image credit:Rothco/AIB
世界初の草の種から“栽培された”本が完成した。アイルランドの広告代理店ロスコとアライド・アイリッシュ銀行(AIB)が協力し、アイルランドの農業を支援するための取り組みとして100%牧草から作った農業関係者のためのガイドブック「The Book That Grew」だ。
農業の持続可能性を最大限に高めるために実践できる10のステップが綴られた、22枚のページはすべて草の根からできている。
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The Book That Grew
種をまき、牧草を育てながら作る本
世界に1冊だけのこの本は、2019年2月から3月にかけて、ドイツ人アーティスト、ディアナ・シェラーの監督のもとで栽培・制作された。
制作工程はシンプルだが、何しろ世界初の試みであり、うまくいくかどうかは誰にもわからなかったという。
まずは特注の鋳型を敷いた箱に土を入れて牧草の種をまき、日当たりのよい場所で水をやりながら草を育てる。
image credit:Rothco/AIB
根が文字を作り上げる
そうすると根が張るにつれ、鋳型に彫られた文字やその他の形が浮き彫りになるという格好だ。
その後根っこのページはアムステルダムで薄く刈り取られ(収穫され)、ダブリンで製本された。
image credit:Rothco/AIB
製本に使った材料や根っこのページの間に挟まれた紙はもちろん、インク(草を燃やしたもの)にいたるまで、この本は100%牧草から作られている。
牧草という資源の持続可能性をそのまま体現している本なのだ。
References:AIB: The Book That Grew by ROTHCO | Creative Works | The Drum/ translated & edited by mallika
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コメント
1. 匿名処理班
これは欲しいな。
すぐ虫に食われそうだけど。
2.
3. 匿名処理班
文字通りの草の根運動か
4. 匿名処理班
※1
紙魚「この本はちょっと…」
5. 匿名処理班
魔導書みたいだぁ
樹木系もしくは農耕系の神様が持ってそうな神器っぽくもある
★農耕神の秘密の日記 とか 妄想ができる
発想は面白いけど、本としての実用性考えたら普通の紙で作った本がいいな
1枚のチラシにコレを と思ったけど費用対効果悪すぎるし
キャラクターグッズ方面ならイケそうな気がする
6. 匿名処理班
浮き出てくるかと思ってたから根っこと言われて
そっちか!なった
7. 匿名処理班
スパイ大作戦の道具で使われ、この本は自動的に消滅するといって
ヤギがその場で食ってしまいそう
8. 匿名処理班
原始的なのか近未来的なのかちょっとよくわからんw
鉢植え育ててると伸びた根っこが下の方でぐるぐる鉢の形になるんだけど、あれ見て思いついたのかと思うとやっぱアーティストの発想すげーわ
9. 匿名処理班
自分アホだから紙は木からしかできないって思い込んでるから「草から本を作ってみようよ」と言う発想は全く出てこないと思う
こういうことを思い付く人のお陰で世界は変わっていくんやなあ
10. 匿名処理班
紙を漉くんじなくて、植物自らが一枚のページに「育って」いくとは驚き。一枚だけ額に飾っても美しいですね。
11. 匿名処理班
草から本ができるってもうほんと魔法だよな
科学と魔法は似てるってのはほんとだわ
12. 匿名処理班
※9
パピルス「・・・」
竹簡「(俺も草だよな?)」
ケナフ「私は現役の、環境に優しい素材です」
13.
14. 匿名処理班
そういや椅子を育てて収穫する人もいたな
変形させられるんだから思い通りの形にして頂いてしまおう
って意思は似てると思った
そっちも環境を考慮した感じのやつだったな
15. 匿名処理班
※9
逆やね。
※12のみんなが言ってるみたいに、紙ってもともと草とか草みたいにほっそい木から作るもんや。でかい木の丸太を粉々にして作る現在の紙のつくりかたは割と最近のものだから、このプロジェクトはどっちかっていうと先祖帰りみたいなもんや。
紙の歴史を知ってれば、有りえん発想ではないと思うで。
君のそれはアホと違くて知識がないだけやないかな。知らんけど。
まあ、ページをそのまま栽培しようって発想は、かなり謎だとは思う。
ドイツ的変態性の匂いを感じるな。
・・・・・いやまて。
竹簡、君、紙と違うやろ。簡やないか。
なに紙の仲間に入ろうとしてんねん。