俺「俺ももう大学生か…そろそろ女作りてぇなぁ」
俺「まあその為にはサークル入んないといけないんだよなぁ」
友「おーい俺!」
俺「ん?ああ、友か。そういやお前どこのサークル入るんだよ」
友「俺は高校時代と同じサッカーだなー。お前はどこ入るの?」
俺「俺はまだ決めてねぇ。ただ、流石に運動系のには入ろうと思ってるよ」
友「ってか、お前俺と高校の時同じ部活だったろ。決まってないなら俺と同じでいいっしょ」
俺「ま、決まらなかったらそうなるな。そん時はまた一緒だしよろしく頼むよ」
友「おう。…ん?おぉ、おい!あの人見てみろよ!」
美少女友「いや、ぜってぇーそーでしょw」
俺「あ?何が……あぁ、うちの学部のかわいこちゃんか」
友「そうそれ。隣に金魚のフンのブスがくっついてるけどマジで可愛いよなぁ。絶対ヤリマンだわあれ」
俺「なんでヤリマンなんだよ…お前は可愛い子は全員ヤリマンだと思ってんのか」
友「どーせ女なんて顔が良けりゃヤってるだろ。あの子も見た目は清楚だけど中身はとんでもないビッチよビッチ」
俺「はぁ…」
友「俺~飯食いに行こうぜ~」
俺「おう」
友「にしてもあの教授だりぃよなぁ。全部英語ってのもめんどいけど何よりあの態度が気に食わねー。そもそもさぁ…」ペチャクチャ
俺(こいつのグチは聞き流すのが吉なんだよな…ん?)
美少女「」テクテク
俺(あの子…確か美少女ちゃんだっけ)
俺(…マジで可愛いな)
友「んでさぁ…って、え?どした」
俺「なんで俺ら高校時代彼女作らなかったんだろうな」
友「…今言っても栓無き事だろ。俺らは部活に青春を傾けちまった訳でさ」
俺「まぁ、そうなんだけどさ…」
友「…」
俺「…」
友「…虚しいな」
俺「な。…さっさと飯食うか」
友「おう…」
友「じゃな」
俺「おう、じゃな」
俺「ふぅ…」スマホポチポチ
俺(…そういえばサークル、決めてなかったな…)
俺「…ま、サッカーサークルで良いか」ボソッ
???「! あの…」
俺「ん?何か……えっ」
俺「え、あ、うん、そうだけど(ちょ、ちょっと待って、なんであの美少女ちゃんがここに…!?)」
美少女「あ、そうだったんですね!良かったぁ…全然違う人に話しかけちゃったかと…あの、ね。私もサッカーサークル入ろうと思ってたんです。だから新入生で一緒の人とはなるべくはやく話したくって…」
俺「あ、あぁ…なるほど…そうなんだ(いや、同じサークル入るにしても事前に話し掛ける奴いるのか…?)」
美少女「えと、その、なんていうか…よ、よろしくお願いしますね!明日から体験だし、一緒に会えますよね?」
俺「え…うん。よろしく」
俺「ら、LINE? ん、まぁ…別に良いけど」フルフル
美少女「ありがとう…! あ、名前俺くんって言うんですね!私…」フルフル
俺「美少女ちゃんだよね?同学年なんだしさ、敬語要らないでしょ」
美少女「あ、はい。そうです…そうだね。あははは…」
俺(…なんか、こう、想像と違うな。もっと落ち着いた子だと思ってたけど)
俺「帰り、◯◯方面なの?」
美少女「うん、そうだよ。俺くんも?」
美少女「え、家近いんだね!羨ましいなぁ」
俺「まぁこれは俺の唯一の自慢出来るとこみたいなもんだしな(…なんか普通に話せてるぞ。おい友、これ俺のモテ期来たかもしんない)」
美少女「そっかぁ…私、7駅乗って更に乗り換えだからなぁ。本当羨ましい…」
俺「はは、ご愁傷様」
美少女「もー…あ、駅着いたね!」
俺「ん、おぉ、そだな。…と、そういや美少女ちゃんは何処出身?ここ地元?」
美少女「私は神奈川出身だよ。一個だけ国立受けたんだけど落ちちゃってさ…」
俺「あぁ…ドンマイ。俺も高校受験は進学校受けて落ちたなぁ」
俺「実際高校は部活中毒だったからな…勉強とか高3になってから真面目にやり始めたよ」
美少女「へぇー…やっぱり、サッカー部?」
俺「うん」
美少女「上手かった?」
俺「助走つけながら無回転シュート(※普通のシュートには回転が掛かる)うてるくらいには」
美少女「無回転!? すご…それだと、FWやってたんだ」
俺「まぁな。つってもCF(※主要攻撃者)に起用された事はあんまなくて、SWG(※攻撃もするがアシストなどする者)ばっかしだったよ」
美少女「十分だよ!すっごいなぁ…あ、電車。乗ろ!」
俺「おぉ。…美少女ちゃんってさ」
