彡(゚)(゚)「殺人事件に挑むで!」
刑事として働いているけど、その実態は窓際族や
彡(゚)(゚)「そんなワイにも>>2っていう特技があるんや!」
この特技を活かしてなんとか仕事頑張るで!
そら逃げる犯人先回りして正面衝突よ
しゅごい…
後輩♂「それ特技じゃなくて犯罪ですよ」
彡(^)(^)
こいつは後輩♂、最近配属された新人や
ワイに痛烈なツッコミをいれる生意気なやつやで
彡(゚)(゚)「……ちっ(うるせぇな)」
ワイたち窓際族の仕事は日々流されてきた変な事件事故を書類で適当に片付けることや
彡(゚)(゚)「う~んと、なになになんやこの書類は」
後輩「あぁ【ぐるぐるまき遺体】のことですね」
彡(゚)(゚)「……?」
後輩から渡された書類に目を通す
彡(゚)(゚)「う~んとなになに?」
S県のA山の山中で、何やら遺体のようなものを
そのA山を所有している男性が発見
男性は私有地であるA山で家族と一緒にきのこ狩りを楽しんでいたところ
犬がやたらと吠えるので、そこへ向かうと泥だらけけになった人形の何かを見つける
怖くなった男性は警察に通報
彡(^)(^)「とりあえず自殺やな」
後輩「警察やめろや、もう」
彡(゚)(゚)「冗談やで」
人形の何かは紐のようなものでぐるぐるまきとなった女性の遺体だった
彡(゚)(゚)「嫌な死に方やな」
鑑識によると死後数年経っているらしい
後輩「で、先輩。当然いきますよね?」
彡(゚)(゚)「どこにや?」
後輩「現場ですよ…」
彡(゚)(゚)「えぇ…」
そんなことを考え、上着に手をかけたとき
外から何やら声が聞こえる
「困りますよ…」
「うるさい!はやく話しのわかるやつを呼んでこい!」
彡(゚)(゚)「なんや?」
彡(゚)(゚)「え!?」
なんか頼まれたみたいや
~~~~~
お爺さん「で、話のわかるやつはお前か?」
彡(゚)(゚)「あ…はい」
>>33
こういうお爺さんは面倒くさい
ワイは直感でそう思った
とりあえずお茶を置く
彡(゚)(゚)「はい」
ドンッ
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「……」
お爺さん「なんじゃ」
彡(゚)(゚)「えっと…お茶です」
ボケてんのかこいつ?
杖をついている
ワイもオナ○ーのやりすぎで腰を悪くしてるけど、年取って杖付きながら歩くのはやだなぁ
そんなことを思う
彡(゚)(゚)「んで、どうされたんですか?」
お茶と言ってから目の前のお爺さんはコップに手をかける
お爺さん「娘のことじゃ」
後輩「娘?」
後輩は少し苛ついているようだ
今から現場な向かおうとした矢先これだから、まぁしゃーない
彡(゚)(゚)「えぇと…(なんの話や)」
後輩「…?」
お爺さんの話をまとめるとこうや
お爺さんの娘が最近、娘の自宅で練炭自殺をはかったよう
警察では現場をみて特に怪しい点は無かったため自殺と断定
しかしこのお爺さんは娘が自殺するなんてあり得ないと
彡(゚)(゚)「(まぁそう思いたいのは分かるけどなぁ)」
お爺さん「聞こえてるぞ」
後輩「ちょっと先輩!」
このジジイどうやら耳は言いようだ
彡(^)(^)「すいません」
とりあえずここは一発芸やな
彡(゚)(゚)「やきう!>>48します!」
ワイは重い口を開く
彡(^)(^)「明日から夏季休暇なんで帰りますわ!」
お爺さん「……」
後輩「……」
お、なんやそんなに面白かったんか?ワイの一発ギャグ
お爺さん「た、たのむ!兄ちゃんしか頼れないんじゃ!」
そう言いお爺さんが頭を下げる
彡(゚)(゚)「(兄ちゃんって歳じゃないんだけどな)」
後輩「先輩…どうしましょ」
彡(゚)(゚)「そうやな」
書類を書いてもらい、その後
「何もありませんでした!」テヘッ
と言えば向こうも満足するやろ
彡(゚)(゚)「とりあえずこの用紙に詳細を書いてもらえませんか?」
お爺さん「そんなもん書く暇あったら捜査でもしろ!」バンッ
そうお爺さんは大声を出し、机を叩く
彡(゚)(゚)「(娘のことを思うなら用紙くらいかけや…)」
後輩「あ、あのお爺さん…用紙に書いてもらわないことには話が進まないんですよ…」
そう後輩が優しく諭すと、お爺さんはバツの悪そうにうつむいた
彡(゚)(゚)「……」
後輩「……」
気まずい雰囲気が続く
しょうがない詳しい話だけでも聞いてやるか
お爺さんが自殺じゃないって言い張るくらいなんだから、それなりの【理由】があるんやろ
彡(゚)(゚)「ほう!映画!」
映画はよく観る方なので、思わず声が上ずった
まぁ見るのはジブリとディズニーくらいだが
後輩「その自主映画がどうしたんですか?」
窓際族なだけあって部屋のあちこちにはクモの巣が張り巡らされている
お爺さん「娘の話ではあと少しで完成するみたいだったんじゃ」
お爺さん「そんな娘が自殺なんか…自分で命をたつなんて考えられないんじゃ!」
ワイは中年刑事
A山での遺体の状態や現場を見るために後輩とともに出かけようとしたら
お爺さんが突然やってきて
娘の自殺についてもう一度調べてほしいということだ
彡(゚)(゚)「う~ん…」
彡(゚)(゚)「とりあえず>>62やな」
後輩「あ~あ~」
後輩が頭を抱える
ワイは自分の言葉には責任を持つ!
後悔はない!
