Image by Rafael Juarez from Pixabay
インド南部チェンナイのセイブエサ歯科大学病院で7月中旬、とても珍しい手術が行われたようだ。
7歳の男の子・ラビンドラナートくんが右下の顎の腫れを訴えて入院。X線やCTスキャンで精密検査を行ったところ、小さな歯が大量に入った嚢(袋状の組織)が発見され「複合性歯牙腫」であることがわかった。
摘出施術は無事成功。嚢の中にはなんと、526本もの歯が入っていたという。
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3歳のころから下顎の腫れがどんどん大きくなってきて・・・
526 teeth removed from mouth of boy with rare medical condition
両親が息子の顎の腫れに初めて気付いたのは4年ほど前、ラビンドラナートくんが3歳のころのこと。
病院を訪れはしたがまだ幼いこともあってちゃんと診察を受けられず、また腫れもそれほどではなかったので様子を見ることにした。
しかし腫れがどんどんひどくなって状態が悪化してしまい、このほどセイブエサ歯科大学病院に入院して手術を受けることとなった。
顎にあった嚢の中から出てきたのは紛れもなく526本の歯だった!
ラビンドラナートくんは「複合性集合歯牙腫(歯原性腫瘍の一種)」と呼ばれる極めて珍しい症例で、全身麻酔を施した後に顎を切開すると重さ約200gの嚢が見つかった。
慎重に取り除いてから開いてみるとそこには526本の歯が入っており、1mmから15mmまでさまざまなサイズのものがあったがそのすべてに歯冠と歯根があってエナメル質で覆われていたらしい。
image credit:Saveetha Dental College and Hospital
セイブエサ歯科大学病院のPratibha Ramani教授によると「まるでカキの中の真珠のようだった」とのことで、嚢からすべての歯を取り除くのに5時間もかかったのだとか。
手術を受けてから3日後、ラビンドラナートくんはすっかり元気になったそうで、歯の数は、通常の一般的な7歳児と同様21本に戻ったという。
image credit: youtube
インドでは過去にも10代の若者が232本の歯を摘出されていた
「複合性集合歯牙腫」の原因は今のところ不明だが、遺伝や放射線などの可能性が示唆されている。
一人の人間がこれほど多くの小さな歯を持っていたのはきちんと確認されたケースでは世界初だったようだ。
ちなみにインドでは2014年にも10代の若者が7時間の手術を受けて232本の歯を摘出したという。抜けて歯が減るのも大変だけど、多すぎるのも大変なのだね。
References:National herald india / YouTube / Saveetha Dental College and Hospitalなど / written by usagi / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
(゚д゚)
3. 匿名処理班
高度医療を受けられる時代と環境に生まれて本当に良かったね…
そうじゃないケースのことを思うだに身の毛がよだつ
4. 匿名処理班
は〜〜こりゃビックリ
5. 匿名処理班
乳歯と永久歯という、たったの2巡しかしない人間の歯の
新たな進化の形だったりしないのかなぁなどと、
歯の過半数が差し歯とブリッジ歯な中年は思ったりするのです。
6. 匿名処理班
前世はサメとみた
7. 匿名処理班
「歯」というか、
レントゲン写真の常態から見るに
「(歯と組成が同じ)カルシウムの砂粒」が詰まってた感じか。
8. 匿名処理班
縦横ではなく綺麗に螺旋に並べているのがインドっぽい
9. 匿名処理班
これはあれか?
人類はサメみたいに、歯が抜けても新しい歯が次から次へとはえてくるように
進化が始まっているのか?
10. 匿名処理班
全部数えないといけないの?
『無数の歯』ではダメ?
11. 匿名処理班
ラビンドラナート・・・タゴールくん?
12. 匿名処理班
なぜ 取り出した歯を わざわざ渦巻きに並べたのか(笑)
13. 匿名処理班
オサガメの口の中みたいにならなくて良かった
14. 匿名処理班
これ医療の発展してなかった時代だったら悪魔扱いされてたんだろうな
良い時代になったもんだ
15. 匿名処理班
現在歯数が平均的な数になったとは言え、そこに生えてくる筈だった永久歯がレントゲン上に見当たらないから将来的に差し歯や入れ歯必須な気がして大変
16. 匿名処理班
会話も食事も大変だったろう
手術出来て良かったな
17. 匿名処理班
>>8
ね、なんかきれいだとおもったし
インドの神秘を感じた