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「雷は同じ場所に二度落ちない(Lightning never strikes twice)」――アメリカにはこんな諺がある。同じような悪いことは起きないという意味だ。
元になったのは、ハミルトン・マイヤーズの『Thrilling Adventures of the Prisoner of the Border』という小説に登場する人物がいった「雷は同じ場所に二度落ちないさ、おそらく砲弾もね」というセリフだ。
砲弾についてはそうかもしれないが、雷については修正したほうがいいかもしれない。一生のうちにいくどか雷に打たれた人の話がたくさん伝わっているからだ。
そしてもう一つ、「雷に打たれると異能に目覚める」という噂がまことしやかに囁かれている。ここでは実際に雷に打たれた後、奇跡の生還を遂げ、そればかりか特殊な力を身につけたとされる3つのケースを見ていこう。
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1. 電気に強い体となり人間避雷針となった男性
おそらく一番有名なのはロイ・サリヴァンだろう。アメリカ・バージニア州の公園監視員だった彼は、1942〜1977年の間に7回も雷に直撃し、「人間避雷針」と呼ばれた人物だ。この記録のおかげでギネスブックにも載っている。
もちろん滅多にあることではないが、雷は同じ場所に落ちるのだ。そうした悪運もなかなか興味深いが、何度雷に打たれることで、電気に対する耐性を身に着けたのかもしれない。
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2. 落雷により視力を回復、聴力もアップした男性
アメリカ・メイン州に住むトラック運転手だった、エドウィン・E・ロビンソンという男性は交通事故で失明した。どうにも生まれついて運に恵まれない人物だったようで、落雷にまで遭遇してしまった。
ところが、どうしたわけかそれによって視力が回復したのだ。それどころか耳まで良くなったと証言している。
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3. 寒さにめっぽう強い体となった男性
アメリカ・ミズーリ州の電気技師、ハロルド・ディールという男性も同じようなことを話している。当時31歳だった彼は、自宅へ運転している途中にひどい嵐に見舞われた。
どうにか無事に自宅にまでたどり着いたが、幸運はそこで尽き、車から降りた途端に落雷に遭ってしまった。
「3、4歩歩いたところで、柔らかい綿を踏んだような感じがしました。頭が肩の後ろに落ちて、肩甲骨の間に引っ張られているような、そんな感覚を全身で感じました。」
意識は回復したが、特に雷に打たれたような気はしなかったという。だが隣の家のフェンスの向こうにいることに気がついた。もともと歩いていたところから15メートルは離れたところだ。
衝撃でブーツが脱げ、ベルトのバックルやらポケットの小銭やら、身につけていた金属はみな溶けていた。それでも奇跡的に助かった。
後になって、背骨にひどい怪我を負っていたことが判明したが、雷の影響はそれだけでなかった――寒さにやたらと強くなっていたのだ。
それどころか、マイナス23度以上になると暑さすら感じるようになった。また、体温が35.1度と若干低めになった。
ディールの変貌には職場の同僚たちも驚いた。気温はマイナス6度に冷え込んでいるというのに、コートすら着ようとしないのだ。
この奇特な体質にはマスコミも注目し、雪が降りしきる中に半袖短パンという出で立ちになっての写真撮影を求められるようになった。
さらに落雷の危険性の啓発や被害者支援を目的とする、落雷・電気ショック・インターナショナルという団体の広報責任者にまで就任した。
image credit:thehumornation
あくまでもレアケース。雷は危険なので避難しよう!
こうした落雷によって異能力が芽生えたというエピソードはあるものの、むろん、それが目的で雷に打たれようなど危険極まりないし、命を落とすのがオチだ。
アメリカでは年に300人が、日本でも20人が雷で亡くなっている。怪我を負った人間ならさらに多いし、雷は無数の山火事の原因でもある。
雷が発生中は外にでないようにしよう。万が一遭遇してしまったら、建物内に避難するか、建物が近くにない場合、低い場所で身を隠せる場所を探そう。
References:mysteriousuniverse/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
最近畑に雷が落ちると豊作になる稲妻の由来が科学的真実だった事がニュースになっていたし、人体にも同様に影響があるのかも
2. 匿名処理班
寒さに強くなったってのは寒さを感じる機能か、体温を調整する機能に
何らかの異常が生じた可能性も考えられなくないか?
