メイド(♀)「いけませんよ。せっかく二人きりになれたのですから、外に出ようなどと考えては。」
メイド「出ようとしたところで出られるものでもございませんが……ともあれ、出ようなどとはお考えにならぬよう。」
メイド「坊っちゃまが望んだのでしょう?周囲の人間から逃れたい。辛い日常から放たれたい。愛する私と一緒にいたい、と。」
メイド「ですから、私が叶えて差し上げたのです。だって、他ならぬ坊っちゃまの望みですもの。なんでも出来ますよ、私は。」
メイド「まさか本気だとは思わなかった?私にこんなことが出来るとは知らなかった?……しかし、もう遅いのです。」
メイド「お好きなだけ私を恨んで下さって結構ですよ。その分、いつかはご自分を許せなくなるだけ。私はそれをも、肯定いたします。」
メイド「そしてじきに、どうでもよくなる。私がいれば、どうでもよくなる。そして最後に残った、結晶のようなもの……それが、愛情というものなのでしょう。」
メイド「愛しておりますよ、坊っちゃま。二人でこの宝物を、大きく育んでいきましょうね。ふふふ。」
メイド「…………しかし、前の世界と比べて幾分か殺風景ですね、確かに。……少し物を増やしましょうか。さあ、目を閉じて…。」
メイド「…………ふふふ、驚きましたか?だから言ったでしょう、私はなんでも出来るのだと。」
メイド「メイドとは、そういうものなんです。」
メイド「だってここは異空間。私が作り出した、坊っちゃまのための特別な場所。空腹感などという、坊っちゃまをいじめる悪い概念は、取り払ったはずなのですが…。」
メイド「はて、困りましたね。…………なんて、本当はそんなに困っておりませんよ。さ、目を閉じて。」
メイド「いかがでしょう。昔よく坊っちゃまが美味しいと仰っていたメイドさん特製サンドイッチです。ミネストローネもどうぞ。」
メイド「お出し出来ますよ、もちろん。だって向こうでも私が作っていたんですから。……ああ、そういうことではなく?まあ、異空間ですから。」
メイド「さあ、それよりもはやく召し上がってくださいな。…………いかがです?」
メイド「あらあら、それは結構。私も頑張ったかいがありましたよ。ふふふ……ふふふふ。」
メイド「ほら、そんなに急いで食べなくてもお食事は逃げませんよ。ゆっくり食べて……ああほら、お水。」
メイド「……それにしても、お腹が空いていたというより、なにか食事をとりたかったということだったのでしょうか。食事は精神衛生にもよい働きをすると聞きますし。」
メイド「となれば、私が坊っちゃまの精神衛生を混濁させていたのは言い逃れの出来ない事実。許してくださいな、坊っちゃま。」
メイド「…………坊っちゃまは本当にかわいい子。お利口さんですね。素敵な坊っちゃま。いつまでも私と、ずーっと一緒ですよ。ふふふ。」
メイド「……おべっか使っても、いけません?」
何だかんだで年の差はそこまで大きくなさそう
メイド「左様でございますか。それは結構でございます。…………坊っちゃま、お隣失礼しても?」
メイド「よいしょ。……ふぅ、疲れましたわ。いくら私の作り出した異世界とはいえ、力を行使したら疲れるんですよ。」
メイド「とはいえ、寿命という概念のないここではあまり困りもしないのですがね。……そんなことはさておいて。」
メイド「坊っちゃま。昔ふたりでよく遊びましたね。小さい頃から、大きくなっても、ふたりで。」
メイド「あの頃は激務に追われてそれはもう忙しい生活を送っておりましたが、坊っちゃまと遊ぶ時間はとても楽しかったですよ?」
メイド「下らない日常のなかで、坊っちゃまと笑い合えるあの時間が、私にとってはどれだけありがたかったことか。坊っちゃまは、いつだって私の太陽でございます。」
メイド「というわけですので、この世界でも坊っちゃまと一緒に遊んでいきたいと思います。なにします?」
メイド「…………かしこまりました。それでは、目を…。」
メイド「……結構ですよ。…………これさえあればしばらくは大丈夫そうですよね。聖剣3。」
メイド「坊っちゃまは誰選びます?……あ、ケヴィン?じゃあホークアイもーらいっ。」
メイド「ほほう。チェスをご所望とは、さすがは坊っちゃま。ジェントルですね、おほほ。」
メイド「少々お待ちを。今すぐチェス板をご用意いたしますので…………はい、出来ました。」
メイド「…………念のために確認しておきますが、坊っちゃまはチェスのルールをご存知で?」
メイド「ああ、それは大変失礼いたしました。ふふ、ルールの知らないゲームをしようなどとは、流石に考えませんものね。」
メイド「さて…………それでは、黒いのと白いのどっち使います?……あ、白いの。かしこまりました。それじゃあ私は、こっちの黒いので。ええ。」
メイド「では、いざ…………プレイボール。」
メイド「……え?ああ……私ね。…………えい。」
メイド「…………ふむ、となると……ここは…っ。」
メイド「……む…………小癪な坊っちゃまめ。では、これならどうか…。」
メイド「……え…………あ、ああっ?ど、どうしてお馬さん倒すんですか!」
メイド「いけませんよ坊っちゃま!今のはファールです!イエ口ーカードです!」
冗談じゃなく、本当に
なぜならメイドは色々とパワーがすごいから
まあまず馬力が違うからね
太ももの筋肉なんてもう馬並みよ
メイド「……あら、それは寂しい。でも、仕方のないことかもしれませんね。当時の坊っちゃまは、まだこーんなに小さかったですから。こーんなに。」
メイド「私を生み出したのは、他でもない、坊っちゃまなのですよ。」
メイド「もうお気づきかとは思いますが、私はいわゆる、人間ではない者です。ヒトの連綿と続く生殖活動によって生まれる、そんな動物ではございません。」