お爺さん「いや、夫婦をテーマにした映画らしい」
彡(゚)(゚)「あ、はい」
普通に返された
①ぐるぐるまき事件について調べる
②お爺さんの娘について調べる
彡(゚)(゚)「ワイは>>70について調べるで」
お爺さんが目の前にいる状態でスマホで検索をかける
G○ogle「クソエ口 めちゃ抜ける すごいやつ」
彡(^)(^)
G○ogle「検索ワードが幼稚過ぎて検索したくありません」
彡(゚)(゚)「……」
後輩「…で、先輩どうするんですか?」
彡(゚)(゚)「そやなぁ」
①ぐるぐる略
②娘略
彡(゚)(゚)「略>>81」
彡(゚)(゚)「君に決めた…!」
後輩♂「え?//」
周囲を度きついバラが覆いつくす
彡(゚)(゚)「お前…前からいいと思ってたんや…」ドンッ
後輩♂♂「せ、先輩…♂」
彡(゚)(゚)「お前のこと…欲しいんや…えやろ?」
キラッ
♂後輩♂「は、はい///」
ほわほわほわ~~~~ん
カチャッ
彡(゚)(゚)「みてやワイのチ○ポ…これ…お前のせいやで…//」
後輩♂「………っ」ゴクリ
お爺さん「………」ゴクリ
彡(゚)(゚)「もう我慢しなくてもええんやで…?」
後輩♂「せ、先輩!!」
後輩が服を脱ぎだしワイへと向かう
ドドド
先輩としてこの劣情、受け入れなければ漢じゃない!!
せんぱい…!
彡(゚)(-)「……?」
後輩「先輩いきなり寝ちゃってどうしたんですか?」
彡(゚)(゚)「なんや夢か…」
ちょっぴり残念
お爺さん「……」
お爺さんはワイの返信を待っているようや
①ぐるぐる略
②娘略
略「ワイの選択肢は>>102や!」
>>1,2以外は下にさせてください
お爺さん「こんなにたのんでもか?」
後輩「すみません、この用紙に記入を…」
後輩がそこまで言うとお爺さんは静かに立ち上がる
お爺さん「また来るよ…邪魔したね」
トボトボ
お爺さんは杖を付きながら、他の職員に連れられながら弱々しく出口へと向かった
後輩「そうですね」
~~~~~
ブロロロロ
後輩「先輩!逆走しないでくださいよ!!!」
彡(^)(^)
彡(゚)(゚)「山だから周り何にもないンだわ」
後輩「そうですねー」
現在、ワイはS県の奥地にあるA山に来ている
彡(゚)(゚)「(刑事っぽく活躍したいンゴねぇ…)」
後輩「…?」
彡(゚)(゚)「へいねーちゃん!ワイとアバンチュールなナイトどう?」
サル♀「うきー?」
彡(゚)(゚)「そう、照れんなYOー」
後輩「…」
なんか冷たい視線を感じる
目の前のサルは何かを持っている
彡(゚)(゚)「なんやこれ」
目をこらすとキノコのようだ
彡(゚)(゚)「ほ~ん、ここきのことれるんか」
後輩「通報してきたa山の所有者である男性もきのこ狩りをしていたようですね」
彡(゚)(゚)「そんなこと言ってたな」
サル♀「うきき?」
~~~~~
彡(゚)(゚)「ふぅ、どうやら照れ屋さんみたいやな」
後輩「はいはい」
彡(゚)(゚)「んじゃ刑事らしく>>126やな」
ガチャ
サル♀「うき!?」
彡(゚)(゚)「えー罪状は、不快罪」
後輩「なんすかそれ」
彡(゚)(゚)「今考えた」
サル♀「……ききっ…」
彡(゚)(゚)「そんな目してもワイの仕事なんや」
「あの…」
彡(゚)(゚)「え?」
男性「あの…」
後輩「(あ、やば)」
サル♀「うきぃ…」
彡(゚)(゚)「後輩くん、離してあげなさい」
後輩「えぇ!?おれっすか!」
ワイの2回目の逮捕劇は、所有者である男性にガッチリ見られていた
彡(゚)(゚)「こほん」
茶番はこれくらいにして、ワイは中年刑事らしく渋い声で話を進める
彡(゚)(゚)「あなたがA山で遺体を見つけた男性ですか?」
男性「はい…って言っても最初はただのグルグルまきのなにかでしたが」
後輩「見つけたところまで案内していただけますか?」
男性「分かりました」
男性はキーを使ってA山の入り口にあるフェンスの鍵を開ける
「私有地のため無断での立ち入りを禁止します」
そう書かれていたフェンスをワイたちは抜ける
男性「ここです」
そう男性が言ったところでワイたちは足を止める
あたりは当然ながら木しかない
彡(゚)(゚)「ここで犬が吠えたと」
男性「はい、最初は家族と一緒にきのこ狩りをしていたんですが…突然」
後輩「ご遺体はそのまま置いてあったんですか?」
男性「いえ、何もない地面を犬が吠えているのでシャベルで」
彡(゚)(゚)「埋まってたんですね」
一般人がシャベルで掘れる深さなんてたかが知れてるから
そんなに深くはなかったんやな
そう後輩が言った先にぽっかりと穴があった
彡(゚)(゚)「ほ~ん」
ここまでの情報を整理すると
・A山でグルグルまきにされた遺体を発見
・そんなに深居所には埋められてはいなかった
・遺体の損傷は激しく数年前に遺棄されたと思われる
・被害者は女性
後輩「なんでこの山なんですかね?」
彡(゚)(゚)「別に遺体を捨てられればどこでも良かったんじゃないか?」
ワイが犯人なら、同じように山に捨てる
けどもっと深く掘るけどな
後輩「それと不可解な点が一つ」
彡(゚)(゚)「なんや?」
後輩「【グルグルまき】ですよ」
彡(゚)(゚)「まぁ言われてみれば」
後輩「なぜわざわざ紐でグルグル巻にする必要がったんでしょう?」
彡(゚)(゚)「それは>>151だからや」
後輩「え?」
彡(゚)(゚)「【そんなものこの世にはないぞ
彡(゚)(゚)「……」ジッ
先輩は死んだ魚のような目でこちらをじっと見つめる
その目は後輩である俺ではなく俺の向こう側を見ていた
彡(゚)(゚)「ビニールなんて環境にわるいものは数年前に国の方針でなくなったやんけ」
後輩「……え」
彡(゚)(゚)「……?」
話が噛み合わない
彡(●)(●)「…………」ジッ
後輩「……っ!!」ゾッ
俺は確認するように後ろを振り向く
その先には男性が立っていた
後輩「え?」
理解できず、先輩のほうへ振り向く
彡(^)(^)「wwwwww」
ボカッ
彡(゚)(く)「いて!」
男性「wwwww」
後輩「お前もや!」
ボカッ
男性「いた!」
後輩「………」むすー
彡(゚)(゚)「ごめんって」
後輩「うるさいです」
男性「冗談だったんだから、ね?」
後輩「……ちっ」
後輩は機嫌を悪くしたようだ
彡(゚)(゚)「まっ、たしかにグルグル巻は謎やな」
後輩「そうですね」
男性「なんでうちの山で捨てるかなぁ…被害者には申し訳ないけどさぁ」
後輩「なにかこの山で昔何かあったとかないですか?」
男性「いやぁ…別に事件とかはこれが初めてですし」
彡(゚)(゚)「こんな山奥にくる物好きなんかいないわな」
男性「……」
彡(゚)(゚)「ん?どうしたんですか?」
男性「いや…昔こんな山奥に来る物好きがいたんですよ」
後輩「え…ちょ、ちょっともっと早く言ってくださいよ!」
男性「いや、もう何年も前のことだからすみません」
彡(゚)(゚)「で、その物好きとは?」
撮影班?
