AndreyPopov/iStock
本当に助けが必要な時に、見知らぬ人から救いの手を差し伸べられられたり、思いがけない親切な行為を受けたり、心が救われる言葉をかけてもらったりすると、人間まだまだ捨てたもんじゃないと思わせてくれる。
私も飼い猫のけもが失踪した時に、多くの人に助けられ、5日後に発見・救出できたときには感謝の気持ちでいっぱいになった。そして私にできることであれば、誰かの助けになりたいと強く思った。
日本には恩送りという言葉がある。これは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ることを意味する。英語では、ランダムアクトオブカインドネス(Random Act of Kindness)と呼ばれている。
今年3月、ツイッターユーザーのニコル・クリフさんがツイートしたシンプルな一言「見知らぬ人からどんな親切を受けたことある?」が、大きな反響を呼び、多くのユーザーらが自身の経験をシェアした。
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それはツイッターユーザーの@Nicole_Cliffeさんのこの一言から始まった
見知らぬ人からどんな親切を受けたことある?
スレッドには、ツイッターユーザーの親切を受けた体験が次々と集まった。
見知らぬ男性が車の修理をオファー
audioundwerbung/iStock
@CJPendragonさんという女性は、家族でレストランを出たところで見知らぬ男性に親切にされた出来事をシェアした。
その男性は、@CJPendragonさんたちの車に近付くと、カーシートとブレーキが見て明らかに酷い状態であることを指摘してきたという。
実はその男性は自動車修理工場で働いていた。チャイルドシートを乗せた@CJPendragonさんの車を見て、子供がいると思ったのだろう。
そして、ブレーキの状態が酷いことにプロの目で気付いた時、車の持ち主に声をかけなければと思ったようだ。
男性は、@CJPendragonさんに「子供の安全のためだから」と、なんと無料でブレーキ交換をオファーしてくれたのだ。
どのぐらい、私たちがレストランから出てくるまで待っていてくれたのかわからないけど、その男性は修理代が高くつくことを知っていたから、無料で修理をしてくれたの。
当時、子供たちはまだ3歳にもなってなくて、本当は外食なんてできる余裕なんてないほど、私たち夫婦は経済的に苦しかった。
だけど、彼のおかげで何百ドルというお金が節約できただけでなく、ひょっとしたら私たちの命も救ってくれたのかもしれないと思ったら、涙が止まらなかったわ
カメラ店で店員が新しいカメラをプレゼント
nastogadka / Pixabay
また、@Shelby Hintzeさんは、自身が中学生時代に経験した出来事をシェア。
デジタルカメラが壊れてしまって、ショッピングモール内にあるSonyストアに行くも、店員からは修理は無理と言われてしまった。失望で肩を落として店を出たところへ、店員のひとりが追いかけてきたという。
彼は、リファビッシュ品のカメラ(初期不良で返品されたた後、メーカーで修理・調整し新品同様にしたもの)を私にくれたの!それからは、お金に余裕がある限りSonyの製品を購入するって決めたわ。
ホームレスの人たちが小銭を集めて差し出してくれた
iStock
また軍経験者の女性@Renee_L_Reifさんは、1987年の当時18歳だった時の出来事を語った。
軍の仕事でドイツのフランクフルトに立ち往生した時のこと。当時はアメリカのカードが他の国で使えなくて、お金が引き出せず困っていたら、駅の外にいた数人のホームレスの人たちが、小銭をかき集めて差し出してくれたの。そのおかげで、私はチームに助けを呼ぶ電話をかけることができたの。
飛行機で赤ちゃんが嘔吐。服を貸してくれた客室乗務員
Demkat/iStock
多くのユーザーらのシェアを受けて、ニコル(@Nicole_Cliffe)さん自身も過去に起こった素敵な出来事をツイートした。
当時、ニコルさんは赤ちゃんを連れて飛行機に搭乗しようとしたところ、赤ちゃんが機内で嘔吐し、座席周辺が汚れてしまった。
航空会社スタッフは座席やシートベルトを交換する作業を行わなければならず、そのために飛行機の離陸時間が遅れてしまった。
具合の良くない子供を抱えて、汚れた服のまま立ち尽くしていたニコルさんに、あからさまに嫌悪の視線を投げつけてくる乗客もいたという。しかし、1人の客室乗務員が自分の衣類をニコルさんに貸してくれた。
この時、ニコルさんは「彼女はきっと天国に行ける人!」と思ったそうだ。
どんな小さなやさしさでも、大きな救いになることがある
