【ラブライブ】μ'sはつらいよ~穂乃果まぼろしの海外ライブ~
※無印劇場版のif展開となっております。
※ 5chのラブライブ板に投稿した作品の、誤字脱字等を修正した改訂版です。
~卒業式の日・部室にて~
μ'sの8人「えええええええええええっ!?」
凛「凛たちが……!!」
真姫「海外で……!!」
花陽「ライブしちゃうのぉ~~~~!?」
ことり「それじゃあ私たち、アメリカでライブするって事!?」
海未「そんな……ラブライブに優勝したばかりだと言うのに、いきなり海を渡るなんて!!」
希「気がつかんうちに、ウチら凄いとこまで来とったんやね!!」
理事長「フフッ……どこだと思う?」
8人「……………ゴクリ」
理事長「ニューヨークよ!!」ドンッ
真姫「そんな所で、私たちがライブ……」
花陽「このライブが成功すれば、スクールアイドル人気に火が付いて……」
花陽「そうなったら、ラブライブ決勝のドーム開催も夢じゃなくなるかも!!」
にこ「え?それってタダで海外旅行できるってこと!?」
にこ「うはぁ~~~アメリカのテレビ局って太っ腹なのね!!」
凛「タダって言葉に目を輝かせるなんて、にこちゃんさもしいにゃ~(ジト目)」
にこ「」無言ほっぺつねつね
凛「ごめんにゃは~~い」ナミダメ
7人「当然!!」
海未「なんでみんな即決なんですか!?」
海未「せ、世界中の人々に見られるなんて……」
海未「む、無理ですぅぅぅぅぅぅ!!!!////」
ことり(海未ちゃんったら、ラブライブが終わった途端にまた人見知りが……)
ことり「穂乃果ちゃんなら、生徒会室に用事があるってさっき……」
ことり「あっ……」
8人「」顔伏せ
理事長「??」
穂乃果「……………………」
ツカツカツカツカ
理事長「何あれ……無言で部室の前を素通りしていったけど」
ことり「お母さん……目を合わしちゃダメ、無視して」
理事長「ハァ?」
海未「最近、BSでやってる『男はつらいよ』にハマってるらしいんですよ」
穂乃果「……………………」
ツカツカツカツカ
海未「ああやって、ワザと無言で通り過ぎるんです」
海未「誰かが呼び止めるまで、何度も何度も」
理事長「えぇっ……」
絵里「本人は面白いつもりでやってるんでしょうけど……」
真姫「構うとクセになって良くないから、みんなで放置プレイする事に決めたんです」
理事長「……何だかあの子の将来が心配になってきたわ……」
穂乃果「……………………」
ツカツカツカツカ
ダダッ
穂乃果「もぉ~~っ!なんで誰も出迎えてくれないのぉ!?様式美が崩れるじゃん!!」
8人「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
穂乃果(……ここだけの話、海未ちゃんを説得するのにかなり骨を折ったけど)
穂乃果(そして、ニューヨークへ出発する前日を迎えたのです)
~穂乃果まぼろしの海外ライブ~
(映倫)
(作詞・歌:高坂穂乃果)
(作曲:山本直純)
(わたくし 生まれも育ちも神田・秋葉原です)
(穂むらの風呂場で産湯を使い)
(姓は高坂 名は穂乃果)
(人呼んで ほのほのほのかと発します)
♪穂乃果がいたんじゃ ストレスマッハ
♪わかっちゃいるんだ ことうみよ
♪いつか2人の 喜ぶような
♪偉いリーダーに なりたくて
♪奮闘ファイトの 甲斐も無く
♪今日もカミナリ
♪海未ちゃんがカミナリ また落とす
♪白髪が生える
ほの母「穂乃果~!お父さんから借りたカメラはちゃんと荷物に入れたの~!?」
穂乃果「心配ないって!もう3回も荷物チェックしたんだから!」
ほの母「パスポートは!?」
穂乃果「お母さんは心配性だなぁ~」
ほの母「あんたみたいな娘を持ったからこうなったのよ!!」ムカッ
穂乃果「雪穂までそんなこと言うのぉ~~~!?」
雪穂「だってお姉ちゃん、こういうデカい旅行になると、いつもロクでもない失敗するじゃん」
穂乃果「人を不祥事のデパートみたいに言わないでよ!」
雪穂「忘れもしないよ、むかし家族旅行で北海道に行った時の事を」
穂乃果「!?」
穂乃果「わ~~~~っ!!わ~~~~っ!!////」
穂乃果「雪穂その話は禁止~~~~~~っ!!////」
ほの母「ホントあの時は地獄絵図だったわね……(遠い目)」
ほの母「エチケット袋を使わず、事もあろうに実の妹に向けてジェット噴射するだなんて……」
穂乃果「もぉ~っ!!それまだ穂乃果が7歳の頃の話じゃん!!時効だよ時効!!」
雪穂「お姉ちゃんが将来結婚した暁には、披露宴のスピーチで絶対この件を暴露するから」ニヤリ
穂乃果「もう穂乃果は17歳だよ!!そんな子供じみた失敗なんて…………」
穂乃果「………例えば電車を乗り間違えるとか、そんな失敗ぜ~~~~~~ったいしないんだから!!」プンスカ
ほの母「そ、そう……期待してるわ」
穂乃果「あぁそれなんだけどね、明日の午前中に学校で壮行会をやるんだって!」
穂乃果「ニューヨークへ旅立つ私たちを激励するとかで……ちょっと大げさだよね」
雪穂「すごいじゃんそれ、高校野球みたい」
