勇者(♀)「あはは、嫌だなぁ。○○さんが私のこと見捨てるわけないじゃありませんか。」
勇者「それにしても、長かったなぁー。私たちがここを出発してから、かれこれもう5年になるんですもんね。早いですよねー!」
勇者「最初はどうなることかと思ったけど、最終的には魔王も封印してっ、こうしてふたりで無事に帰ってこれて!万々歳ですよねっ、○○さん!」
勇者「世界に平和が戻ってめでたしめでたし!……はぁー……頑張ってよかったなぁー。」
勇者「……ね、○○さん。私たち、力を合わせて頑張りましたよねっ。どんなピンチに陥っても、ふたりで乗り切って、ふたりで色んなことを味わって…。」
勇者「楽しいことばかりじゃなかったけど……それでも、とっても楽しかったです!だから、○○さんにはずぅーっとお礼が言いたかったんです!」
勇者「私がここまで来れたのは、全部○○さんのおかげです!本当にありがとう!これからも、よろしくお願いしますねっ!」
勇者「……いえいえ、そういうわけにはいきませんっ。ずっと王さまのご好意に甘えてばかりもいられませんからねっ!」
勇者「…………これから…?」
勇者「……うーん、考えたことなかったなぁ…。……これから……これからかぁ……。……ねっ、どうしましょうか?○○さんっ!」
勇者「えっ、旅に?…………うん、それがいいかもしれませんね!色んなところには行ったけれど、まだまだ知らない景色もいっぱいありますしね!」
勇者「いつ出発します?それまでには私も準備をしておかなくっちゃ!…………え…?」
勇者「…………ひとり、で……?」
勇者「……あ……あははっ。もう、どうしたんですか○○さん!冗談言うなんて珍しいですねっ。あはは、これも世界に平和が戻ったおかげかなー?」
勇者「………え……。」
勇者「…………あ……あの…っ。お、王さま!王妃さま!私たち、これで失礼しますねっ!」
勇者「あは、あははっ。そ、そんなわけないですよねっ!ね!だ、だって私と○○さんは、いつも、一緒で……。」
勇者「これからもっ、ずーっと一緒なんですよねっ!?ずっとずっと仲間で!お友達で!死ぬまでずっと一緒にいるんですよねっ!?」
勇者「…………な……なんでそんなこと、言うんですか…!私は、ただ……○○さんのことを……!!」
勇者「私はぁ!!○○さんがいないと駄目なんですっ!!戦うときも!旅するときも!りょ、料理だって……○○さんがいないと、出来ないんですよ…?」
勇者「嫌だっ!嫌ですっ!!○○さんは私とずっと一緒なんですっ!!○○さんは優しい人だからっ、私のこと見捨てたりしないですってばあ!!」
勇者「ぐすっ………ひうっ……!……なんで…っ、どうしてそんな……意地悪ばっかり言うんですかぁぁ……!!………ひっ……ひくっ………!」
勇者「…………いつ……出立、するんですか…っ。…………○○さんはぁっ、いつ私のもとから離れて行っちゃうんですかあっ!!」
勇者「そ、そんな…っ。……早すぎるよおっ……!…………やだ……うぅぅ…………やだよぉ……!……行かないでよぉぉお……!!」
勇者「………ぐすっ…………うぇえええ……!!……うわぁあああぁああああん!!やだぁああああああ!!ああぁぁああっ、あぁぁあぁぁぁぁ………!!」
勇者「…………やだぁ…………絶対、やだぁぁ………!!」
勇者「……絶対に…………絶対にぃぃぃ…………!!!」
───
─────
勇者「おっはよーございまぁーすっ!!ほらほら朝ですよーご飯ですよー!起きてくーださーい!!」
勇者「まったくもー、世界が平和に戻ったからって朝寝坊していい理由になんてならないんですからねー!せっかく気持ちのいい朝なんですからっ、はやく起きなきゃ勿体ないですよー!」
勇者「……えっへへっ、驚きましたっ?たとえ起こせと言われなくてもっ、○○さんを起こすのは私の務めですからねっ。これは誰にも譲れません!むふんっ!」
勇者「…………昨日のこと、やっぱり気にかけてくれてたんですか…。……やっぱり優しいなぁ、○○さんは…。どれだけキツいこと言っても、なんだかんだ言って私のこと思いやってくれるんだもんなーっ。」