誰かにとってはほんの些細な行為であっても、受けた人には大きな救いになることがある。また、思いがけないやさしさを受けると、自分もやさしくあろうと思うものだ。やさしさだって連鎖するのだ。
今我々が存在しているのも、実はいろんな人々の恩恵を受けているからこそだが、それが日常になってくると、当たり前すぎて鈍感になってしまっているのかもしれない。
人は人に助けられて生きていると改めて自覚することがあったら、誰かに恩送りをしてみよう。些細なことでかまわに。そのちょっとした親切、気遣いは伝播していき、世界はやさしくなれるのだから。
References:Twitterなど / written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2019/7/9)本文を一部訂正して再送します。
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コメント
1. 匿名処理班
pay forward ともいいますね。
自己満足と言われればそうなんだけど、誰かがそれでちょっとでも幸せになって、自分もちょっと幸せになれればそれでいいんだ
2. 匿名処理班
就職して最初の給与が会社の手違いで振り込まれなかった時、先輩が「貸そうか?」と声をかけてくれた。翌日に振り込まれると聞いていたので大丈夫だと伝えておきましたが、親切さにビックリしました。気持ちが嬉しかったです。
3. 匿名処理班
小学校中学年のころ財布を落としたんだけど、中に入れてた電話番号から拾い主が電話かけてきてくれて無事に中身ごと保護できたなあ。
小学生に3000円はとんでもない高額だったからよく覚えてるよ。
4. 匿名処理班
俺も大学生の頃に整備士のおっちゃんに親切にしてもらって以来バイクに何かあるたびおっちゃんのとこに行ってるな
夏の日に原付の後輪がパンクして、修理費もわからず金もなくて5000円握りしめて、とりあえず見てもらおうと汗だくだくになりながら原付を押してバイク屋に行ったんだけど
凄いコワモテなおっちゃんがいてちょっと竦みつつ様子見てもらったら
ホイール曲がってる上に後輪だけじゃなく前輪もかなり摩耗しててダメになっててオイルも古くてエンジンが焼ける一歩手前、全部込み込みで、3万は掛かると言われて
バイト代が出ても払えないし、もうダメだなと思って帰ろうとしたら
「お前、なんしとるんや。直したる」と一言言われて
「いや払えないっすから・・・」って返したら
「ちゃんと磨いとる原付が壊れたまま錆びるんのは俺が嫌なんや。はよ戻せ」って全額無料で直してくれて
「知らん事は悪ない、4000(km)回すか半年経ったらまた来い。大事にしとるんやろ」って言われて優しさに泣きながら帰った思い出がある
どうしても恩返しがしたくて二輪の免許とって、金貯めてついに4年前そこのお店で2013モデルのCBR600RRを買った
未だにずっと面倒見てもらってて、その一件以来自分の考え方も大きく変わって、俺の人生に深くおっちゃんが関わってるなぁと思う
5. 匿名処理班
やらない善より、やる偽善(^-^)/
6. 匿名処理班
ヒゲのおじさんについて行ったら飼ってもらえた。
7. 匿名処理班
>だけど、彼のおかげで何百ドルというお金が節約できただけでなく、ひょっとしたら私たちの命も救ってくれたのかもしれないと思ったら、涙が止まらなかったわ
この人は自分の命のことしか考えていない
ブレーキ止まらなくて歩行者を殺害する危険なんて全く考えていない
この人は修理してくれた人がそのことを考えていたことを理解できない
8. 匿名処理班
外出先でバイクが壊れて押して歩いてたら、車で通りがかったスーツのお兄さんが「ガス欠ならガソリン有るから分けようか?」と声をかけてくれた事があったな。
ガソリンが切れてたわけじゃないから、その旨を伝えて断ったけど、凄い嬉しかったし自分も他人に同じように親切にしようと思った。
9. 匿名処理班
>だけど、彼のおかげで何百ドルというお金が節約できただけでなく、ひょっとしたら私たちの命も救ってくれたのかもしれないと思ったら、涙が止まらなかったわ
勘違いするな
あんたに送った恩じゃない
事故にあう可能性がある人にだ
修理した人は世の中のすべての人に恩を送ったということだ
10. 匿名処理班
けもちゃん失踪したことがあるのか
うちのも脱走したことがあるけど、目まいがして倒れそうになったよ
見つかってよかったね
11. 匿名処理班
「サンタクロース」は存在を
信じる信じないではなく、
サンタクロースのような
「他人に分け与えられる大人になりなさい」
という教訓だったんだけど、いつのまにか
プレゼントあげたがりおじさんが快適に
仕事するために煙突と靴下を用意して