穂乃果「理事長がポケットマネーで奮発して、いっぱいご馳走を用意してくれるらしいよ!」
ほの母「あまり食べ過ぎちゃダメよ、またダイエットする羽目になるんだから」
穂乃果「もぉ~話の腰を折らないでよ……」
雪穂「あのお姉ちゃんが……妹にゲロ吐きかけるお姉ちゃんがVIP待遇だなんて……」
雪穂「世の中、なにか間違ってるよ……」
穂乃果「雪穂、今後それ言ったら姉妹の縁を切るよ……(ジト目)」
穂乃果(体育館には、今まで見たこともない数のお寿司がズラリと並んでました)
穂乃果(魚が苦手な凛ちゃんは、カッパ巻きしか食べてませんでした)
穂乃果(それを見たにこちゃんが『カッパしか喰えねぇ』と茶化してました)
穂乃果(思えばあの時が、私の人生のピークだったと思います)
穂乃果(そして、楽しかった壮行会も終わり……)
穂乃果「いやぁ~お寿司おいしかったねぇ~!」
凛「凛はカッパ真姫、じゃなくてカッパ巻きしか食べてないけどね(遺憾)」
にこ「テレビ局の取材クルーも来てたし……」
にこ「こんな思いが出来るなら、世界中からライブのオファーが来ても大歓迎だわ!!」
真姫「まったく、花陽はこんな時でも変な気を揉むんだから」カミノケクルクル
希「今はその幸せだけを噛みしめればええんやで」
コンコン
海未「はい?どなたですか?」
理事長「入るわよ………」ガチャッ
理事長「」アオザメ
ことり「おかあさん………?」
海未「なにやら顔色が優れませんが……」
理事長「」ナミダメプルプル
絵里「………理事長、何かありましたね?私たちの事で」
9人「!?!?!?」
穂乃果「どうしたんですか、一体!?」
理事長「たった今、悪いニュースが飛び込んできたわ」
理事長「μ'sを招待してくれたアメリカのプロデューサーが……プロデューサーが……」
9人「プロデューサーが!?」
理事長「児童買春容疑で……今し方逮捕されたの」ナミダポロポロ
9人「!!!!!!!!!!!」
理事長「当然……白紙になったわ」ウウッ
穂乃果「私たちのニューヨーク行きも……!?」
理事長「飛行機のチケットも、滞在先のホテルもキャンセルしたって……」
理事長「テレビ局が一方的に知らせてきたわ」グスッ
9人「」
ガチャッ
ヒデコ「穂乃果!!バスが到着したわよ!!」
穂乃果「あ、ああ!!今いくよ!!」アセアセ
ヒデコ「あれ?理事長もいらっしゃったんですか?」
ヒデコ「確か理事長も、お見送りで空港まで行かれるんですよね?」
理事長「え、えぇ、今から支度するわ」ズズッ
穂乃果「あ、ああ~!!理事長は音ノ木の名前が世界に馳せるようになって、うれし涙を流してるんだよ~!!」
穂乃果「ってかダメだよ!!大人の女の涙を詮索しちゃ!!」
フミコ「そ……そうなんだ……」
ミカ「じゃ、はやく校門前に来てよね。全校生徒で万歳三唱する準備してるんだから」
穂乃果「ば……万歳!?そこまでする必要は……」
ミカ「晴れの門出を祝福するのは当然じゃない!?」
穂乃果「……ほ、穂乃果たちをそんな風に思ってたなんて……」
穂乃果「照れるなぁ~~~~あはははは………………」
穂乃果「あはは……………」
穂乃果「……………………」
ヒフミ「じゃ、お願いね」タタタッ
穂乃果「どうしよう~~~~!!外堀を埋められちゃったよ!!」
穂乃果「いまさらライブ中止だなんて言えないよ!!」
ことり「あそこまでしてくれてるのに、裏切れないよぉ……」
海未「こうなったら仕方ありませんね、とにかくバスには乗り込んで、今後の事はそれから考えましょう」
希「一生に一度体験できるかどうかの興奮に、水を差すなんてヤボやね……」
真姫「こうなりゃヤケよ、最後の最後まで演じきって見せようじゃないの」
にこ「アイドルがみんなを涙目にさせるなんてダメだもんね!!」
凛「あ~~……でも、凛は行きたかったなぁ、ニューヨーク……」
花陽「もう諦めよう、凛ちゃん。いつか大人になったら2人で行こうね」
理事長「みんな……手数を掛けるわね……」
生徒達「あ、μ'sが来たわよ!!」ガヤガヤ
穂乃果「すごい、バスまでの間に人の道が出来てる……」
絵里「この間の卒業式を思い出すわね……」
絵里「今は、ただただ虚しく見えるけど……」タメイキ
凛「今まで聞いてきた中で、最高に寒いにこに~だにゃ……」
真姫「報道カメラマンが大勢いるわ……この姿が後世にまでフィルムで残るってワケね」
生徒達「え~、それでは我々音ノ木の誇りであるμ'sのニューヨーク行きを祝して、万歳三唱で見送ろうと思います!!」
穂乃果「みんな、笑顔でやろうね………」
生徒達「せ~~~~~の…………………」
穂乃果「バンザ~~~イ!!」リ`^ヮ^)
生徒達「バンザ~~~イ!!」
穂乃果「バンザ~~~~~イ」リ´・-・)
生徒達「バンザ~~~イ!!」
穂乃果「バンザ~~~イ……」リ´ㆆ-ㆆ)
キィィィィィィィィィィィン……………
リ´´_`)(´8`)/cV´_V`V
从*´_`ル(´ω`)/从´_`从
∬cV´_`v╭*( ๑´_`๑ )*╮J(*´_`*)し
穂乃果「私たち、アレに乗るハズだったんだよね」