彡(゚)(゚)「テレビの取材ですか?」
男性「いえ、なんだったかなぁ~」
男性は頭をかきながら思い出そうとしてる
後輩「きのこが取れるそうですからテレビのクルーとか?」
男性「いや…あ!そうだ!」
男性はこちらを見て言った
男性「映画ですよ!映画!」
彡(゚)(゚)「……」
何か糸のようなものに触れた気がした
数年前、突然男性のもとへ電話がかかってきた
内容は
「A山で自主映画の撮影をしたい」だった
男性は特に断る理由もなかったため快諾
後日数人が撮影機材などをもってA山に来たそう
男性「いや…どんなかまでは…」
彡(゚)(゚)「(なにか事件の突破口になればなぁ)」
男性は数年前、自主映画を撮影する人たちのためにA山へのフェンスの鍵を渡した
無事映画の撮影は終わったらしく。その後数年間は何もなかった
しかし今となってA山の奥でグルグル巻となった何かを発見する
彡(゚)(゚)「(まぁ男性が見つけたのは泥だらけとなった何かであって、グルグル巻っていうのはあとからわかった話なんだけどな)」
男性「えっとたしか完成したVHSをもらった記憶が」
後輩「……」チラッ
後輩がこちらを見る
彡(゚)(゚)「まぁ見るわな、普通」
~~~~~男性宅
男性は倉庫の中をかき分けて進んでいく
男性「いやぁすみません、汚くて」
後輩「いえいえ」
彡(゚)(゚)「なんやこれ!AVやん!」
男性「あ、懐かしいですね」
そんなこんなで一つのVHSテープを見つけた
テープの題名にはそう乱暴に書かれてあった
後輩「蜘蛛女?なんですかこれ」
男性「これが完成した映画なんですよ」
ワイと男性はビデオデッキの準備をする
後輩はVHSを見たことがないらしい
時代か
男性「じゃ再生しますよ」ピッ
ザザー
『蜘蛛女』
彡(゚)(゚)「……」
後輩「……」
ワイたちは映画を見続けた
主人公である男が山奥へと進んでいくと美女に出会う
その美女に一目惚れした男は周りの言うことを無視して山の奥へと進んでいく
男は美女にもう一度会うためだけに奥へと進んでいく
途中様々な困難がありながら最後には美女に出会う
しかし美しかった美女の下半身は蜘蛛であった
男はその恐ろしい姿をみて逃げ出そうとするが
足には糸が
諦めて目を閉じた男のもとへ美女がやってくる
その足音は人の足音ではない
美女は男へ囁く
その美しい声を聞いて男は目を開ける
目の前には美女の姿があった
しかし美女の後ろには多数の木に吊るされた【何か】が…
それは蜘蛛の糸でグルグル巻にされた人の姿だった
「終わり」
~~~~~
男性「……」
後輩「……」
彡(゚)(゚)「……」
ワイたちが見た遺体は、この映画のグルグル巻だった
エンドロールが流れる
監督:英雄
助監督:洋子
男:緒方
蜘蛛女:薫
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「>>204」ボソッ
ワイの感想は正直おもんなかった
最後のドキドキはよかった
「クライマックスはどうなるんや?」
しかし男が山奥へ向かうまでの前半部分はなんだか、つまらなかった
後輩「今回の遺体はあのときの自主映画の時の?」
男性「……」
男性は何も言わない、自分が見た泥だらけの遺体を思い出したようだ
彡(゚)(゚)「まぁとりあえずはこの、エンドロールに出てる人に話聞くしかないわな」
監督は英雄
助監督は洋子
男役は緒方
蜘蛛女役は薫
のようだ
彡(゚)(゚)「どうするか…」
>>213
後輩「え!?」
ぴぽぱぽぴっ
彡(゚)(゚)「まるまるしかしかで、はい…ほな!」
後輩「まさか…」
彡(゚)(゚)「緒方を逮捕しにいくで!」
~~~
~
ワイはまたまた逆走し緒方という男のもとへ向かった
彡(゚)(゚)「ぽちっと」ピンポーン
はいはーい
一人の男性が出た
少し老けているとは言え、先程の蜘蛛女に出演していた男だ
緒方「どちら様ですか?」
彡(゚)(゚)「警察です」
緒方「え?」
後輩「警察です」
緒方「え?ちょ…ちょっ!」
目の前の男は状況を理解してないようだ
緒方「なんの罪ですか!?」
彡(^)(゚)「不快罪です」
後輩「はぁ…」
もちろんなんにも証拠がないのにもかかわらず一般人を逮捕することなんかできない
とりあえずA山の事件と当時の映画について話を聞くことにした
緒方「懐かしいですねぇ『蜘蛛女』ですか』
後輩「それで事件のことなんですが…」
そう後輩は遺体のグルグル巻の写真を見せる
緒方「……たしかにこのグルグルはあの映画のものですね」
彡(゚)(゚)「まじすか」
後輩「それじゃ」
緒方「いやでも!もちろん殺人なんか起こりませんでしたよ!」
彡(゚)(゚)「(犯人は誰でもそう言うんだよなぁ)」
緒方「なにかですか…」
彡(゚)(゚)「なんか小さいことでもいいから覚えてるやろ」
緒方「う~んと、そういえば」
そう男は口を開く
あの映画はもともと監督である英雄の原作たったそうだが
撮影はうまく行かず
途中から助監督として洋子を引き入れたようだ
彡(゚)(゚)「ほ~ん」
緒方「正直監督の取る映画は微妙でして、あの映画はよく洋子がいなかったら完成できなかったですよ」
緒方「はい」
ワイが感じた「おもんなかった」は
前半シーン。つまり監督のところや
彡(゚)(゚)「(映画がわかる男やな、ワイは)」
緒方「はい」
そう言い、緒方が不思議そうな顔をした
緒方「そういえばクランクアップのときに洋子さんいなかったな」ボソッ
彡(゚)(゚)「ん?」
緒方「ラストシーンをどうするか、監督と助監督が話し合ったんですよ」
緒方「それが夜遅くまで続いて、結局ラストシーンの撮影は次の日になったんです」
後輩「いつから洋子さんはいなかったんですか?」
緒方「えっと…その夜の話し合い以降ですね」
彡(゚)(゚)「これは…」
ここまでの情報から一つの可能性に気づく
彡(゚)(゚)「………>>227や」
ここまでの情報から一つの可能性に気づく
彡(゚)(゚)「………グルグル巻き死体は誰なのだよや!」
後輩「……」
後輩「いや、たぶん洋子さんでしょ」
彡(゚)(゚)「……」
彡(^)(^)
彡(-)(-)「(できないフリもつらいぜ)」
後輩「……」
ワイたちは今日一日でA山へ行き、グルグル巻の正体を明らかにした!
