2.正体はエチオピアの異形人種の民族か？

ギリシャの地理学者ストラボンは、この奇妙な生き物をブレムミュアエ人と結びつけました。ブレムミュアエはエチオピアの頭のない異形の民族で、ナイル川と紅海の間に住んでいたとされています。

しかし、この民族はギリシャとローマの著書によるものだけであり、存在を裏付ける情報源はないようです。どうやら、当時の戦闘を正当化するために使われた口実かもしれません。

3.凶暴だったらしい

古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、ブレムミュアエを野蛮な民族と著書で主張しています。また、「この民族は略奪的で凶暴性があり、原始的で血に飢えた存在だった」とも述べました。

4.ある作家が生息地をアジアに変えた

1357年、フランス人作家ジョン・マンデヴィルは東方旅行記を出版し、奇妙な生き物について書いています。そして、ヘッドレス男の特徴によく似た生き物を、アフリカではなく、アジアの島に生息していると主張しました。

5.人食い集団だった

　

1595年、イギリス人探検家ウォルター・ローリーはギニアと南米北部を探検した際、頭部のない人種に遭遇したと主張しています。そして、「その人種は目は肩に、口は胸の真ん中にあり、長い髪の毛が肩の後ろから生えていた」と報告しました。さらに、人食い集団だったとも述べています。

6.シェイクスピアの2作品にも登場

この謎の生き物は、シェイクスピアの作品「オセロー」と「テンペスト」にも登場しています。

7.別の食人種とも混同されちゃう

　

アンスロポファジャイは敵の頭皮を胸に身にまとった民族で、この伝説の起源ともされました。ブレムミュアエとアンスロポファジャイを、歴史家ヘロドトスは同一とみなしています。

しかし、後に古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは2つを異なる人種としました。この謎の生き物は人によって表現が違うため、混乱を助長しています。

8.学者の見解

　

何年にも渡って、学者たちはこの伝説を解明しようとしてきました。そして、「頭がないように見せかける戦闘技術を、ブレムミュアエの戦士が使ったのではないか」と繰り返し仮説を立てています。

また、ペルシア人が侵攻した時、ブレムミュアエの戦士は片膝をついて、お辞儀するように頭を胸元に持っていく習慣がありました。この姿が見間違われ、この伝説が誕生したともいわれています。

9.植民地拡大を正当化する理由に使われた！？

正体が何であれ、この奇妙な生き物が、生息地域の征服と支配を正当化した可能性があります。また、この伝説のおかげで、ブレムミュアエ族が伝承されました。この生き物と遭遇したと主張する人は探検家ばかりです。どうやら、植民地プロジェクトの指揮を高めるために、”ヘッドレスマン”の伝説は利用されたのかもしれません。



一体何者なのか、不思議ですね。

都市伝説や異形民族といっても、なんだか愛嬌がある外見で人気が出そうな気もします。

via:Ranker