にこ「とうとう幻に終わったのね、にこの世界デビューが」
穂乃果「壮行会にはマスコミがいっぱい来てたのに、ここには誰一人も来ないなんて薄情だよね」
にこ「しょうがないわよ、全校生徒をかり出した壮行会の方が画力強いし」
凛「……クシュン!……クソ寒いにゃあ~、早く中に戻ろうよぉ~」ズルズル
ことり「はぁ……これから5日間どうしよう……」タメイキ
絵里「生徒達にはそう伝えて下さい」
理事長「そう……こんな目に遭わせて、本当に申し訳ないわね」
希「いえ、逮捕されたプロデューサーの素性を、事前によく調べなかったウチらにも落ち度がありますし」
真姫「このままニューヨークへ行ってたら、私たちも事件に巻き込まれてたかもしれない……」
真姫「むしろ直前でご破算になって御の字よね」
希「生徒達の夢を壊さんように、身を隠そうと思います」
海未「各自家に帰って、5日間息を潜めようかと……」
絵里「ダメよ海未!私たち9人が固まって行動しないと、どこかで必ず秘密が漏れるわ!」
真姫「ああダメ、ママはおしゃべりだから絶対口を滑らしちゃう」
海未「では他に、私たちが人目に晒されずに5日間過ごせるような場所が何処に………あっ!」
絵里「フフッ、気づいたようね……さすが海未だわ」
真姫「なるほど……」
希「まさか……」
絵里「希は両親不在の一人暮らし!あそこなら9人いても、誰にも迷惑が掛からないわ!」ドヤァ
海未「そんな!マンションの一室に9人も詰めて生活だなんて……」
海未「うまくいきっこありません!!それこそボロがでる可能性が……!!」
真姫「たとえ現実離れしていても、絵里の案にすがるしかないのよ」
海未「でも……」
希「確かにそれが、今考えられる最善ムーブやね」
海未「みんな……本気なんですね?どうなっても知りませんから!」アオザメ
のぞまき「えっ?」
絵里「ここにいる4人+ことりと花陽は、共同生活に順応できるでしょうけど…………」
海未「………………」
真姫「………………」
穂乃果「凛ちゃんなんか
『これを機会に、苦手な英語を克服するんだ~!!』って急に張り切ってたのに」
にこ「それホント?凛、ちょっと英語で自己紹介してみなさいよ」
凛「『This is a Rin.』」キリッ
にこ「なによそれ!!それを言うなら『My name is Rin.』でしょうが!!」
にこ「それでよく高校に入れたわねぇ~!!」ギャハハハハ
凛「ぎっ、ギリギリで卒業できたにこちゃんに言われたくないにゃあ~~!!////」
絵里「……海未、真姫」
絵里「私はにこの監視で忙しくなりそうだから、残った2人は任せるわよ」タメイキ
海未「今から胃が痛くなりそうです……」タメイキ
真姫「帰りに太田胃散でも買おうかしら……」タメイキ
理事長「……ホント大変よね、あなた達って……」
~PM10:00~
ガチャ
希「さ、入った入った!」
8人「」コソコソ
ガチャン
海未「……誰にも見られなかったですよね?」
穂乃果「多分……」
穂乃果「夜になるまで空港近くの満喫で時間を潰していたのが、どれだけ惨めだったか……」
絵里「ちょっと希、真っ暗で足の踏み場がわからないわよ。早く電気を付けてよ……」ガクブル
パッ
絵里「あぁ……」ホッ
希「それでも、最小限の明かりだけで生活せなあかんなぁ」
絵里「じょ、冗談でしょ……」アオザメ
真姫「少しでも騒音を立てたら、近隣の住民達にバレるわね」
花陽「きっ、9人もいるのに、物音立てずに5日間生活できるかな……」
凛「なんでだろう、今日はあの時みたいに心が躍らないにゃ」
にこ「あの時と違って、今の私たちは世間様に顔向けできないからでしょ」
海未「なんだか不安になってきました……」
海未「本当に5日間バレずに隠し通すことができるのでしょうか?」
絵里「大勢の人達の期待を、裏切ってるのがバレたとしたら……」
花陽「きっと、詰めかけてきた怖い人に、足の骨やらあばら骨とか折られるんだよね……」
にこ「怖いわっ!!」
真姫「下手したら日本経済に損失を与えるかも」
穂乃果「国際問題!?」
凛「凛たちが日本を滅ぼしちゃうの!?」
希「二人とも飛躍しすぎやで……」
穂乃果「?」
海未「ニューヨークでライブをやらなかった事を、ファンの皆さまにどう言い訳すればいいのでしょうか?」
穂乃果「う~ん……『治安が悪かったから』ってのはどうかな?」
8人「治安!?」
穂乃果「発砲事件とか、無差別テロとか……」
穂乃果「そんな所で、日本の女子校生9人がライブをするなんて危険極まりないと思わない?」
8人「…………………………」
穂乃果「『ライブしようと思ったんだけど、アメリカのお巡りさん達に止められちゃった』って事にすれば………」
8人「…………………………」
海未「穂乃果……あなたは最高です!!やはりあなたこそμ'sのリーダーです!!」
穂乃果「えっ…………?」キョトン
海未「ホント静かですね……」
海未「小学校の時にあった、戦時中の生活体験授業を思い出します」
ことり「そんな事もあったね……」
ことり「穂乃果ちゃんったら、あのとき静かにしてられなくて、結局騒ぎ出して……」