彡(゚)(゚)「ワイにしては頑張ったほうやろ」
後輩「そうですね」
なければ署に帰るだけだが…
>>235
※なくてもあってもどっちでもいいです
彡(゚)(゚)「>>237や!」
ぜんぜんええで
後輩「通常運転ですね」
ワイたちは得た情報を署へと持ち帰った
~~~~~警察署
ワイたちがクモの巣があった窓際へ行こうとすると
またあの人がいた
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「また来たんか」
お爺さん「おぉ兄ちゃんか」
彡(゚)(゚)「だから兄ちゃんじゃないって」
すっかり忘れてたわ
何やったっけ娘の自殺がどうとか…
彡(゚)(゚)「面倒やな」
お爺さん「面倒とはなんだ!」ドンッ
お爺さんは机を叩く
お爺さん「耳は良いって言ったじゃろう!!」
彡(゚)(゚)「そやなぁ」
彡(゚)(゚)「>>243」
彡(゚)(゚)「犯人はあんたや」
お爺さん「……」
後輩「……」
ポカッ
後輩に殴られた
彡(゚)(゚)「さぁ話を聞きましょうか」
お爺さんの手は震えている。怒っているようだ
後輩「何さらっと切り替えてるんですか」ハァ
彡(゚)(゚)「えっと…」
後輩「このお爺さんの娘が警察です自殺と判断されたのが納得行かないって話ですよ」
彡(゚)(゚)「あぁそうやった」
お爺さん「さっきは忙しそうだったからな、また来てやったぞ」
彡(゚)(゚)「へぇ、ご苦労なこって」
お爺さんの話を聞くことにした
事件は数日前
女性が自宅で倒れているのを、連絡の取れない友人が不審に思って自宅へ行く
電話をしてもでないため警察へ通報
そして部屋の奥で倒れている女性を発見
丁寧にも部屋の窓、ドアの隙間にはガムテープがはられ自殺は計画的だったと
彡(゚)(゚)「…ん?」
ワイは部屋の中の写真を見る
資料にはドアや窓の隙間には丁寧にもガムテープがはられているとあった
これは当然密室にし確実に死ぬためだろう
部屋と廊下をつなぐドアのガラスは割られていた
彡(゚)(゚)「(隙間にはガムテープ貼ってるのに、なんでドアのガラス割るんや)」
これじゃ確実に自殺できないやん
また割れたところからはドアの鍵までは通常では届かないということで
苦しんでもだえた女性が内側から、苦痛のあまりガラスを割ったと警察では判断されたようだ
娘のことであることを思い出した
彡(゚)(゚)「>>255」
後輩「どうぞ」
お爺さん「……」
~~~~~
後輩「お爺さん、話をまとめますと娘さんは自殺の可能性が大きいんですよ」
お爺さん「だから前も言ったじゃろう!娘はまだ撮っている途中の映画があると」
後輩「(そんなこと言ってたな)」
お爺さん「完成してないのに自殺するなんてあり得ないのじゃ!」
~~~~~
彡(゚)(゚)「……ふんっ!」ぶりぶりぶり
お爺さん「たのむ、兄ちゃん!」
後輩「先輩はトイレに行ってますよ」
~~~~~
彡(゚)(゚)「ふん……っ」ぶりぶりぶり
~~~
~
彡(゚)(゚)「ふぅ、見るだけ見ますよ」
後輩「おかえりなさい」
お爺さん「本当か!?」
彡(゚)(゚)「もちろんです。警察は市民の味方」
彡(゚)(゚)「(見るだけ…や)」
彡(゚)(゚)「逆走はやっぱり速いなぁ」
後輩「そうですね」
~~~~~自殺した女性の家
彡(゚)(゚)「ほいっと着いたけどとりあえず」
後輩「とりあえず?」
彡(゚)(゚)「刑事の基本>>263や!」
後輩「科学捜査なんてできるんですか!?」
彡(゚)(゚)「あたぼうよ」
そう言いワイはポケットからあるものを出す
サル♀「うき」
彡(゚)(゚)「ほれ、なんか探してこい」
サル♀「うきき!」
後輩「先輩持ってきちゃったんですか!?」
彡(゚)(゚)「逮捕したからな」
後輩「俺は中入ってますよ、サルで捜査なんか聞いたことないですよ」
~~~~~
彡(゚)(゚)「……ふぅ」プカー
ここいらで頭の整理するか…
被害者は助監督の洋子(?)であろう女性
事件が発覚したのは数日前のA山の奥地
家族できのこ狩りを楽しんできた山の所有者である男性が、犬の鳴き声を不審に思い
地面を掘ると中から泥だらけの何かを発見
怖くなった男性はすぐさま警察に通報
その後の捜査により遺体は女性であることが分かり
死後数年は経っていた
過去にA山に入ったのは自主映画『蜘蛛女』の撮影に来た
監督の英雄、助監督の洋子、男役の緒方、蜘蛛女役の薫
の計4人であった
男役の緒方によると、助監督の洋子はラストシーンを撮る前日の夜から姿を消していて
ワイたちの予想はぐるぐる巻きの遺体=洋子である
しかし遺体の損傷が激しいため、本人だとはまだ断定できていない
数日前S県で一人の女性が練炭自殺を図った
警察の調べによると自殺を図ったと思われる部屋の窓、ドアの隙間にはガムテープが内側からはられており
部屋と廊下を結ぶドアのガラス部分が割られていたが、これは苦しみ悶えた女性が割ったものとし計画的な自殺だと断定した
しかし
警察署へ訪れたお爺さんは娘(今回の女性)が自殺なんかするわけないと主張をし、ながは強引に再捜査をワイたちに依頼した
女性は自主映画を撮影しており。それが完成してないのにもかかわらず自ら命を経つわけが無いそうだ
彡(゚)(゚)「ふぅ…こんなもんか、そろそろ科学捜査も終わったやろ」プカー
彡(゚)(゚)「おい、サル終わったか?」
サル♀「Zzz」
後輩「……」
部屋では横になって寝ているサルと、黙々と捜査をしている後輩がいた
彡(゚)(゚)「何してんねん!」ポカッ
サル♀「きき!?」