勇者「昨日は……私の方こそ、ごめんなさい。往来のド真ん中であんなに取り乱して……えへへ、恥ずかしいですよねっ。これじゃあ勇者失格ですねっ、あははは…。」
勇者「……○○さんは……どうしても、私から離れていきたいんですもんね…。それを止める権利なんて、私にはないってこと……分かってます。本当は、分かりたくなんてなかったけど。」
勇者「でもっ、私も○○さんにいつまでも甘えてばかりもいられませんからねっ。いい加減、○○さん離れしないと……いけませんよね…。」
勇者「本当はね……そんなの、分かってるんです。でも、どうしても……どうしても嫌だった…。ずっと○○さんと一緒にいたいって、そう思っていたから…。」
勇者「……どうしても…………どうしても……えへへ、頭ではちゃーんと分かってるんですけどねぇ…。本当に…………こればっかりは、どうしても…………どうしても……嫌なんだなぁー……。」
勇者「…………嫌だ…………嫌ですよ……。私のこと、またひとりぼっちにするんですか……?…………せっかく頼れる仲間が……お友達が、出来たのに……!……なんで、私から逃げようとするんですか……!?」
勇者「……ねぇ…………答えてくださいよ……!!私が納得するようにっ、ちゃんと説明してくださいっ!!どうして私から離れようとするんですか!?なんで私を見捨てるんですかっ!!?」
勇者「ほら……はやく答えてくださいよ……!……答えて…っ……………答えてよぉ……!!答えろって言ってんだよおおおっ!!!!」
勇者「わた……私が、○○さんがいないと駄目なやつだってことくらい……ずっと一緒にいたんだもん…………分かるじゃないですかぁぁぁ…っ!!」
勇者「…………なにを…っ、知ったふうな口をぉ……!!」
勇者「私のことを想いやってくれてるっていうなら一緒にいてくださいよ!!そういう押し付けがましい親切心なんていらないんですよおっ!!」
勇者「私のためを思って?このままだと私が駄目になる?はあっ!?なんで分かんないんですかっ!もう私はとっくに○○さんなしじゃ駄目なんですよおっ!!!」
勇者「私がなんでずっと旅を続けてられたか分かりますか!?使命感よりも!義憤心よりも!ただただあなたと一緒にいたかったからですよ!!あなたがいたから旅が出来たんですっ!!」
勇者「それでも……これでも、まだ……っ、私から逃げようと…?……まだ私のためだとか、そんな偽善じみたことを宣うんですか……!?」
勇者「…………ああ…………ぁあああっ………そうですか…そうですかそうですかぁそうですかぁあぁぁあぁあ……!!!」
勇者「……だったら…………ふ……ぅひっ…………だったらもう……いいですよ……もう…………私のこと、嫌いになればいいじゃないですか……ご勝手に……!」
勇者「でもねえっ!!……どれだけ○○さんが、私を嫌っても…………私とずっと一緒にいてもらいますから……!……ひ、ひぃひひ………な、なにって………」
勇者「……………こうするんですよおぉおおぉぉおおお………!!…………うぁあ……ぁぁぁああぁあぁああ……がぁあああぁぁあぁぁあああ………ッ!!!」
勇者「は……ははは……!…………じゃあもう……いらないですよ……こ、こんなの…っ。…………へ……平和になったから……○○さんと、一緒に……居られないっていうなら……もう……。」
勇者「……平和になんて、ならなくていい…ッ!!…………ぅあああああぁあああああーーーッ!!」
───
─
勇者「…………あーあ……これはこれは、王さまぁ…。……ははっ、どうも……。」
勇者「……おっと…?そちらの、小脇に抱えてらっしゃるのは…………ああ……王妃さまの…。……くふ…………ご愁傷さまでしたぁ。……あっははは……!!」
勇者「…………そうですよぉ。他でもない、この私がやったこと…。…………いやぁ、平和ってやつがどうも……取り返したはいいものの、なんだかしっくり来なくてですねぇ…。」
勇者「つい……魔が差して…。…………あっははは……壊れちゃいましたねぇー、ずいぶん。これは、王都は丸ごと壊しちゃったかなぁ…?…………これでも加減したつもりだったんですけどねぇ…。」