海未「本当の戦争だったら、きっと爆撃されてますよね」
真姫「何よそれ、穂乃果の巻き添えで死ぬなんてゴメンよ私」
海未「ああ、まさかあの授業が役に立つ日が来るとは……」
凛「ちっとも聞こえないにゃ、もうちょっと音量あげようよ」
にこ「ダメよ。近隣に音漏れしたら、私たちが居るのがバレるじゃない」
絵里「ホント……神経が図太いというか」
希「まぁまぁ絵里ち、今のウチらにとっては数少ない娯楽なんだから大目に……」
花陽「テレビでも見て、心のバランスを保たないと気が狂いそうです……」
穂乃果「こんな非常時だと、普段は絶対見ないニュース番組でも面白く感じるよね」
アナウンサー『先日ラブライブで優勝したスクールアイドルグループ『μ's』ですが……』
アナウンサー『この度ニューヨークにてライブをするべく、本日アメリカへ発ちました』
ほのにこりん「」
-VTR映像-
アナウンサー『今朝、μ'sが在学する東京・国立音ノ木坂学院では、μ'sを見送る壮行会が催され……』
生徒達『バンザ~~~~~イ!!』
穂乃果『バンザ~~~~~イ!!』
※※※※※※※※※※※※
穂乃果「………………………………」
にこ「ちょっと穂乃果!?いくらなんでもテレビのコンセットを抜くのは乱暴じゃない!?」
穂乃果「ゴメン……見たくないのが映ったからつい……」
凛「ダイナミック現実逃避だにゃ……」
穂乃果(そして3日後……)
雪穂「お姉ちゃんがアメリカへ行って、もう3日かぁ~」
亜里沙「μ'sの皆さんは今頃なにやってるのかなぁ」
亜里沙「きっと、ライブの練習とかしてるんだろうなぁ」
雪穂「亜里沙……ニューヨークはいま真夜中だよ」
亜里沙「なんせ今度のライブのセンターは、亜里沙のお姉ちゃんなんだもん!」
雪穂「ちょっ!そういうのは日本ではネタバレって言ってマナー違反なんだよ!」
亜里沙「え、雪穂は知らされてなかったの?」
雪穂「いろいろ探りを入れてみたけど、
お姉ちゃん感が良くて結局教えてくれなかったんだよぉ~」
亜里沙「すっごい自慢げに語ってたよ」
雪穂「うわっ、手に取るように想像できるわソレ」
亜里沙「?」
雪穂「あ、いや……それより私に喋っちゃってよかったの?秘密なんでしょ?」
雪穂「そりゃそうだけどさぁ~」
雪穂(あ~あ、お姉ちゃんもこんな風に、今頃は海未さんに迷惑かけまくってるのかなぁ……)
海未「バカ穂乃果……アホ穂乃果……あほのか………♪あ~ほのかな~………」ブツブツ
海未「あっ、なんかこれ歌詞に使えそうですね……意趣返しに今度やってやりましょうか……」ブツブツ
絵里「こんな仄暗い部屋で、モグラみたいな生活を送ってるってだけで発狂しそうなのに……」ブツブツ
絵里「あんな奴、炊事スキルがなければ問答無用でЯ тебя убью……」ブツブツ
静かにしろと言ってるのにフットサルをやり始めるわ……
μ'sの寝そべり人形を使ってカーリングをやり始めるわ……」ブツブツ
真姫「『せめて野球だけはしないで』と釘を刺したら野球拳をやり始めるわ……
誰よ、あんな奴を次期リーダーに推したの」ブツブツ
ことり「ソルゲ組の心の荒みっぷりがヤバイね……」
ことり「海未ちゃん、ちょっと白髪が生えてるもん」
希「あの問題児トリオと3日間格闘しとるからね……」
希「神経ズタズタになるのも無理ないやん?」
花陽「典型的な育児ノイローゼだね……」
ことり「『ちょっと騒いでもバレない』とわかった途端に、悪ノリがエスカレートしていく一方だからね」
花陽「前に、テレビの心理学特集とかで見たことがあります」
花陽「たしか『行動の自動化』とか言ってたような……」
海未「」ブツブツ
真姫「」ブツブツ
ことり「海未ちゃんたち、HPが0みたいな顔してるけど、あと2日間乗り切れるかなぁ……」
希「今の3人の状態なら、普段は絶対に乗らない悪魔のささやきにも、簡単に参ってまうやろなぁ」
ことり「悪魔のささやき……?何の話?」
ことり「変事って?」
花陽「みんなで穴熊生活してる時に起こる変事って何なの?」
希「そんなん実際に起こらなわからんよ」
ことぱな「できる事といったら?」
希「この3人で、あの3人がダークサイドに堕ちへんよう見守るっちゅう事やね」
にこ「え~~~っ、皆さまちょっと集まって下さ~い」
ザワザワザワ……
にこ「この3日間、にこのスペシャル節制メニューで皆さま飢えを凌いできましたが……」
にこ「本日、ついに食糧が底を突きました」
穂乃果「あぁ……ついにこの時が来てしまったか~」
ことり「むしろ、今まで持ってたのが驚異だよね」
花陽「ごめんなさい……みんなが1膳で我慢してるご飯を、私だけ3膳食べてたからこんな事態に……」
凛「かよちんは全然悪くないよ~!」
凛「そんなこと言ったら、凛だってカップラーメンを誰よりも多く食べちゃったもん!」
にこ「よって、誰か外に出て食糧を調達してきて下さい」
花陽「にこちゃん、料理になるとウルトラ真面目キャラになるんだね」
ことり「ついさっきまで、穂乃果ちゃんや凛ちゃんと関節技の掛け合いっこしてたのにね」
