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フロリダ州立大学の沿岸海洋研究所で30年間もサメを研究し続けている生物学者のディーン・グラブス博士にとって、ホホジロザメはすでに慣れすぎた存在となってしまった。彼が今夢中になっているのは、熱帯から温帯の深海で暮らす生物の頂点に君臨していると言えるカグラザメである。
この度、フロリダ州立大学、フロリダ自然史博物館、ケープ・エルーセラ研究所、オーシャンXの研究者による共同チームが、何度か失敗した末についにカグラザメにGPS追跡器を取り付けることに成功したらしい。
そしてこのほど、2019年6月にバハマで行われたミッションの動画記録が公開された。
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Massive Shark x Submarine FULL EDIT ("Sharks in the Deep")
潜航してカグラザメに追跡器を取り付けることに成功
カグラザメはまだ恐竜が地上を支配していた1億8500万年前から現代まで生き抜いてきた古代種で、200〜1000mの深海に生息する。
浅い海ではホホジロザメが王者かも知れないが、深海の王者はカグラザメだ。
「その深さならば、一番体が大きい頂点捕食者だ」とグラブス博士は説明する。通常は4.8mくらいまで成長するが、もっと大きくなることだってある。
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6月下旬に行われたミッションでは、グラブス博士が調査船から見守る中、同じくサメ学者のギャビン・ネイラー氏が潜水艇で潜航。追跡器を取り付けられそうなカグラザメを発見した。
ついに成功したのはミッション最終日の最後の潜水だったというのだから相当にラッキーだった。
じつはこれまでもグラブス博士は何匹ものカグラザメに追跡器を取り付けてきた。だが、それらは釣り糸で海面まで吊り上げてから取り付けるというやり方だ。
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現時点ではGPS追跡器からのシグナルをキャッチできず
深海に潜って取り付けるやり方は確かに費用がかかる。だが、カグラザメに与える負担はずっと小さくて済む。
グラブス博士の研究からは、漁船などによってたまたま吊り上げられてもカグラザメは必ず死んでしまうわけではなく、再び深海に潜って生きられることが判明している。
それでも釣り針、水の暖かさ、光、海面から引きずり出されること、すべてがサメにとっては大きなストレスだ。
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GPS追跡器は3ヶ月するとサメから外れるように設計されている。つまり予定通りに作動していれば、9月下旬ごろに海面に浮上して、人工衛星にシグナルを送信したはずなのだ。
現段階でそのようなシグナルはキャッチされていない。だが、海藻類に引っかかったり何らかの理由で発信するまで想定よりも時間がかかることはある。
はるか古代から海底で暮らす謎に包まれたカグラザメ
多くの深海生物と同じく、カグラザメもまたゆっくりと穏やかに行動する。その緩慢な動作は今回の映像でも確認できる。
グラブス博士によると、深海では食料が乏しいためにゆっくりとしか体を動かさないことでエネルギーを温存しているのだとか。
顎はおどろくほど柔軟で、ノコギリのような歯が並ぶ口をクジラのような大きな獲物に合わせて曲げて肉を切り取ることができる。
また昼の間は水温5度ほどの海水が冷たいところにいるが、夜になるとエサを求めて水温16度程度の浅い海へ浮上することが知られている。
今回のミッションでは、GPS追跡器を取り付けるためにこの習性が利用された。潜水艦で傾斜のある海底まで降りて、そこでカグラザメが上がってくるのをじっと待つのだ。
ついでに潜水艦から突き出したポールに魚を取り付けて、カグラザメの関心を引いた。
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タルワー氏は、
カグラザメについて謎が多いのは間違いないが、同じことがサメ全般に言える。もっとも一般的に見られるサメですら、効果的に管理できるだけの知識が我々にはない
と話す。
地球上には500種ものサメが存在する。だが、カグラザメほど謎に包まれているサメも稀だ。
それはティラノサウルスが地球を闊歩するずっと前から、海底で死んだ獲物を食べて生きてきたのだ。
References:YouTubeなど / written by hiroching / edited by usagi
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コメント
1. 匿名処理班
カグラザメちゃんすき
カグラザメ目特有のちっちゃい背鰭が後ろの方にポツンとあるのかわいい
2. 匿名処理班
あるときは空を飛び、あるときは環境破壊により封印から目覚めて大暴れし、
あるときは陸に上がって人間を咀嚼、またあるときは人間に憑依する。
荒唐無稽だって? 大丈夫。そう、サメ(映画)ならね。
3. 匿名処理班
ひえっ
グリンって目が上向く瞬間怖すぎて
でもすんごいね、こんなに目動くって知らなかったわ
人間並み
4. 匿名処理班
データを記録したGPS追跡機が3か月後に浮上…ロマンがあるなあ。ぜひ見つかって欲しい。