彡(゚)(゚)「科学捜査しろや!そのためのお前やろ!」
後輩「鑑識じゃないのに無茶言わないでくださいよ…」
後輩「はい、一応」
後輩が見つけたもの
>>275
彡(゚)(゚)「えぇぇぇぇえええ!?」
彡(゚)(゚)「は、犯人の!?」
後輩「はい、犯人のです」
彡(゚)(゚)「そ、それで犯人は…?」
後輩「まぁ犯人かはわかりませんが、指紋を見つけましたよ」
後輩が言うには部屋中のあらゆる所から指紋を見つけてきたようや
彡(゚)(゚)「早速それを鑑識に送るんや!」
みんなでふざけられれば良かったんだけどすまん
彡(゚)(゚)「で、誰の指紋や」
後輩「えっと…いろいろありますけど」
鑑識からの結果は
検出された指紋は3つ
1つは部屋の主の女性。これはまぁ当然
2つめはお爺さんの指紋。まぁ家族だし当然か
3つめは通報した友人。まぁ友達だし部屋に入ったことがあるだろう
後輩「……」
彡(゚)(゚)「なんやこれ」
それはケースに入ったDVDだった
おそらく市販されているDVD-ROMに焼いたものだろう
表面には『つながっていた私たち』とペンで書かれていた
後輩「とりあえず観てみましょうよ」
後輩は軽快な操作でDVDデッキを動かす
題名『つながっていた私たち』
『私達…ずっと繋がっていたんだよね…』
『あぁ』
『私、あなたとの会話楽しいわ』
『あぁ』
彡(゚)(゚)「なんやこれ」
映像では糸電話で男女が交互に会話するだけだった
前半部分は部屋で男女が糸電話で会話しているシーンの連続
部屋の全体像は映らず、映像を見る限り
この男女は部屋を区切って顔は合わせず糸電話だけで会話をしているのである
会話しているところしか顔は映らないのだが、男女の顔全体は映らず喋っている口のズームしか流れない
いつものように女性が糸電話で男性に話しかけても返事が帰ってこない
女性はなんども話しかけるが男からの返事はない
不思議な思った女性は部屋から出て、男性がいるであろう部屋へと
恐る恐る入る
しかし部屋には糸電話だけがあり男の姿はない
「○○で待っている」
この○○とは実際に紙に書かれているのである
女性がその○○らしき場所にいくとフェンスが見える
「私有地のため無断での立ち入りを禁止します」
そのフェンスを登り彼女が山の奥へ進もうとすると男性が現れた
ここで初めて男性と女性の顔が明らかになるのであった
エンドロールも流れないため、これがお爺さんの言っていた未完成の映画なのだろう
彡(゚)(゚)「……」
後輩「……」
そうワイは言い、DVDが入っていたケースを裏返す
出演者の欄をみると
男役:英雄
女役:明美
とあった
後輩「男役の英雄って…」
彡(゚)(゚)「たしか『蜘蛛女』の監督や」
なんで英雄が、『つながっていた私たち』に出演してるんや…
ワイたちが観た『蜘蛛女』での英雄は監督をしていたため、顔は見たことがない
だから『蜘蛛女』で監督をしていた英雄と、『つながっていた私たち』に男役で出演している英雄が同一人物とは限らない
たしかに…すまん
彡(゚)(゚)「…とりあえずこれは押収や、戻ってお爺さんに見せたろ」
後輩「証拠ですよ?」
彡(゚)(゚)「ええんや!そんなもん!」
ワイは部屋を出るときに、資料にあった割れたドアのガラスを見た
後輩「あんなに完璧な準備をして自殺する人が、ガラスを割りますかね」
彡(゚)(゚)「苦しんでたら助かるためには何だってするやろ」
後輩「でも自殺ですよ?」
彡(゚)(゚)「まぁな」
このDVDをお爺さんに見せるために慎重に車を走らせた
~~~~~警察署
彡(゚)(゚)「ほい、あちあち押収したての証拠や」
お爺さん「こ、これは」
後輩「知ってます?DVDって言うんですよ」
お爺さん「そんくらい知っとるわ!!」
大声を出し杖で机をぶっ叩く
彡(゚)(゚)「これが娘さんが作ってた映画や」
題名『つながっていた私たち』
題名が映し出される
お爺さん「……」
~~~~~
~~~
~
さっきのようにエンドロールがないまま、突然映画が終わる
彡(゚)(゚)「どうやった?娘さんの遺作は」
お爺さん「あぁ…良かったよ」
彡(゚)(゚)「(ただ気持ちの悪い映像だけど遺作だからなぁ…)」
後輩「作中の男性役についてなにかご存知ですか?」
お爺さん「いや、見たこともないわ」
後輩「そうですか…」
彡(゚)(゚)「お爺さん、ワイたちは実際に現場をみて捜査したわけだが。やっぱり自殺だと思うんや」
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「ただ、さっきでてきた男役の英雄ってやつが他の事件に関わってると思うねん」
お爺さん「…そうか」
お爺さんはそう言うと…トボトボと杖をつきながら、他の警察官に寄り添われ出口へと向かった
後輩「自殺には変わりないですけど、しょうがないですよね…」
後輩はそうつぶやいた
~~~~~
男性「……これは」
先程あったA山の所有者に『つながっていた私たち』を見せる
このA山に訪れた監督を生で見たのはこの人だけである
男性「歳はとっていますが、撮影に来た中にいました」
彡(゚)(゚)「おぉ、まじか」
ワイの中で確信に変わった
この英雄は何かを知っている
「私有地のため無断での立ち入り禁止します」
『つながっていた私たち』と同じ
後輩「英雄を重要参考人として話を聞きましょう」
彡(゚)(゚)「そうやな」
ワイは署に一本電話をいれる
彡(゚)(゚)「英雄、重要参考人、ほな」ピッ
彡(゚)(゚)「いくで」
ブロロロロ
後輩「……」
車内の雰囲気は重い
彡(゚)(゚)「整理するか」