絵里「にこ……お願いだから、もうずっと台所に居てちょうだい……」
穂乃果「もう3日間ず~っと籠城してて、我慢の限界だよぉ~~~~!!!!」
海未「わたしも穂乃果が適任だと思います」
(意訳:一時の間だけでもいいから私の前から居なくなれ)
凛「我慢のしすぎで体が爆発しそうだよ~~~~!!!!」
真姫「そうね、度を超した忍耐は体に良くないわ」
(意訳:こっちが爆発しそうだわクソが)
ことり「みんな、多分同じ事を考えてるよね」
希「そうやね、2人ぐらいまでが限度やね」
にこ「じゃ、こうしましょ。あみだくじを作って、それで買い出しに行く2人を決めるわよ」
(厳選なるあみだくじの結果、穂乃果とことりが買い出しに行くことになった)
ことり「う、うん。よかったね」
ことり(どうしよう……海未ちゃんが暴走しないように見張ってなきゃいけないのに……)
希「ことりちゃん、せっかく掴んだ幸運なんだから、遠慮せんほうええよ」
ことり「!?」
希(海未ちゃんなら、ウチと花陽ちゃんで監視するから)耳打ち
穂乃果「??なに話してるの?2人とも」
ことり「そ、そうだね。せっかくだし外界を満喫しようかなぁ~」
にこ「必要なものは全部メモしといたから」
海未「待って下さい!万が一の為に、2人とも念入りに変装していったほうがいいですよ」
穂乃果「お、さすが海未ちゃん!ぬかりない!」
(穂乃果とことりは、いつぞやの変装セットを身につけた)
希「交番の前を通ろうもんなら、即職質やろなぁ」
凛「凛、あみだくじにハズレて助かったにゃ~」
穂乃果「じゃ、いこっか!ことりちゃん!」
ことり「うん……」
ことり(海未ちゃん、闇の誘惑に負けないでね……)
ガチャン
花陽(う、海未ちゃん心底うれしそう……)
絵里「でも、ホントにこれで良かったのかしら」
希「えっ?」
絵里「よりにもよって、髪型に特徴がある2人が選ばれるなんて……」
真姫「誰か知り合いにバッタリ合わなきゃいいけど……」フラグビンビン
穂乃果「あぁっ……3日ぶりの太陽の日差し……」
ことり「空ってこんなに青かったんだね……」シミジミ
穂乃果「今じゃ紫外線すら愛しく思えるよ……」シミジミ
穂乃果「う~ん、ここから近くて品揃えが豊富だとすると……スーパー安売王かな?」
ことり「えっ……そこって近くにUTXがあるよ?激ヤバだよ!」
穂乃果「ことりちゃん……
天下のUTXに通うようなお嬢様が、あんな低所得者御用達なスーパーに
行くはずないじゃん」フラグビンビン
穂乃果「ほらっ、『灯台もと暗し』って言うし!」
穂乃果「迷ってたって始まらないよ!!レッツゴー!!」ダッシュ
ことり「あっ!!穂乃果ちゃ~ん!!」
ことり「そっちは派出所があるよ~!!遠回りしないと捕まるよぉ~!!」ダッシュ
にこ「くっそ~~!!また『振り出しに戻る』じゃな~~い!!」
にこ「いつになったらゴールできるのよ、これ!!」イライラ
凛「にこちゃん、クジ運だけじゃなくてサイコロ運も悪すぎだにゃ~!!」ゲタゲタ
にこ「あんたが双六ゲーム作ったって言うからやってあげてるけど……何よこれ!!」
にこ「ゴール前が『振り出しに戻る』だらけじゃない!!イカサマよこんなの!!」
凛「6を出せばいいだけの話だにゃ、サイコロはいつだって正義に味方するんだにゃ」ヒャッハー!!
にこ「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!!!!」
絵里「Я тебя убью……!」指ポキポキ
真姫「暴力で訴えちゃだめよ、絵里……」
真姫「先に手を挙げた方が裁判で不利になるわよ……」カミノケクルクル
花陽「絵里ちゃん……昨日あたりからロシア語でキレてばっかだね」
希「エキサイト翻訳に掛けたら、さぞかし物騒なワードが出てくるんやろなぁ……」
凛「こんなマス作らなきゃよかったよぉ~~!!」
凛「はい、次にこちゃん!」サイコロ差し出し
にこ「………………………………」
凛「どうしたの?にこちゃんの番だよ?」
にこ「………お腹が………痛い……」
『一人だけ海鮮丼を食べられなかった三森すずこ』をやってクリアしたじゃん」
凛「なにそれ?『不登校児の朝』?」
にこ「うぅ………痛い……………」
にこ「…………いいイタイイタイイタイイタイ!」
真姫「ちょっと、すごい汗かいてるじゃない!ヤバイわよこれ」オロオロ
花陽「にこちゃん、どのあたりが痛むの?」
にこ「……右下の方が……ズキンズキンって」ズキンズキン
希「アカン、盲腸や」
海未「なんですって!?」
絵里「しっかりして、にこ!」
凛「一大事にゃ!すぐに救急車を呼ばなきゃ!」
凛「119番に電話するにゃ!」スマホ取り出し
花陽「凛ちゃんお願い!」
花陽「どうしたの?」
凛「……かよちん、119番って何番だっけ?」
花陽「」
花陽「……い、119だよ」
凛「そっか」ポチポチ
凛「ちょっ!なんで止めるにゃ海未ちゃん!?」
海未「まだわからないのですか!?」
海未「救急車を呼ぶ以上、私たちが日本にいる事がバレてしまいますよ!?