俺「いや、もっと大人しそうな子だと思ってたからさ。ついでに言うと、話しかけられるとは思わなかった」
美少女「あぁ…まぁ、大人しそうとはよく言われるなぁ…話しかけるのに関してはなんというか、初日がぼっちじゃ嫌だったからさ…」
俺「知り合いを作っておきたかったって寸法か。気持ちはよーく分かるよ」
美少女「えへへ…でも、勇気出して話しかけて良かったな」
俺「え、どうして?」
美少女「どうしてって…ぼっちの事もそうだけど、俺くん面白いから。一緒にいて楽しいんだもん」
俺(……あれ?この子、もしかして…)
俺「…おぉ、そっか。ありがとうな」ニコッ
美少女「! う、うん…」
俺「…っと、そろそろ降りなきゃな。じゃあな、また明日」
美少女「うん!またね!」フリフリ
俺(……ああ、確信した)
俺(あれはビッチだ。明らかに初対面の男に素人が出来る態度ではない。だいぶ慣れてやがる)
俺(最後の最後で気付けて良かったが、あれはだいぶ騙されるだろうな…)
俺(俺はビッチは嫌いだ。生理的に無理。わりぃが、もう自主的に関わる事はねぇな)
友「おっす」
俺「すっお」
友「なんだそれ…てか、サークル決めたか?今日から体験だぞ」
俺「ああ、決めたよ。お前と一緒にする」
友「ほー!そりゃ良かった!いやー俺もさ、同じ高校のやつが居ると心理的に楽だわ」
俺「感謝したまえよ」
友「ありがとうございます俺さん一生ついて行きまッス!」
俺「とまあコントはこんなもんにして、サッカーサークルどれだろうか」
友「部の方と2つあるからなー、間違えない様にしないと」
俺「あ、はい。…えと、もしかして」
先輩「おーじゃあうちだから来て!いやぁ、さっそく新入生確保だぜい!」タハハ
友「ゆ、愉快そうな先輩だな」ボソボソ
俺「かなりハイテンションだな」ボソボソ
先輩「おーい連れてきたよー!」
陽キャ「お、マジか!よろしく新入生クン!」
キョロ充「へへ、よろしくな…w」
俺&友「よろしくお願いします!」
陽キャ「ハハ、そんなかしこまんなくていいよ。部活じゃなくてサークルなんだからさ」
キョロ充「そうそう、肩の力抜けよw」
俺「あ、はい…」
友「さーせん…」
キョロ充「全然抜いてなくてワロタw」
陽キャ「…あの子は本当にわちゃわちゃしてるなぁ。ま、課せられた仕事をするとしますか。新入生クンたち、サッカー経験は?」
俺「あります」
友「自分もッス」
陽キャ「じゃあ問題ないかな。キョロ充、来てくれ。暇だし2-2でミニゲームでもしよう」
キョロ充「…w」
数分後
陽キャ「け、結構上手いんだね、二人とも」ハァハァ
キョロ充「オェ、ッッエ!!…w」ゼェゼェ
友「一応サッカー強豪校に居たんでこんなもんスよ」
陽キャ「生意気な発言だけどそれだけの実力はあるね…友くんはドリブル突破が上手いし、キョロ充相手にヒールリフトもかましてたもんな。凄いよ、本当に。尊敬する」パチパチ
友「そ、そこまで褒める様な事じゃないと思うんスけど」
俺(地味にこいつサッカーは天才だからな…)
陽キャ「俺くんも凄かったよ。あと、無回転シュート打てるんだっけ?今できちゃったりする?」
俺「あ、はい。…行きます、よっと!」
ヒュルルルルルル
バスッ
キョロ充「……ッ!w」
友「正直これが一番やばいと思うんだけどなぁ…」
美少女「…すご」
美少女友「やばー」
ガヤガヤ
俺「うお、結構見てたのか…って、あ」
美少女「あ、俺くん!見てたよ!本当凄いね!あれどうやって打ってるの?」タタタッ
友「えっ」
陽キャ「……!」
美少女「凄いよー本当!軌道が凄かった!凄い!凄いとしかいえない!」
俺「まぁ、練習すれば誰でもできるよあれは(語彙力ねぇのかこいつ)」
美少女「ねぇ、あれでCF任せられてなかったってどれだけレベル高かったの?私の高校じゃナンバーワンだよ!ねぇねぇ…」
俺「あぁそうなのな。俺もそっちの学校行ってりゃ良かったかもしれないな。あー、おい友、どうだった?(ビッチと話したくねぇってば。すまんが友、緊急避難先に使わせてもらうぜ)」
美少女「あ…」
友「」
俺「…おい、どうした」
友「……え、いや…え?」
俺「いや、何呆けて……って、あ(そういえばあのビッチ、一応まだビッチって露見してないからまだ『可愛い子』なのか)」
俺「あー、後で来い」
友「あっはい」