後輩「はい」
彡(゚)(゚)「まずワイたちは仕事のため嫌々【ぐるぐる巻き事件】の現場にやってきた」
後輩「はい、そこで所有者の男性と話をしましたね」
彡(゚)(゚)「事件があったA山に過去訪れた人はいなかったか?そう聞いたらVHSのことを思い出したんやな」
後輩「たしか男性のお家で『蜘蛛女』を再生すると。ラストシーンでぐるぐる巻きが映り込んだんですよね?」
彡(゚)(゚)「ぐるぐる巻きの遺体は、この映画と同じものであると」
後輩「そしてエンドロールの人間から怪しいと思われる男役の緒方のところに話を聞きに行きました」
後輩「緒方が言うには撮影現場で起こった事件はないが、ラストシーン撮影の前日で助監督がいなくなったと」
彡(゚)(゚)「そうや当初あの映画は監督である英雄の作品になる予定だったんだが、撮影がうまく行かずピンチヒッターとして助監督の洋子さんを急遽よんだんや」
後輩「監督の英雄と助監督の洋子さんはラストシーンについて夜遅くまで話し合っていたと」
後輩「本当は最初のA山に向かう前に署に来ていたんですけど、俺達は忙しくて後回しにしたんですよね」
彡(゚)(゚)「まぁしゃーないやろ、用紙も書かんし対応のしようがない」
後輩「緒方から話を聞き終えて戻ってきたら、お爺さんがいたと」
彡(゚)(゚)「理由を聞くと、【自主映画を完成させてないから】とふざけたことを抜かしたんや」
後輩「ジジイじゃなくて、お爺さんですよ」
彡(゚)(゚)「うっさい、あんなもんジジイで十分や」
後輩「俺達はしょうがなく娘のお家に行ってDVDを見つけたんですよね?」
彡(゚)(゚)「そうや、タイトルは『つながっていた私たち』」
彡(゚)(゚)「気色悪い映画だったわ」
彡(゚)(゚)「せや。ワイたちは『つながっていた私たち』に映っていた【英雄】が『蜘蛛女』の監督をしていた【英雄】と同じかどうか知るために…」
後輩「再びA山の男性さんのところに行ったんですよね」
後輩「それで僕たちは、この2つの事件両方に関わっている英雄を重要参考人として話を聞きにいくわけですね」
彡(゚)(゚)「ややこしいから助かったわ」
・監督:英雄(重要参考人)
・助監督:洋子(ぐるぐる遺体?)
・男役:緒方
・蜘蛛女役:薫
『つながっていた私たち』
・男性役:英雄(重要参考人)
・女性役:明美
~~~
~
彡(゚)(゚)「で、ついた訳だが」
後輩「ピンポンしてみますか」
ピンポーーン
ガチャ
英雄「はい」
彡(゚)(゚)「(映画の男性の顔やな)」
後輩「こちら警察です」
彡(゚)(゚)「重要参考人として署までご同行頼みますやで」
内容
男が森で美しい美女に出会い一目惚れをする。
男は美女を求め山奥へ向かうが
再びであった美女の下半身はクモであり捕らえられた男の周りにはぐるぐる巻きとなった生贄が木に吊るされていた
・監督:英雄(重要参考人)
・助監督:洋子(ぐるぐる遺体?)
・男役:緒方
・蜘蛛女役:薫
『つながっていた私たち』
内容
同じ家に住む男女は顔を合わせることなく糸電話だけで会話をしていく
いつものように糸電話で会話をしていた女性だが、男性からの返事がない
不審に思って男性の部屋に入った女性は「○○で待っている」と書かれたメモを見つける
女性はA山のフェンスを乗り越え、その先で男性と再開する
この作品はここで終わっている
・男性役:英雄(重要参考人)
・女性役:明美
彡(゚)(゚)「重要参考人として署までご同行頼みますやで」
英雄「……はい」
目の前の男は何かを覚悟した顔だった
~~~~~
~~~
~
彡(゚)(゚)「せやなぁ動機が作品にしつこく口を出されたことだったなんて」
英雄は取り調べに対して素直に応じた
【ぐるぐる巻き事件】の犯人は自分だと
~~~~~
英雄「あれは私の作品だったんです」
警察「だから殺しちゃったの?」
英雄「はい、ついカッとなって」
警察「けど撮影自体はうまく行ってたんじゃないの?」
英雄「僕は薄々感じてたんです、出演している人も僕じゃなくて本当に必要なのは助監督である洋子なんだって」
警察「で、首を締めたと」
英雄「焦りました、ラストシーンはまだ残っている」
英雄「そこで閃いたんです」
警察「なるほどね、大胆に映画の背景にしちゃったわけだ」
英雄「はい…我ながら良い策だと思いませんか!?」
警察「はぁ?」
英雄「僕は、僕は最後の最後で洋子を出し抜いたんだ…!」
英雄「あいつを僕の作品に取り入れたんだ!」
~~~
~
後輩「狂ってますね」
彡(゚)(゚)「そやな」
プルルルルル
彡(゚)(゚)「はい、あぁ~そう」
彡(゚)(゚)「ほな」ガチャ
後輩「ん?どうしたんですか?」
彡(゚)(゚)「今からちょっと行くで」
~~~
~
彡(゚)(゚)「ついたで~」
後輩「どこですかここ」
目の前には寂しい一軒家があった
彡(゚)(゚)「ええからええから」ピンポーン
お爺さん「はい」
彡(゚)(゚)「お邪魔するで、犯人さん」
目の前の男は覚悟した顔だったが、こちらに向けた目はどこかあさっての方向を見ていた
~~~~~
後輩「先輩、犯人って」
彡(゚)(゚)「こいつが犯人や」
お爺さん「……」
後輩「犯人は英雄なんでしょ?」
彡(゚)(゚)「そっちはな」
後輩「そっち?」
彡(゚)(゚)「娘の自殺のほうや」
彡(゚)(゚)「といっても【娘だと思われる女】のや」
自殺を図った女性は部屋の窓、ドアの隙間を内側からガムテープで…
彡(゚)(゚)「落ち着けや、ワイのペースでやらせろや」
お爺さん「いつから私が犯人だと?」
彡(゚)(゚)「最初からや…
