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ある発明によって世界の栄養不良問題は一気に解決へ向かうかもしれない。
それはパンに混ぜてもまったく気がつかないくらい小さな微量栄養素入りのカプセルだ。なにしろあのビル・ゲイツ氏が試食してみて、普通のパンと区別がつかなかったくらい小さいのだ。
このカプセルは、マイクロソフト会長のビル・ゲイツと妻メリンダによって2000年創設された世界最大の慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」が資金援助をしている。
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世界の3人に1人が隠れ飢餓に陥っている
実は、世界人口の3分の1の人々が微量栄養素が不足しているとされる。
微量栄養素の不足は認知障害や夜盲症といった健康問題を引き起こすが、困ったことにそうした人は必ずしも飢餓状態にあるようには見えない。そのため「隠れ飢餓」と呼ばれており、その解決へ向けた対策も滞りがちだ。
先進国ならばサプリメントなどで手軽に栄養を補うこともできるだろうが、途上国だとそう簡単にはいかない。
政府や支援団体などは栄養補助食品やサプリメントを提供しているが、思ったほど効果を上げられないのが現状だ。
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従来の栄養補助食品やサプリメントの問題点
なぜ従来の方法では効果があげられないのか?
カプセル開発に携わった米マサチューセッツ工科大学のアナ・ヤクレネッツ(Ana Jaklenec)氏によると、この問題を複雑にしているのは、技術的な解決策だけでは対応できないことだという。
たとえば栄養不良が深刻な地域では、微量栄養素を含む食品を時間をかけて煮込むことが多い。しかし、こうした調理をするとせっかくの栄養が壊れてしまう。また保存の仕方がまずい場合でも栄養は台無しになる。
物流の問題もある。研究所で作られた栄養強化食品やサプリメントが家庭の食卓に届けられ、人々の口に入るころには、肝心の栄養がダメになっているなどということはざらにあるのだ。
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マイクロカプセルのシールドで栄養を守る
そこでビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を受けて開発されたのが、『Science Translational Medicine』(11月13日付)で発表された微粒子カプセルだ。これに封じ込められた微量栄養素は壊れることなくきちんと守られて、世界中の人々の口に入るまでしっかり保存される。
その開発は試行錯誤の連続だったという。およそ50種のポリマーを試し、ようやく最終的にBMCポリマーに落ち着いた。
ここに鉄分、ヨウ素、亜鉛、B12といった11種の微量栄養素を封じ込める。完成したBMCマイクロカプセルは、髪の毛の直径よりわずかに大きい程度だ。
さまざまな検査を行った結果、BMCマイクロカプセルは熱、光、湿気、酸化といった普通なら栄養を劣化させてしまう要因からきちんと中身を守ってくれることが確認された。
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普通のパンに混ぜても区別できない美味しさ
ついでに味の検査も行われている。BMCマイクロカプセルを混ぜたパンをビル・ゲイツ氏に試食してもらったところ、普通のパンと区別がつかなかったそうだ。
意外と見落とされがちだが、栄養が補われた食品を美味しく食べられることはとても大切なことだ。どんなに栄養豊富であっても、そもそも食べてもらえなければ何の意味もない。
栄養を補うためだからと、我慢して無理やり食べなくていいのも大きなポイントだ。
世界の栄養不良問題の解決へ向けて革命を
マイクロカプセルが完成したからといって、それだけで問題が解決するわけではない。今度はそれを実際に栄養不足に陥っている人たちに届けなければならないからだ。そのためには地域の政府や作り手からの協力が必要不可欠だ。
現在、ヤクレネッツ氏らのグループはその生産を請け負う企業と提携し、スケールアップを進めている最中だとのこと。
今の段階では微量栄養素入りのマイクロカプセルから利益を上げることはできないかもしれないが、長期的には多大な経済効果を生み出すと彼女は考えている。
「20億人、あるいはその10パーセントであっても栄養不良が解消されれば、健康だけでなく、経済や教育の分野などにさまざまな好ましい影響を与え、間接的に大企業のメリットにもつながることでしょう」とヤクレネッツ氏は話す。
実際にマイクロカプセルを人々の口まで届ける方法など、まだまだ解決すべきことは多いが、いつの日かこの小さなカプセルが数十億人の人々の暮らしを変えるかもしれない。
References:sciencemag / inverse/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
食事だけじゃなく栄養を届けるという発想が天才のそれ
2. 匿名処理班
お金持ちがこういう事に資金提供してくれるって、ありがたいね。
日本に税金を納めていないソフ○○ンクGは、見習ってほしい。
3. 匿名処理班
日本における肝油ドロップみたいなものか
4. 匿名処理班
ある一種類の食事を摂るだけですべてまかなえる日が来るのかな?