勇者「…………なんとでも仰ってください…。別に私は否定しませんよぉ。……あなたが怪物と呼ぶなら、私は怪物なんでしょう。……魔王と呼ぶなら、私は魔王なんでしょう。お好きにどうぞ。」
勇者「しかし、魔王……かぁ…。…………ぅふふふっ……魔王、魔王ですってぇ、○○さぁん…!……これでまた、魔王討伐の始まりですねぇぇ……!!」
勇者「狩る側から狩られる側になってはしまいましたけど……くっふふ…………魔王討伐…………いいなぁ……。」
勇者「ん……いかがなさいましたか、王さま…?…………ああ、○○さんですか…。当然生きてますよぉ。……だって、私の味方ですからねぇ…。」
勇者「ふっ……ふふふっ……なにを仰っいますか王さまぁ…。あはは、嫌だなぁ。○○さんが私のこと見捨てるわけないじゃありませんか。」
勇者「これまでも……これからも、私と○○さんは一蓮托生の身…。私が死ぬときは、○○さんが死ぬとき……○○さんが死ぬときは……私が死ぬとき…。……ゆめゆめ、お忘れなきように……王さまぁ…?…………では……失礼…。」
勇者「……ふ…………ふふ……ふふふっ……!○○さん……○○さんっ、○○さぁんっ……!!い、言っちゃいましたよぉ……聞きましたぁ…!?私と○○さんは、一蓮托生の身……!……きひぃぃ…っ……!!」
勇者「……あーあぁ…………これで○○さんも、お尋ね者の仲間入り…♪頭の整理が追いつかないあいだに、魔王の側近になっちゃいましたねぇ……?」
勇者「でも……それも仕方のないこと…。私、○○さんがいないと……なぁんにも出来ませんから…。○○さんがいて初めて、私は魔王なんですよ…。」
勇者「……これでぇ…………どこにも行けなくなっちゃいましたねぇぇ……!!…………馬鹿な男……私を、拒絶しようとするから…。」
勇者「でも…………嬉しい……♪これでまた、一緒にいられる……!ずーっと一緒にいられる……!こ、今度は死ぬまで……絶対に離れられない……!………わぁぁぁ………やったぁぁ……っっ!!」
勇者「………………ああ…………そうだ……。せっかく魔王になったんですから……宣戦布告でもしてみますかぁ…?私と○○さんの……久しぶりの共同作業ですねぇ…。」
勇者「……息を、吸って……吐いて……。……………さぁぁぁ…………いきましょうねぇぇぇ……!!」
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元スレ
勇者(♀)「あはは、嫌だなぁ。○○さんが私のこと見捨てるわけないじゃありませんか。」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1567620045/
勇者(♀)「あはは、嫌だなぁ。○○さんが私のこと見捨てるわけないじゃありませんか。」
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- 鷺沢文香「へいらっしゃい」渋谷凛「待って」
今週
先週
先々週
コメント一覧 (7)
-
- 2019年09月05日 12:24
- ガッツとグリフィスやん
-
- 2019年09月05日 13:52
- 知るがよい‥‥ オディオの意味を‥‥
それは‥‥ 太古の昔より‥‥ はるかなる未来まで!
平和なる時も‥‥ 混乱の世にも!
あらゆる場所! あらゆる時代に!! 戦いの火ダネとなるものッ!!
それは人間が存在する限り 永遠に続く『感情』なのだ‥‥
その感情の名を‥‥ 『憎しみ』あるいは‥‥
『オディオ』というッ!!
-
- 2019年09月05日 16:03
- ※1
-
- 2019年09月05日 18:03
- 続編はよ
-
- 2019年09月05日 21:39
- ここまでされて逃げようとする理由言ってくれんと勇者がよほど不細工なのかと疑っちゃうねぇ
-
- 2019年09月05日 23:05
- 好き
-
- 2019年09月05日 23:30
- なんだこの女。可愛い
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