治介入も正当化されかねない。
政治活動や言論の自由が制限されるなか、投票結果は最初から予想できた。ただ、
投票率は45%を切り、賛成したのは有権者総数の4割に満たない。「歴史に刻まれる」と国民の支持を自賛するシーシ氏は、この現実をきちんと見るべきだ。 ↓
※沖縄の投票率は52%で、賛成が7割 賛成は有権者総数の35%程度です