メイド「私は人の望みが生み出す者。人の望みを叶える者。そして、人を拐かす者。」
メイド「坊っちゃまがあの日あの本の表紙をめくったとき、私は生まれました。あなたのために。あなたを幸せにする、そのために。」
メイド「なにも必ずこうした姿に、ああした役割になるわけではございません。しかし、坊っちゃまは“これ”を望んだ。」
メイド「昔は災厄や、武具や、病や、戦になったものですが……よもやこのような姿となってあの世界の大地を踏むことが出来るとは思いませんでした。」
メイド「楽しかったですよ、とても。昔から人の傍に寄り添ってはおりましたが、いずれ自分もと……そう考えておりましたから。」
メイド「ですから、私にとってはあなたが“望みを叶える者”。……人の願いを叶えるつもりが、逆に叶えられてしまったというわけです。……おかしな話でしょう?」
メイド「ともあれ、私はそんなあなたに惹かれたから、今もこうしてふたりでここにいるのですよ。受けた恩は、必ず返すのです。」
メイド「……随分遅くなり、大変恐縮ではございますが…………私を生んでくれて、ありがとうございました。」
メイド「これからも……永遠に、一緒にいましょうね。二度とあなたを、帰さぬように。」
メイド「………………は、私の年齢?」
メイド「もう、坊っちゃま。女性に年齢を尋ねるときは、まずご自分から…………あれ?」
メイド「はあ……坊っちゃまも本当にお好きですね。……え、なにがお好きって、私のことがに決まってるじゃありませんか。」
メイド「しかし、たしかにいつもこのメイド服だと坊っちゃまも不満でしょうね。メイドさん、着替えます。さ、目を閉じて。」
メイド「……いかがでしょう。年相応……と思いますが、私服姿です。前の世界でも、お暇をいただいたときにはこうした洋服を着て町へ繰り出していたんですよ?」
メイド「お次は……セーラー服、でしょうか。ついぞ着ることは叶いませんでしたが、一度は甘酸っぱい学生生活とやらを送ってみたかったですね。」
メイド「さて、今度はナース服です。いよいよコスプレ大会じみてきましたね。坊っちゃまが体調不良の際には、こちらでお世話させていただきますね。ま、体調不良になんてならないんですが。」
メイド「それでは次に……」
オチが見つからない
そんなに服を着替えまくっちゃって、もったいない、贅沢すぎる、幸せすぎる、かわいい、もっと一つ一つをねぶるように楽しみたい、たとえばセーラー服着たメイドさんとイメセクしたい。援交モノで
あとメイドさんって何かするとき目を閉じさせてくるよね。これってなんなの? そうするとかっこいい感じだからしてるの? それとも必要なことであり、もし途中で目を開けたらいきなり世界がバグりそうでこわい
目を閉じさせるのはメイドさんが世界を作り替える瞬間を見せないためってことを想像して書いたけど目開けたらどうなるんだろうね
死ぬのかな
目を開くと、凸ピンされたい
メイド「こーら。閉じてって申し上げましたのに、また目を開けてしまったのですね?」
ってな感じでか
パワポケで途中で電源切ったりどうぶつの森でリセットしたりしたときのペナルティ的感覚
メイド「坊っちゃま。」
メイド「……坊っちゃま。」
ってな感じで真顔と笑顔を使い分けられて無言の、かつ抗いがたい圧力をかけてほしい
「この世界の創造主はあくまで私なんだから私の機嫌を損ねるなよ?」的な意志を察したいところ
いいね、恐怖は愛情を引き立たせるスパイスだ
でも圧力に屈して諦めた後は「分かればいいんですよ」的にまた笑ってほしいわ「分かってくれれば」じゃなくて「分かれば」
心の深くに根ざす傲慢さが欲しいのね
「絶対的な味方であるメイドさん」も「怒らせたらこわいメイドさん」もいいよね
そうね、「慕う相手」であると同時に「貴方は私の物」という所有物扱いな傲慢さが欲しいのかも
怒らせたら怖くとも絶対的な味方であってくれるなら捨てられる恐怖もないしいいね、怒らせたら何されるのか安心して想像できる
安心感がハンパなそう
とはいえスレンダーなメイドさんの足も絡められたい
体格は思いのまま
たかいたかいしたらよろこびそう
元スレ
メイド(♀)「いけませんよ。せっかく二人きりになれたのですから、外に出ようなどと考えては。」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1564335476/
メイド(♀)「いけませんよ。せっかく二人きりになれたのですから、外に出ようなどと考えては。」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1564335476/
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先週
先々週
コメント一覧 (4)
-
- 2019年07月29日 14:49
- きちんとイエローカードじゃなくて
イエ口ーカードにしている所は評価しよう
-
- 2019年07月29日 19:41
- メイドってなんだろう
それを考えさせられた、否、考えてない
-
- 2019年07月29日 20:42
- 水月の琴乃宮雪ルートは主人公も雪さんも心の底からずっとふたり永遠に過ごせることを幸せに感じてるんだよなぁ
俺もマヨイガに行かなきゃ…
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だから面倒な事からは目をそらして、適当に流した方が世の中生きていくの楽でしょ
……こんな田舎町にトばされてさ、やってらんないよ
こんな人生、無い方が良いかもね……
ラクに生きようよ、楽しく生きようよ、辛いのは止めようよ……。