アマチュア水中研究家の仮説

1975年（昭和50年）12月8日の読売新聞夕刊に「正体はバイキング船　ネッシーに確信込めた新説」という記事が掲載されている。

記事によると、イギリスに住んでいるアマチュア水中研究家の男性が「ネッシーの正体は約千年前に湖底に沈んだバイキング船である」という驚きの仮説を挙げているという。

つまり、水中研究家によるとこれまで目撃されてきたネッシーの正体は首長竜や恐竜の生き残り、巨大ウナギやフェイク写真ではなく、バイキング船が幽霊船となって現代に現れ、漂っている可能性があるのだという。

いかにも荒唐無稽な仮説ではあるが、この水中カメラマンの説明によると確かにバイキング船とネッシーは特徴として似ていると以下の点が指摘されている。

①脇腹のヒレに見える部分は船べりに付いているカジである
②バイキング船の舳先（ヘサキ）の造形は、爬虫類の首のように見える
③背中のコブは屋根ではないか

なお、千年に渡り原型を保っている理由としてはバイキング船は船体が鉄で覆われており、深い湖底の泥に包まれているために腐食を免れた、というのである。

湖底に沈んだはずのバイキング船が浮かび上がってくるとは別の意味でオカルトめいた話になってしまっているため、とりあえず、これ以上の発展はなかったようである。

オカルトブームの最中で……

このように、70年代のオカルトブームの最中には今の観点から考えたらあまりに可笑しい珍説やアッと驚くような仮説が多く立ち上げられ、そして消えているのである。
本稿でもこのような記事を発見次第、発表していきたいので楽しみにしていただきたい。

参考文献：読売新聞縮刷版、山梨日日新聞
文：穂積昭雪（昭和ロマンライター / 山口敏太郎タートルカンパニー / Atlas編集部）



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