3. 匿名処理班
細胞的に強くなったのか、単に神経が狂っただけなのか
4. 匿名処理班
雷を斬れるようになった人も居たっけ
5. 匿名処理班
人間避雷針というと、「じっさい」か。
6. 匿名処理班
寒さを感じなくても、手足の末端の凍傷とかいった人体の構造的にどうしようもないことは変えられないはずだから過信してると指を失いかねんと思うんだが
7. 匿名処理班
>あくまでもレアケース。雷は危険なので避難しよう!
当たり前なことなのに、つい、笑いがでてしまった( ;∀;)
この魅力的な情報に惑わされそうになっている読者への愛か。
8. 匿名処理班
雷御越しの缶に打たれると
前歯が飛ぶ
9.
10. 匿名処理班
付加される能力微妙すぎんよ〜
11. 匿名処理班
そんな命懸け超能力ルーレットなんて参加したくありませんw
関係無いけど雷斬った刀あったね
12. 匿名処理班
目の前に2回落ちた事がある。
1回目は側溝のフタの鉄板、2回目はマンホール。
鉄の焼けた臭いが漂うほどの近距離。
落雷が木の根っこみたいにゴチャゴチャしていると
ハッキリ見えたくらいの近距離。
特許を取る事ができたのは落雷で発想力が
パワーアップしたと思っておけばいいのかな。
13. 匿名処理班
※6
無痛症に近いね。こちらは先天性ですが。
14. 匿名処理班
きちんとした科学的な精査受けてない噂じゃなあ。
電気ショック自体は脳に影響与えることは分かってるよ。
精神病の治療に使われても居る。
治療としてはどっちかっていうと最後の手段っぽいが。
15. 匿名処理班
この人らはアメコミのスーパーヒーローみたいだな…
16. 安房守
戦国時代に雷に打たれて、半身不随(左足)になるも、輿や時として馬に乗り、戦で名を轟かせた立花道雪がいます。序に雷切(言い伝えでは雷神を切った)と言う刀を世に残す。
17. 匿名処理班
無痛症、同意 寒いと痛さ感じるし
交通事故→失明→落雷→視力復活
ホントに怖いネェ
18. 匿名処理班
同一の高圧線の鉄塔に落雷する確率は10年に1回程度らしい
東京タワーでも1年に1回程度しか落雷しない
19. 匿名処理班
リントの戦士かな?
見ててください、俺の!変身ッ!
20. 匿名処理班
雷落ちた人の体の皮膚一面に、落雷の痕が蕁麻疹みたいに走ってたのを見たときは戦慄した
雷が落ちて透視能力に目覚めるとかならまだしも、
こんな微妙(視力回復は微妙じゃないが)な能力じゃ割に合わなさすぎるわ
21. 匿名処理班
助かっても身体に雷通った変な模様が出来る。
22. 匿名処理班
事故で頭を打ったら、
それまでド素人の落書きレベルだったオバサンが
突如として写実的な絵の才能に目覚めたって話もあったね。
落雷に遭って脳に高圧電流が走ったら
今まで通ってなかった回路の信号が繋がった
(あるいは※2さんの言うように何らかの回路が壊れた)
って感じなんだろうか?
23. 匿名処理班
スピードフォースに目覚めたんだなぁ
24. 匿名処理班
>体温が35.1度と若干低めになった
若干なのかー
25. 匿名処理班
ゴゴゴゴゴゴ
26. 匿名処理班
髪鳴りに打たれると
髪が生えます
彡 ⌒ ミ
(´・ω・`)
神の祝福を受けるのです
彡ミミミ
(´・ω・`)