それでもいいんですか!?」
真姫「あ」
絵里「あ」
希「あ」
凛「あ~~~~~~~~~っ!!」
にこ「ちょっと、なにしてんのよ……人が苦しんでるのに……」ズキンズキン
海未「ここで世間にバレたら、一体私たちは何のために三馬鹿の子守りをしていたのか解らなくな……………?」
にこ「……みんな……お願い……」ズキンズキン
海未「!?」
にこ「………………………助けて」ズキンズキン
海未「………………………………」
海未「ですが、にこが苦悶の表情を浮かべて、のたうち回ってるのを見ていたら……」
海未「なんだかこう……良心の呵責に苛まれてる自分に気づきました」
海未「この3日間、にこには何度もブチギレそうになりましたが、『罪を憎んで人を憎まず』です」
希(どうやら海未ちゃんは、闇堕ち寸前の所で踏みとどまれたようやね……)
凛「そ……それはダメだにゃ……!」
海未「凛!?」
希「!?」
花陽「凛ちゃん!?」
にこ「凛……アンタまさか、私を見殺しにする気じゃ……」ズキンズキン
凛「そりゃあね?にこちゃんは運悪く盲腸になったから、日本にいたのがバレてもみんなから同情されるよ」
凛「でも凛たちはどうなの?」
凛「きっと手のひら返されて、みんなの嘲笑の的にされるんだよ!?」
希(そんな……!ウチの見立てがハズれるやなんて……)
花陽(凛ちゃんが……まさか真姫ちゃんじゃなくて、凛ちゃんがダークサイドに……)ナミダウルウル
希「もうウチらのメンツとかどうだってええやん!!人の命が掛かっとるんよ!?」
絵里「甘いわ、希……メンツは命より重いのよ!」
希「絵里ち!?まさか絵里ちも……」
「ごめんなさい、μ'sは実はニューヨークに行ってませんでした」って
バカ正直に謝ったところで、世間は許してくれると思うの?」
希「そ、それは……」
絵里「ラブライブ優勝で有終の美を飾ったμ'sの名前に、こんな形で泥を塗りたくないわ!」キリッ
希(アカン……絵里ちが完全にダークサイドに堕ちてもうた……)ナミダウルウル
花陽「でもこのままじゃ、にこちゃんが!にこちゃんが……!」
~巨大なにこの遺影が飾られてる斎場~
花陽「こんばんは、小泉花陽です」
凛「星空凛です」
花陽「今日、午後3時15分過ぎ、スクールアイドルグループ「μ's」のメンバーの矢澤にこさん……
盲腸のために、信じられないことになってしまいました……」
※※※※※※※※※※※※
にこ「ちょっと、勝手に人を殺さないでくれる……?」ズキンズキン
真姫「それじゃあ聞くけど、119番がダメならどうすればいいのよ?」
凛「そこで真姫ちゃ~ん、モノは相談なんだけど……」お手々モミモミ
真姫「?」
真姫「できるわけないでしょ!!」
凛「………え、えぇ~~!?(棒)」
凛「真姫ちゃん医大志望なのに、盲腸の手術もできないのぉぉぉぉぉ?」アオリン
真姫「もうそんな挑発には乗らないわよ」キッ
凛「ちぇ~っ」
にこ「う~~ん………う~~ん……」ズキンズキン
凛「大丈夫!真姫ちゃんは上級国民だから捕まらないよ!」
真姫「そういう問題じゃないでしょ!!」テーブルドンドン!!