寝たふりするイベントになってしまった。
「サンタさんを手伝うトナカイさん」も
立派な役割のお仕事なんだよ。
12. 匿名処理班
ここだけの話、財布の中身が少額だったら可哀想で抜き取らないし高額だったらびっくりして抜き取らない。
果たして自分は善人なのだろうか。
13. 匿名処理班
スーパーひたちでとなりのおばちゃんがミカンをくれた
サンダーバードでとなりのじいさんがビールとアイス奢ってくれた
学校さぼってアニメ映画見にいったら女の子がぼんち揚くれた
ウズベキスタンの空港で出発延期した飛行機待ってたら家族連れがゆで卵とサンドイッチくれた
なぜか俺は食べ物もらうことが多いな
14. 匿名処理班
小学生の頃、親父に殴られて追い出され雨の中行き場もなく歩いていて横断歩道で信号待ちしてたら見知らぬ男性が傘に入れてくれた。 5メートルほどで別れたけど、 きみと同じくらいの娘がいるって言ってたあの人は今どうしてるか時々ふと思う。
15. 匿名処理班
>>4
読んで泣いてしまった
16. 匿名処理班
夏の夜遅くに最寄駅に帰り着いたら大雨。
イベント帰りで汗まみれだし濡れてもいいやって歩いていたら、傘を差した女性がすれ違いざまに「これどうぞ」と数本持っていた中から1本差し出してくれた。
家族を駅へ迎えに行くのだが、困っている人のためにいつも余分に持っていくのだそう。
後日お返しにと言ったら、古くていらない傘だからと。
ありがたく受け取ると確かに骨が折れていて、返さなくともよいという言葉を素直に受け入れられた。
雨の中の慌ただしいやり取りだったが、忘れられない出来事だ。
17. 匿名処理班
>>12
善人かどうかは分からんけど素直な人に違いない。
18. 匿名処理班
>@CJPendragonさんという女性は、家族でレストランを出たところで見知らぬ男性に新設にされた出来事をシェアした。
新設になっています🙏
また、最後の「伝搬」は「伝播」が正しいかと思います🙏
19. 匿名処理班
人は醜く、そして美しい。
20. 匿名処理班
>>9
無粋
21. 匿名処理班
>>16
なんて素敵なんでしょう
いい話ありがとう
22. 匿名処理班
※12
抜き取る前提が有るっぽいので悪人なのでは。
23. 匿名処理班
思い返してみると全然ないや
落し物渡したり、くじ引きの券あげたり、転んだ人助けたりはあるけど
・・・考えたら悲しくなるやつだこれ
24. 匿名処理班
※7 ※9
だとしてもいいじゃない?
喜んでくれる人がいるなら、「アンタのためじゃないわい」と思ってても、悪い気はしないだろうし、結果オーライだし。
25. 匿名処理班
ショッピングモールの入口でそこはたまたま手動の脇の入口だったんだ。
そこにベビーカーを押した俺好みの若いママさんがやってきたので、ガラス扉を開けて手で押さえてやったんだ。
そしたら満面の笑みで
「どうもありがとうございます」
凄く自己嫌悪した。
だってその時凄くやらしい事考えてたんだもん。
26. 匿名処理班
>>22
なんだかなぁ(阿藤快さん追悼) 考え方が硬いなぁ完璧な聖人なんか居ないからね。変なカルト宗教とかに引っ掛からないように気を付けてー
27. 匿名処理班
昔娘が小さい頃某ランドの帰りの電車の中、平日で会社帰りの人も多いので、娘には『お仕事で疲れて帰ってる人優先だから、座るの我慢してね』と言うと、『うん、だいじょうぶ!がんばってたってる』と言って二人で隅っこに立ってた。
したら近くの座席に座ってた若いお兄さんがスッと立ち、席を譲ってくれようとした。
『いや、大丈夫ですから(汗)』と断ったが、無言で座るよう促してくれた。
申し訳ない気持ちと有り難い気持ちの中、お礼を言い眠くて落ちそうになってる娘を座らせた。
お兄さん自身はドアの方へ行き、2〜3駅先で降りられた。
娘には『いつか困ってる人を見かけたら、今のお兄さんの様に手助けしようね』と言うと、『うん、ぜったいそうする!』と言ってくれた。
あのお兄さんは今でも元気かな…。
28. 匿名処理班
昔、電車の中に携帯を忘れてしまった。当時は二台持ちだったので、慌てて電話をかけたら女性がでて、最寄駅で預けてくれるとのことだった。その駅まで取りに行ったら、なぜか未開封のチョコレートバー付きだった。駅員に尋ねても、「このチョコレートごと預かった」とのこと。連絡先も置いていってくれず、結局お礼も言えていない。当時のわたしは高校生で、携帯に値引きシールを貼るのがマイブームだった。よっぽど貧乏と思われて、恵んでくれたのかもしれない。ありがとうございます、とっても美味しかった。
29. 匿名処理班
恩送りという言葉は、恥ずかしながら知らなかった。
不義理な人生を送ってきたので、心の片隅にしまっておこう。
30. 匿名処理班
>>6
米欄にネコが!!