って言ったらかっこいいか?」
後輩「……」
彡(゚)(゚)「まぁ最初からあんたのことは疑ってた」
お爺さん「ほう」
お爺さん「そうですか、それで何かわかりましたか?」
彡(゚)(゚)「【自殺した女性】とアンタのDNAは一致しなかった」
後輩「え…それって」
彡(゚)(゚)「自殺した女性はアンタの実の娘じゃない」
後輩「自殺した女性はともかく、お爺さんのDNAは…?」
お爺さん「……本当に最初から私を疑ってたんですね」
後輩「け、けどなんで!」
彡(゚)(゚)「例をあげればきりはないが、普通に考えて娘の自殺の再捜査でなんで用紙を書かないんや」
後輩「え」
彡(゚)(゚)「まぁそれについては後で説明するわ」
彡(゚)(゚)「ワイたちは最初、ぐるぐる巻き事件につあて捜査していた」
後輩「は、はいそうですけど」
彡(゚)(゚)「ぐるぐる巻き事件につあて調べても分かったの『蜘蛛女』の映画と監督含む出演者の情報だけや」
後輩「そうですね…A山の男性さんから昔訪れていたって」
お爺さん「そうなんですか」
お爺さんは杖を強く握る
後輩「お爺さんが自殺した女性の再捜査をお願いしなければ、『つながっていた私たち』も出演していた英雄も知らなかった」
彡(゚)(゚)「せや、このジジイの計画通りや」
彡(゚)(゚)「【普通ならな】、ここで新情報や」
ワイはさっきのDNA鑑定に話を戻す
彡(゚)(゚)「ジジイと血がつながっていたのは【ぐるぐる巻き事件】の死体のほうや」
お爺さん「…」
彡(゚)(゚)「アンタの本当の娘はぐるぐる巻きの死体のほうやろ」
お爺さん「……はい」
後輩「つまりお爺さんの本当の娘さんは、自殺した女性じゃなくて、ぐるぐる巻き死体…助監督の洋子さんってことですか?」
彡(゚)(゚)「そや」
先輩の言いたいことは分かる…分かるけど
後輩「だとしたら、なんで犯人になるんですか?」
お爺さん「ぜひお聞きしたいですな」
彡(゚)(゚)「う~んとな…」
先輩は口を濁した
彡(゚)(゚)「ここからはワイの推測や、違ったら違ったって言ってくれ」
ジジイがいなければ繋がらなかったんや
言い換えるとジジイは、ここ2つの事件を繋げるためにワイたちのところまでわざわざ来た
その理由?
それはジジイの本当の娘が「ぐるぐる巻き事件」の被害者である助監督の洋子さんだからや
洋子さんは上でも言ったとおり、『蜘蛛女』の撮影途中で監督である英雄に殺された
彡(゚)(゚)「娘が殺されたなんて、現場にいないアンタはすぐには気づかない」
彡(゚)(゚)「逆に言うと現場にいるものなら、不思議と思う人はいたはずや」
後輩「『蜘蛛女』の撮影現場ですか」
彡(゚)(゚)「『蜘蛛女』の撮影現場にいたのは、犯人である英雄と被害者である洋子を抜いて2人」
後輩「男役の緒方と、蜘蛛女役の薫」
(>>320参照)
彡(゚)(゚)「そや、ワイはその薫に注目した」
先輩はここで写真を出す
彡(゚)(゚)「これは練炭自殺した女性の写真や」
後輩「!!」
そこに写っていたのは、蜘蛛女の薫だった
彡(゚)(゚)「正式な依頼ではないからな、ワイたちは現場に行っただけで被害者の写真なんか見てなかったんや」
後輩「俺たちが行ったときには、自殺で処理された後で部屋には当然遺体はありませんでした…」
彡(゚)(゚)「練炭自殺は遺体が比較的キレイだからな、すぐわかったわ」
監督である英雄(犯人)
助監督の洋子(被害者)
緒方
薫(練炭自殺の女性)
の4人
お爺さん「……っ」
先輩が突き出した遺体の写真を見て、お爺さんはたじろぐ
後輩「いや、けどなんで自殺…?いやその女性は殺されなくちゃならなかったんですか?」
彡(゚)(゚)「何度もいうが『蜘蛛女』の撮影現場で起こった殺人を英雄自ら自白させるにはワイたち警察が動かないといけない」
後輩「そうですけど」
先輩は何が言いたいんだ?
彡(゚)(゚)「きっと薫さんはA山の、あの現場で殺しがあったと感づいた」
彡(゚)(゚)「しかし証拠がない」
後輩「……」
彡(゚)(゚)「そのための『つながっていた私たち』や」
彡(゚)(゚)「思い出してみろ」
後輩「えっと…(『つながっていた私たち』の内容は…)」
同じ家に住む男女は顔を合わせることなく糸電話だけで会話をしていく
いつものように糸電話で会話をしていた女性だが、男性からの返事がない
不審に思って男性の部屋に入った女性は「○○で待っている」と書かれたメモを見つける
女性はA山のフェンスを乗り越え、その先で男性と再開する
同じ家に住む男女は顔を合わせることなく糸電話だけで会話をしていく
いつものように糸電話で会話をしていた女性だが、男性からの返事がない
不審に思って男性の部屋に入った女性は「○○で待っている」と書かれたメモを見つける
女性はA山のフェンスを乗り越え、その先で男性と再開する
俺は先輩に言われ、頭の中で思いだす
これは、文字通り○○や
地名も何にも書いていないただの○○
ワイが思うに
薫さんが出演者の英雄への脅しだったんや
何も知らされぬまま、連れてこられた撮影現場がA山
そこは英雄にとって洋子さんを絞め殺した場所
事前に教えられたら、そんな場所はいかないし
下手したら映画に出てもらえない
だからあの映画は、英雄と女性が出会うところで終わっている
彡(゚)(゚)「そこだけで良かったんや」
後輩「ちょっと待ってください整理させてください」
つまり、薫さんは『蜘蛛女』の撮影途中でいなくなった洋子さんを不審に思い
ラストシーンを巡って夜遅くまで洋子さんと話し続けていた監督を疑っていた…?
