33野犬が特に多いのは、周南市徳山の市営大迫田共同墓地と、隣接する周南緑地東緑地公園の一角。地元の人によると、野犬は十数年前から出没するようになったという・・





墓地や隣接の公園に野犬の群れ、どうしたら……


 日が陰った8月12日午後6時すぎ、東緑地公園の駐車場に野犬が3頭うろついていた。人が車から降りてきても逃げ出す気配はない。墓地に向かう途中のグラウンドにも2頭いて、数メートルわきをランナーが走っていく。

 墓地は公園から続く坂道を上った高台にある。野犬は、墓掃除をする人たちのそばを歩いたり、通路にたたずんだりしている。人が何もしなければほえもせず、近づいてもこない。墓参に来た人も、犬が目の前を通り過ぎてもほぼ騒がない。





 ただし、ほとんどの野犬は、カメラを向けると立ち止まってこちらを凝視する。黙って様子をうかがい、対面した人との距離をおおむね4、5メートル以上に保つ。それ以上に近づくと、すぐ後方に退いた。

 午後7時すぎ、墓地入り口の階段付近に寝そべる野犬の群れを、駐車場を挟んで撮影していると、野犬たちが「ワンワン、ワンワン」とほえ始めた。黒い犬と茶色い犬の2頭が、走ってこちらに近づいてくる。

黒い犬が尾を立てて「ウー、ウー」とうなっては立ち止まり、また「ウー、ウー」とうなって記者の約3メートル手前まで近づいてきた。さすがに危険を感じて撮影をやめると、野犬はしばらく記者を見ていたが、近づいてこなくなった。後で気づいたが、陰にいた子犬を守るための威嚇だったようだ・・