にこ「あんたら何してんのよ……誰でもいいから早く救急車を……」ズキンズキン
花陽「……だ、誰か助けてぇ~~~!!」
穂乃果「あ~~やっと会計が終わったぁ~~!」
穂乃果「後はこれを全部レジ袋に入れなきゃ……9人分の食糧マジハンパないって……」
穂乃果「ってか、なんでキュウリをこんなに買わなきゃいけないの?」
穂乃果「これって絶対アレだよね!?にこちゃんが顔パックに使う奴だよね!?」
穂乃果「もう~、公私混同はよくないなぁ~」
穂乃果「まぁ状況が状況だし、妥協してくれるかな?」
穂乃果「あとはチョコ、お饅頭、トマト……あの3人の好物だね」
穂乃果「この3日間で、ちょっと迷惑掛け過ぎたからなぁ……」
穂乃果「にこちゃんって、がさつに見えて結構気配りができる子なんだよね」
穂乃果「これでよしっと!レジ袋に全部詰め終わったよ!」
穂乃果「あとはことりちゃんが会計を済ませれば……」
???「………穂乃果さん?」
ツバサ「………………………」
穂乃果「あ……………………」
ツバサ「………あなたどうしてここに……ニューヨークへ行ったんじゃ………」
穂乃果「………………………」
穂乃果「………………………」
ツバサ「………………………」
穂乃果「せっ……拙者は武士でござる!」(声色)
ツバサ「!?」
ツバサ「あの……」
穂乃果「どこのどなたか存じませぬが、それがしはこれより殿の命により
登城つかまつる故、お構い無きよう……」(声色)
ツバサ「スーパーのレジ袋を持って?」
ツバサ「………………………」
穂乃果「さらばでござる!」(声色)ダッシュ
ツバサ「逃げた!?」
ツバサ「ちょ、ちょっと穂乃果さ~~~ん!?説明しなさいよぉ~~~!!」ダッシュ
ことり「あ~やっとお会計が終わった……」
ことり「あれ?穂乃果ちゃ~ん?どこにいっちゃったの~?」
海未「だから私は最初から乗り気じゃなかったんです!!」
海未「こんなの絶対うまくいきっこないって!!必ずどこかでボロが出るって!!」
海未「壮行会の時に、正直にみんなに謝っておけば、こんな不毛な籠城生活しなくてもよかったんです!!」
絵里「言うなれば、海未のあの一言で、私たちは今の状況に陥ったのよ!!」
海未「あなたと口論していても、永遠に平行線のままです……」
海未「さあ凛!何をぐずぐずしてるんですか!?早く119番しなさい!!」
凛「えぇっ…………」
どうせ盲腸じゃなくて食あたりか何かよ!!」
絵里「そんなの正露丸でも飲ませとけば治るわ!!」
凛「…………………」
海未「するのです凛!!」
絵里「ダメよ凛!!」
凛「凛、もうどうしたらいいのかわかんないにゃあ~~~!!」ワアアアアアアアアン!!
花陽(よかった……私の知ってる凛ちゃんが帰ってきたんだね……)
ギャーギャー!! ワーワー!! ビエエエエエエエエエエエン!!
真姫「ちょっと3人とも!そんなに大声立てたらマンション中に響き渡って……」
真姫「希!?」
希「ウチもう疲れたよ……」
希「早くこの苦しみから、一刻も早く解放されたいんよ……」ゲッソリ
花陽「わ……私もこれ以上は精神が持ちません……」
花陽「骨を折られても構いません……ギブアップです……」グッタリ
にこ「…………………………(顔面蒼白)」ズキンズキン
真姫「あ、穂乃果たちが帰ってきたわ」
ドタドタドタドタッ
穂乃果「もうダメだよ!!一巻の終わりだよ!!さっきそこで………」
海未「穂乃果!?なにをそんなに慌て…………!!」
ツバサ「……あなた達……ゼェ……これはどういう……ハァ……事なのよ………」ゼエハアゼエハア
にこ「……ツバサちゃんの幻が見える………にこ、もうじき死ぬのね………」ズキンズキン
花陽「幻なんかじゃないよ!!本物の…本物のツバサちゃんが来てくれたんだよ、にこちゃん!!」ウルウル
絵里「……………………バレた」
絵里「バレたバレたバレたバレた」ブツブツ
希「あ、ことりちゃんも帰ってきた」
ことり「………………………」
海未「どうしたのですか?ことり」
ことり「………ごめんねみんな、さっきそこで………」
海未「まさか……」
英玲奈「そのまさかだ、園田海未」ズイッ
海未「ですよね~(諦観)」
あんじゅ「まさかニューヨークにいるハズのμ'sが、こんな所で雲隠れしてるなんて……」
あんじゅ「一応お約束だから言っておくけど……」
あんじゅ「完っ全にフルハウスね」
花陽「えっ絵里ちゃんの体が、みるみる真っ白になっていく……」
希「もう諦めぇな絵里ち、みんなで恥かけば怖くないで」
希(ああ……これでええんよ……)
希(ポンコツでもいい、たくましい絵里ちの方がウチは……)
ことり「ひっ!家の前に人の群れが……」
(留守でいないハズの東條さんの家から人の叫び声が……)
(あ、A-RISEだ!!)
(μ'sもいるぞ!!ニューヨークへ行ったんじゃなかったのか!?)
