月姫と女性マネージャー、筆者と筆者の細君の4人で会食をしたが、会った瞬間「やられた」と感じた。工藤静香どころか身長が170センチを超える手足の長いオカマであった。そのまま帰るわけにもいかず、食事をしたのだがどう見ても男である。
だが不思議なのは、女性マネージャーもうちのかみさんも、その人物が工藤静香に見えてしまうらしい。女性マネージャーにマネージャーになったいきさつを聞くと、地方都市で工藤静香のライブがあった時、月姫からメールで連絡があり、会うことになった。
当初は工藤静香ファンの掲示板で出会ったファン同士、友情を温めようと思って出会ったのだが、現れたのが工藤静香本人だったので大層驚いたと女性マネージャーは主張している。そのまま女性マネージャーと自称工藤静香こと月姫は東京で共同生活を送ることになった。
その話をうちのかみさんも真に受けて聞いているのがなんとも納得がいかなかった。
トンデモエピソード
今思い返してみても、月姫はマインドコントロールや催眠のような技術を持っていたらしく、多くの信奉者が工藤静香だと思い付き従っていた。このような変わった畸人さんが大好物の筆者としては、しばらく観察対象にしようと何度かお茶を飲んだり飯を食ったりしていた。
一番笑ったのは月姫の「バイオハザードは自分がモデルになっている」という大嘘であった。主人公のアリスは自分がモデルであり、虎に変身できる特殊能力を持つ俳優の陣内孝則らと一緒にゾンビの住む島で壮絶な戦いをしたというのだ。あまりにもバカバカしすぎて笑いを押し殺すのに苦労した。
それどころか静御前の先祖だと言いはり、静御前から取って工藤静香と名乗っているのだと主張した。また、妖怪ジッポーを作りたいと言い出し、筆者のイベントで販売させてほしいと言っていたので販売ブースを与えたが、あまり売れ行きは芳しくなかった。他にも鳥山石燕の幻の絵が子孫の家にあると言っており、その幻の絵を山口敏太郎に特別に見せてやると豪語した。まだまだトンデモエピソードはあるのだが、ざっと上げただけでも彼女の異様さが伝わってくるだろう。
事実確認
まず、筆者の細君の友人が陣内孝則と仲が良かったため、月姫の話を確認したが、そのような事実はなく、さらに清和源氏の子孫の会に問い合わせをしたが、静御前の子孫は途絶えていると回答を頂いた上で、月姫という人物は知らないとも説明を受けた。
更に妖怪ジッポーを金メッキした下請け業者に確認したところ、メッキ代金を払ってもらえていないことも判明した。
さらに傑作だったのは、鳥山石燕の幻の絵が見たいから子孫の家に行きたいと言ったら、鳥山さんは今忙しいから無理だと回答した点である。筆者が鳥山石燕の本名は佐野さんだよ、と教えた時の顔と言ったら傑作であった。また、筆者が工藤静香が生放送でテレビに出ている時間帯にわざと月姫を呼び出し同一人物ではないことを指摘したところ、テレビに出ている工藤静香はビジュアル担当の偽物で、作詞や絵画を描いているのが才能担当の自分だと苦しい言い訳を始めた。どこまでもおめでたい人物である。
そのうち筆者の追求に苦しくなったのか、月姫は姿をくらまし、関西に逃げていってしまった。今もどこかで巨大オカマ月姫は人を騙しているのだろうか。
ちなみに、工藤静香ファンクラブの事務局の方にこの事件について問い合わせした事がある。すると、青山学院に在籍していた男子生徒が工藤静香のものまねと顔真似で人気があったことがあるらしい。
一番恐ろしいのは
折に触れ、この月姫の話をするのだが、筆者の細君はこんなことを言う。
「また月姫に会ったなら工藤静香と信じてしまうかもしれない」
いやはや、マインドコントロール、催眠とは全く恐ろしい。
嘘もここまで大胆につくと信じてしまう人が一定数いるようだ。
書庫の整理中、月姫が工藤静香になりきって書いた偽工藤静香のサインを見た時、なんとも言えない面白みを感じた。ぶっちゃけキャラで出直せばいいのにと、つくづく思う。
世の中人間が一番恐ろしい。
文:
山口敏太郎
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