これは緒方さんの話からも裏付けできる
しかし薫さんが遺体を山に埋めたと考え抜いたとしても
山全部を掘り返す訳にはいかない
それで「私はあなたのしたことを知っていますよ」とメッセージの意味を込めて『つながっていた私たち』のラストシーンをA山にしたってことか…?
後輩「は、はい…一応」
後輩「だとしても疑問があります」
なぜ薫さんは練炭自殺…いやお爺さんに殺されなくてはいけなかったのですか?
彡(゚)(゚)「もう一回言うが、これはワイの推測や」
彡(゚)(゚)「薫さんが、あの映画の撮影地をA山にしても英雄は何も動じなかったと思うんや」
その証拠に、ワイたちが重要参考人として家を訪れるまで英雄は家で暮らしていた
後輩「はい、たしかに俺達は捜査しました」
彡(゚)(゚)「話を最後まで聞くんや、ワイたち警察はろくに捜査してないやろ」
後輩「え?」
彡(゚)(゚)「薫さんは練炭自殺…つまり事件ではなく自殺として最初は処理されたやんけ」
後輩「……」
彡(゚)(゚)「そこが犯人たちの誤算や」
それも内側からな
彡(゚)(゚)「そのご練炭で一酸化炭素中毒で死亡」
後輩「はい」
彡(゚)(゚)「ここまでなら誰がなんと言おうと自殺や」
けど一つ謎があったやろ
後輩「ドアの割られたガラスですか」
彡(゚)(゚)「ワイがもし同じ状況なら、空気を入れ込むために窓のガラスを割る」
なんで玄関側のドアのガラスを割るんや
後輩「呼吸もできない状況だから気が動転してなんじゃ」
彡(゚)(゚)「まぁな、けど聞いてくれや」
彡(゚)(゚)「もし不可解な死に方をしていたら、ワイたち警察は現場を捜査する」
徹底的にな
後輩「不可解な点…ガラスですか」
彡(゚)(゚)「この謎がある限り、警察は自殺を事件として捜査すると」
後輩「けど、警察は苦し紛れにドアのガラスを割ったと」
彡(゚)(゚)「それが犯人の誤算や」
彡(゚)(゚)「警察はアンタが思うほど、アンタ達の覚悟には向き合わなかったってわけやな」
お爺さん「……」
そう思わせるために、爺さん
あんたが最後にガラスを割ったんや」
彡(゚)(゚)「やろ?」
お爺さん「……」
後輩「……」
お爺さんの目はさっきと同じであさっての方向を向いている
山に埋めた洋子の遺体がでてこなければ、警察は動かない
証拠がないと俺達は動けませんからね
その証拠を出させるために映画で脅したはずがうまくいかず
今度は俺達警察に捜査させるために、不可解な事件を起こしたと
後輩「自殺が事件だったと分かれば、あのDVDがでてきますしね」
最後にお爺さんが「娘は自殺するはずがない…!【映画を完成させるまでは】」と言えば
英雄まではたどり着くでしょう
後輩「(そこから先はどうなるか分かりませんがね)」
後輩「最後にいいですか?」
彡(゚)(゚)「なんや」
後輩「なんでガラスを割ったんですか?」
彡(゚)(゚)「?」
後輩「この練炭自殺が薫さんと、お爺さんの共犯だったならば。もっとあり方があったでしょう!?」
彡(゚)(゚)「なんややりかたって」
後輩「こんな気づくか気づかないかなんて博打ですよ!」
彡(゚)(゚)「一見、自殺に見せかけた殺人を演出するには…」
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「なぁジジイ、一つ質問ええか?」
後輩「え?」
お爺さん「……」
お爺さんは杖を持って震えている
彡(゚)(゚)「薫さん命、全部使って作った映画や」
彡(゚)(゚)「一緒に観たよな?」
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「答えられねぇもんな」
お爺さん「……」
彡(゚)(゚)「ジジイ、目が見えてないんだろ?」
彡(゚)(゚)「アンタを始めてみた時から、ずっとな」
後輩「いや、目が見えてないって、だって」
彡(゚)(゚)「見えてないんだよ、だから映画のタイトルも分からないんや」
彡(゚)(゚)「だから用紙にも書けなかったんや」
まぁ書いたところで本物の娘じゃないってバレるってのもあると思うけど
後輩「いや、映画だってタイトルいいましたよね?」
彡(゚)(゚)「それが映画のタイトルなんて一言もワイは言ってないで」
彡(゚)(゚)「『つながっていた私たち』のタイトルは題名として映像だけででたんや」
お爺さん「………っ」
目の前のお爺さんは、杖を震わせながら
あさっての方向を向いている
彡(゚)(゚)「練炭自殺で呼吸が止まった時を待って音がやんだらアンタは、その杖でガラスをパリンや」
これで謎の練炭自殺現場?の完成や
彡(゚)(゚)「耳は良いらしいから、澄ませば呼吸が止まった音ならわかるやろ」(>>45)
中年のワイのことを兄ちゃんって呼んでたところから気づくべきやったんや
後輩「……そんな」
お爺さん「いや…もういい」
後輩「……」
後輩「こんな方法しかなかったんですか?」
お爺さん「ないんじゃよ」
お爺さん「もう見えない娘のためのに老人ができることなんてこれくらいしか」
彡(゚)(゚)「すまんな」
先輩はそうつぶやき、手錠をお爺さんの手にかけた
~~~
~
先輩と駆け抜けたあの事件から数カ月がたった
きのこ狩りの秋から季節はすっかり冬へ
後輩「先輩…仕事してくださいよ…」
彡(゚)(゚)「うるさいわい」
後輩「……」
このときの先輩は何処に行ったのだろうか
窓際を占領していた蜘蛛はいなくなったが、蜘蛛の巣だけは残っていた
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- ギル「貴様が我のマスターか」 両津「そうだ金ピカくん」
- モバP「まゆと身体が入れ替わった……」
今週
先週
先々週
コメント一覧 (3)
-
- 2019年08月03日 18:20
- 今の時期が悪いよ時期が
-
- 2019年08月03日 18:56
- 何が悪いって安価してるやつらは自分が面白いやつだと思ってるところ
-
- 2019年08月03日 22:37
- 薫さんが命がけで洋子の事件を解決したがる理由があれば良かったけどなあ
安価はいらんかったが後半はそこそこ楽しめた
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