海未「こんな大勢に目撃されたら、言い逃れは出来ませんね……」
真姫「もはやこれまでね。……凛、119番お願い」
にこ「…………助かった」ガクッ
りんぱな「にこちゃぁぁぁあああん!!!!」
東京に潜伏していたニュースが
テレビ・ラジオ・ネット上を駆け巡った………)
穂乃果(そして、数日後……)
にこ「もう一人で歩けるわよ、病人扱いしないで」
真姫「なに遠慮してるのよ、昨日やっと一人でトイレへ行けるようになったばかりじゃない」
真姫「それに、当分は激しい運動は禁止なんだからね」
にこ「4日前に手術したばかりなのに、もう退院だもの」
真姫「外でみんな待ってるわよ、早く元気になったにこちゃんに会いたいって」
穂乃果「あ、にこちゃん!退院おめでとう!」
海未「元気そうで何よりです、にこ」
凛「退院祝いのパーティーも準備してあるよ!」
凛「今、ことりちゃんと花陽ちゃんが会場に先回りしてるんだ!」
海未「そりゃあもう、学校のみんなから散々イジられましたよ」
凛「まったく酷い話だよね。どう考えてもドタキャンされた凛たちの方が被害者なのに」
穂乃果「雪穂からは『お姉ちゃん、その歳でかくれんぼなんかして楽しい?』って言われる始末だよ」
希「ほら、あそこの木の陰に……」
絵里「」コソコソ
真姫「まだ気に病んでるの?絵里らしくもない」
凛「凛は昨日、かよちんとお見舞いに行ったときに謝ったけど……」
凛「『きっと悪い夢を見てたのよ』って許してくれたよ」
希「絵里ち~、にこっちが来たよ~」
希「にこっちはもう怒っとらんよ~」
絵里「……………………」
にこ「……ホントめんどくさい奴」タメイキ
にこ「あ、これはこれは……かしこいかわいいエリーチカさま」ニヤニヤ
絵里「ひっ!」
にこ「あなたの適切な判断のお陰で、こちとら危うく三途の川を渡るところでした」ニヤニヤ
にこ「真姫ちゃんのパパから、しこたま怒られましたよ~……」ニヤニヤ
にこ「『なんでもっと早く救急車を呼ばなかったんだ!』って(真顔)」
絵里「私……あの時、自分でもどうかしちゃってて……」ナミダメ
にこ「……で、反省してるの?」
希「にこっち……あの後絵里ちは、神田明神に毎日お参りに行っとったんよ」
希「『私の過ちのせいで死にかけてる親友を助けて下さい』って」
にこ「バッカじゃないの!?いまどき盲腸で死ぬ奴なんかいないわよ!!」
にこ「それより、この後の『にこちゃん退院祝いパーティー』はμ's全員参加なんだから、ちゃんと来なさいよ」
絵里「にこ……私を許してくれるの?」
にこ「……あんたがいないと、軽口をたたく相手がいなくて困るのよ」
ダキシメッ
にこ「こ、こらぁ~!そんなに強く抱きしめるなぁ~~!!////」
にこ「傷口が開いたらどうすんのよぉ~~~!!////」ジタバタ
海未「『終わりよければ全てよし』ですね」
prrr……
穂乃果「あっ、ことりちゃんからだ」
ピッ
ことり『穂乃果ちゃん……今、退院パーティーの会場に来てるんだけど……』
ことり『なんか変なんだよぉ……』
穂乃果「変?穂乃果、ちゃんと予約したはずだよ……」
スマホ取り上げ
穂乃果「あっ!?」
ことり『えっ、海未ちゃん?』
ことり『今ね、退院パーティーの会場にいるんだけど……』
ことり『なんか、まるでお葬式みたいなの』
海未「葬式?どういう事ですか?」
海未「鯨幕」
ことり『そう、それ。それが会場の四方に掛けられてあるの』
花陽『すごい立派な祭壇が拵えてあるよ』
花陽『さっき係の人から『遺影に使う写真は持ってきたか?』って催促されました』
ことり『海未ちゃん……これって……』
海未「つまり、どこかの『バカ生徒会長』が予約したパーティー会場が……」ギロッ
穂乃果「ひっ!!」
海未「どういうわけか『葬儀の二次会プランコース』での予約になっていた……
こういうワケですね」
海未「ご報告ありがとうございます。ことり、花陽」
海未「穂乃果には私からよぉ~~~~~~~く言い聞かせておきますから……」
ことり『……海未ちゃん、あまり穂乃果ちゃんを叱っちゃ……』
ブチッ
花陽「今頃、修羅場になってるのかな……」
ことり「下手したら、今度は穂乃果ちゃんが入院するかも……」ハラハラ
海未「さて……………」
穂乃果「」アオザメ
穂乃果「ひっ、ひゃい!?」ビクッ
海未「またやってくれましたね……」拳プルプル
穂乃果「……………………(顔面蒼白)」
穂乃果「あ~~~……ごめんね、みんな」
穂乃果「穂乃果、これからちょっと着の身着のままなフーテンの旅に出ようと思うんだ……」
海未「この期に及んで、また寅さんのマネですか……」
穂乃果「堅いこと言わないでよ、ソーさん」ハハッ
海未「ソーさんって……それはハマちゃんでしょ……」
穂乃果「ほら、私たちも松竹だし……」
海未「…………………」
穂乃果「………………」
のぞえりにこまきりん「……………」
海未「逃げた!?」
海未「こらぁぁぁぁぁ待ちなさい!!穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッシュ
凛「凛、海未ちゃんより一年遅く生まれて命拾いしたにゃ」
絵里「まるで、穂乃果の抑止力になるべくして生まれてきた子ね」
希「でもちょっと憧れるやん。『喧嘩するほど仲がいい』って言うし」
にこ「これも宿命ね……穂乃果、海未を大事にしなさいよ」
穂乃果「ふぇぇぇぇぇぇぇん!!ごめんなさぁぁぁぁぁい!!!!」ダダダダダダ
-おわり-
女性シンガー「せっかく過去の世界にやってきて、ニューヨークで出番を待ってたのにぃ~~!!」
-今度こそおわり-
初めて書いたSSでしたが、いかがだったでしょうか。
元ネタの「新・男はつらいよ」の偽装ハワイ旅行の下りがすごく大好きで
なんとかこの面白さを伝えたくて書きました。
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- 察官「はい運転手さん止まってね。今チンシュ検問やってるから」
今週
先週
先々週
コメント一覧 (1)
-
- 2019年06月26日 19:38
- 盲腸になったにこが悪い
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