2.血液の異常

青い顔の原因はメトヘモグロビン血症で、血液中のメトヘモグロビン濃度が高いからです。平均的な人は1%以下ですが、メトヘモグロビン血症の人は10〜20%あります。この結果、ファゲイト一家は白い皮膚が青くなり、唇が紫色になりました。

3.青い顔が一族の印になった

遺伝子の観点から、マーティンと妻エリザベスはメトヘモグロビン血症を引き起こす可能性がありました。もしこの2人が結婚しなければ、青い顔の子どもたちはこれほど発生しなかったでしょう。

しかも、一家が住む地域は孤立していたため、近親交配が行われていました。その結果、一族に青い顔が増えていきます。

4.一族で一番青いのは…

一族で一番青いのは、ルナ・ファゲイトという女性です。「ルナとその親族が最も青かった。特に、ルナは全体的に青みがかっていて、唇はあざのように暗い色だった。」と地元の看護師は語っています。

5.社会から孤立していく一家

ファゲイツ一族の青い肌は、近親交配の証拠をはっきり示していました。しかし、人々は時間が経つにつれ、近親交配による危険な影響を知っていきます。

その結果、一家の青い肌は汚名となりました。隣人は冷たい態度を示すようになり、一家は社会から孤立していったそうです。

6.いたって健康だった

メトヘモグロビン血症は発育遅延や痙攣を引き起こすこともあります。しかし、強烈な外見にも関わらず、ファゲイト一家は健康に問題ありませんでした。家族の多くは熟年まで生き、最も青い女性ルナは84歳まで生きて13人の子供を産んでいます。この一族の苦痛は、もっと精神的なものでした。

7.治療法とは…

1960年初頭、この一家はある血液学者の目にとまりました。血液学者は本人たちに話を聞いた後、この一族の血液に重要な酵素が欠けていると判断します。そして、治療としてメチレンブルーという染料を注射することを決めました。

この治療は効果を発揮し、治療を受けた家族は肌の青さが消えていきます。そして、初めて肌がピンク色になりました。その後、血液学者は患者にメチレンブルーの錠剤を毎日飲ませたそうです。

8.最後に知られている一族

この一族の青さは長年続き、子孫は様々な色合いの青さでした。その後、炭鉱産業などのおかげで、新しい人々がこの地に移ってきて、一族は外部の人と結婚します。この結果、一族の青い顔は減っていきました。

最後の青い顔で知られているのは、1975年に誕生した人物です。近親交配が減少したため、病気を発症する可能性はゼロではないですが、だいぶ低くなっています。

9.現在の生活

2012年、この一族に関する記事をある報道メディアが搭載しようとします。そして、生き残った家族を追跡しようとしましたが、誰にも連絡を取れませんでした。

この地域には今も子孫が住んでいますが、遺伝はだいぶ薄まったようです。また、「メトヘモグロビン血症の患者はほとんどいない」とある病院の血液学者は認めています。

10.北アイルランドにも青い顔の兄弟がいた

北アイルランドのラーガンにも、青い顔の兄弟がいました。1942年、アスコルビン酸と炭酸水素ナトリウムを使った治療を受けます。その結果、兄弟の皮膚は12日間で正常な色に変わりました。

11.誰でも顔が青くなる可能性はある

遺伝的な可能性がなくても、誰でも後天的にメトヘモグロビン血症になる可能性はあるといわれています。健康的な赤血球が特定の条件下に晒されると、メトヘモグロビン濃度が上昇するそうです。また、食べ物が原因で、乳児もこの病気を発症することがあります。



顔が青いのに、そこまで深刻な健康問題がないのはちょっと不思議ですね。

医療が発展している現代なら、ファゲイト一族はここまで精神的苦痛を受けなかったのかもしれません。

via:Ranker