【人種差別】未来を救え！南アフリカの転機となった『パープル・レイン抗議活動』

2019年09月18日：21:00

紫に染まる、ケープタウン

白人と非白人…南アフリカは人種差別がとても激しく、特に黒人は大変な差別と戦ってきました。今回は、南アフリカ人種差別の転換期となった、パープル・レイン抗議活動を紹介します。

”パープルレイン”活動

1989年9月の議会選挙の数日前、ケープタウンで数千人の反アパルトヘイト活動家が行進しました。すると、警察は紫の染料を詰めた大砲を放ちます。目的は後で身元を確認して逮捕できるように、デモ参加者に印をつけることです。この抗議は、南アフリカの歴史の転換点となっています。

1.暴動当日

1989年9月2日、警察たちがデモ参加者たちにスプレーをかけ始めると、何人かは地面に跪いて抵抗しました。また、見物人や買い物客はひたすら隠れる場所を探します。店や企業はドアを閉めて、メイン通りのアダーリー・ストリートは閉鎖されました。

2.機動隊は様々な武器を用意していた

デモ隊の行進を阻止するために、機動隊は紫の染料を放つ大砲を使用します。しかし、自体は沈静化するばかりか逆効果でした。また、機動隊は棍棒やムチだけでなく、催眠ガスや犬も用意していたそうです。

3.紫に染まる、国民党本部

反アパルトヘイトの活動家男性は、大砲のノズルを掴み、デモ参加者を守りました。そして、ノズルを南アフリカ国民党の本部に向けます。当時、南アフリカ国民党はアパルトヘイト政策を推進しており、人種差別のシステムを本格的に進めていました。

4.デモの標的は国民党だった

70年代半ばまで、南アフリカは白人支配が続き、人種差別が最も長く続いた国でした。そして、国民党は南アフリカの有力政党で、人種別三院制議会を推し進めます。

人種別三院制議会とは人種をグループで分け、白人が政治的権力を握る制度です。インド系などのカラードは参政権のみを与えられ、黒人は政治から締め出されました。

5.数百人が逮捕された

紫の染料がついた人を機動隊は拘束の対象者とし、数百人を逮捕します。その中には、ジャーナリストや聖職者だけでなく、著名な学者や知識人もいました。

6.暴動後、市内には反アパルトヘイトの落書きが溢れた

暴動後、反アパルトヘイトの活動家たちは、市内のいたるところにスローガンを吹きかけました。郊外の鉄道駅には「リーダーたちを解放せよ！リーダーたちに自由を！アフリカ民族会議の禁止を撤廃せよ！紫の人々、進め！」と書いてあったそうです。

7.人権活動家は紫の服を着て、市内を行進

デズモンド・ムピロ・ツツは反アパルトヘイトや人権活動家で有名な神学者です。暴動の1週間後、デズモンド・ツツ氏は紫の服を着て、3万人とともにケープタウンを行進しました。しかし、警察は行進を妨害しなかったため、パープルレイン抗議活動が警察の最後の暴力行使になっています。

8.ネルソン・マンデラ氏が釈放された

パープルレイン抗議活動から4ヶ月後、反アパルトヘイトの革命家ネルソン・マンデラが釈放されます。ネルソン・マンデラは反アパルトヘイト運動に身を投じて、国家反逆罪で終身刑を受けていました。

釈放後、1994年にマンデラは南アフリカ大統領に選出され、初の黒人国家元首が誕生しています。

この抗議活動は、市民不服従の国際的シンボルになったそうです。

権力に屈しない勇敢な姿勢が、次世代を救ったんですね。

via:Ranker

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