5. 匿名処理班
しかし、助けることは人類にとって良いことなのだろうか
2050年にはアフリカ(サブサハラアフリカ)の人口が今の2倍になる
2100年には今の4倍になるとのこと(約38億人と世界の人口の3割強)
地球の限界が来てそうだ
6. 匿名処理班
「バカにするんじゃないよ、こんなもん食えるか!」って言えた人が勝ち。
7.
8.
9. 匿名処理班
パンに混ぜるってことはパンを焼く時にカプセルも高温に晒されるってことだよね?
大丈夫なの?
それと高温に晒されて大丈夫なカプセルの場合、それって消化吸収できるものなの?
10. 匿名処理班
衣食足りて礼節を知る。情けは人のためならず。
このサジ加減がうまくいってないんだろうな
貧困飢餓救済の問題は。
11.
12. 匿名処理班
※5
食料問題は穀物飼料さえ廃止すれば即座に解決できますよ
アメリカの牛に食べさせるほうがアフリカの貧しい人に売るより利益が出るって事です
食糧問題は総供給量の問題ではなく、単純に貧困や経済格差の問題です
13. 匿名処理班
これはいい試みだと思うね。飢えの対処だけでなく健康に繋がるし
必須元素の中には地域や作柄で摂取するのが困難になるものも結構あるしね
14. 匿名処理班
※5
助けた後どうするかって言うビジョンが無いとね……
人助けと見せかけて、開発資金と実績が手に入る開発者以外誰も特をしないような事態にはなってほしくない
15.
16. 匿名処理班
※5 ずい分前から進めている人達がいるけど、
同時に望まない妊娠を避ける方法もより広めないとね。
それと子供をたくさん産むこと=良い事
というその国のプロパガンダも変えていかないと。
100万円もする時計を買う人達や、
「こういう方たちには死んで頂いて・・・」と
発言するような政治家は間違ってると思う。
17. 匿名処理班
何も出来ない人間生かすんじゃなくて、農業工業を強制するくらいじゃないともう無理だよ
募金で海外に金が消えるくらいなら、横領されて国内で使われたほうがマシ
18. 匿名処理班
※5
施されるのが当たり前という感覚になると、いざ独り立ちしてくださいっていうと施されるという特権が奪われたと感じて猛烈な憎しみや攻撃してくるから助けるだけじゃなんの意味もないんだよね。
その次どうしていくかもしていかないと
19. 匿名処理班
※5
で、あなたは何をしてるの?だから人を見捨てて助けるなとでも?人類の未来を考えるのはけっこうだけどあなたはあと何億年ぐらい生きる予定なのかな
いろいろいうのは簡単だけど、そういう人はたいていここまでこぎつけたことについてはノーコメントで壮大なことばっかいろいろ言うよねー
リスクを恐れて最悪のケースだけあげて無駄にダメ出し。代替案も出さずにえばってるうちの上司を思い出したよ。あ、あなたが本人とは言ってないのであしからず。
私は彼らがここまで開発すすめただけでもすごいと思う。先のことはその都度、という考えがなきゃ何もしないのと同じだもん
20. 匿名処理班
>>17
何も出来ないのはむしろ所謂先進国の子供で、こういった国の子供たちは日本じゃ小学校に上がるくらいの年齢になると家事や水汲み、家畜の世話や農作業で働かされてるよ。
21. 匿名処理班
実際、マルチビタミンを毎日飲んでるだけで風邪とか全然引かないよ
22. 匿名処理班
そのカプセルに価値が出たら実際に必要な人の手には届かなくなる
無価値、大量にある、いつでも手に入るが重要
23.
24. 匿名処理班
家父長制の強い地域の難民キャンプだと普通の食品は父親が最初に食べて妻子供は残り物なんて場合があるからユニセフのCMに出てくる見た目不味そうな補助栄養食にも一定の利用価値がある。
25. 匿名処理班
※19
で、あなたは何をしてるの?
逆張りの意見を述べて悦に入っているようにしか見えないよ。
26. 匿名処理班
>>19
5の人じゃないけど、自分もこれ以上貧困国を助けるべきでないと思う。案を出すべきは5の人ではなく、貧困を救済する側なのでは。例えそこだけ切り取ればいい事に見えるかもしれないが、それが後先どう転んでどう人類全体、自分たちに帰ってくるか分からない。果たして遠い国の貧困者を助けることが自分たちの未来にプラスとなるのだろうか。そのツケを払うのは下の世代。
27.