俺「お前と昨日別れた後、ちょっと話せたんだよ。それでああなった」
友「ちょっと話した仲じゃねえだろお前!…ああああ!そうか!お前俺の事騙してたんだな!?もうあの子でチェリーをグラヂュエイトしちゃったんだな!?」
俺「ばっか、してねえよ!誰があんなのと…」
友「は?『あんなの』?お前ブス専か?あれが可愛く見えないっての?引くわー」
俺「いや、そういう事じゃなくて…あー、何というか…(まさかビッチとか言う訳にもいかんしな…)」
友「…よく分かんねーけど、今一番脈ありそうなお前がそう言うなら俺狙っちゃって良いか?」
俺「好きにすりゃ良いんじゃね?競争率は顔的に高そうだけどな(顔は良いんだよな。それは事実)」
友「やりぃ!お前ぜってぇ邪魔すんなよ!男に二言は!?」
俺「ねーよ」
友「よし!気分いいから門前の近くの店の焼き鳥一本(80円)奢ってやる」
俺「一本かよ!いや嬉しいけどさ!」
俺「じゃな」ハムハム
友「おーう」
俺(しかしあそこの焼き鳥ほんとうまいな…飽きるまでどれほどかかるやら)ハムハム ゴックン
???「あ、俺くん!」
俺「…この声は(…なんで出てくるかな)」
美少女「やっほ!本当、あのシュートやばいね!カッコ良かったよ!」
俺「おお、ありがとう美少女ちゃん(クソビッチ)」
美少女「…ね、今日も一緒に帰ろ?」
俺「…良いけど」
美少女「やたっ!ねぇねぇ、俺くんの教室は今日何やったの?」
俺「ああ、俺のは先取りで経済トラップの…」
…
………
……………
俺「どうした、急に(うわ、品定めか?俺よりかっこいい人陽キャ先輩とかいるんだからそっち行けよキモいなあ)」
美少女「うんにゃ、なんとなく」
俺「中学の時、一回それっぽいのは」
美少女「…そう、なんだ。高校は居なかった?」
俺「うん」
美少女「…そっか!うん、ありがとう!ちなみに私は中高一回も無いです!」
俺「え、そんな可愛いのに?(嘘つけ。こんな積極的な奴が貫通されてない訳ないだろ。こういうバレバレの嘘つくところもマイナスだわな)」
美少女「ほんとほんと!お父さんがダメって言っててね…大学生になったら流石に許可くれたんだけどさ」
俺「へぇー、厳しいのな(それが事実だったら最高級品でしかないんだよな。だからこそ嘘として成り立つんだろうが)」
美少女「……あはは、話変えよっか。ねね、明日からのさ…」
……………
………
…
ピッピピー!
先輩「はい練習終了!5分休憩したらミニゲームやろー」
ワー! ワー!
俺「…なんか、こう、本当楽だなサークルって」
友「な。部活の方も見てみたけどあっちはあっちでウ○コだし、最初陽キャ先輩とかとミニゲームした時に弱いなって思ってたけど、あれ多分俺らの未来の姿だわ」
俺「ああ。ぬるま湯に浸かってしまってる気がする…」
美少女「2人とも、お疲れ様ー!軽めのお菓子どうぞ」
美少女友「おっつー。うちは水筒持ってきたよ」
俺「ん、ああ2人とも、ありがとな」
友「ありがとうだぜー美少女ちゃーん」
美少女友「ちょい待てや!あたしは?」
友「うるせぇイベリコ!お前にかける労いの言葉なぞ皆無だわ!」
美少女友「こんにゃろォ!ぶっ殺すぞ!」ダダダッ
友「おせぇよ雑魚!」ダダダッ
美少女「んー…私も、異性にちょっとああいう言葉言う人は苦手かなー」
俺(ビッチに玉砕しててワロタ)
陽キャ「あ、美少女ちゃん!ボクにもベビーターン頂戴よ!」
美少女「え、あ、はい!どうぞ、先輩!」
陽キャ「サンキュー。…そういえば気になってたんだけど、2人ってわりかし仲良くないかな?同じ学校だったりとか…?」
俺「別にそういうのじゃないですね。サークル入る前に、ちょっと話したのが始まりです」
美少女「そんな感じです!初めて話したので、今では結構話す仲になってます!」
陽キャ「…ふぅん。そう。……俺くんさぁ、自主練あとで付き合える?」
俺「自主練?別に良いですけど、どれくらい掛かりますか?」
陽キャ「あー大丈夫、サークルの時間内でやるから別メニューで20分くらいだよ。テニサー今日は休みだし、テニスコート側の空き場使おうか」
俺「はぁ…。あ、じゃ」
美少女「あ、うん!また後でね」フリフリ
陽キャ「………」
ギリッ
俺「それで、何やるんですか?さっきのトリカゴの練習とか?」
陽キャ「いや、実はちょっと話がしたくてさ」
俺「…話、ですか?」
陽キャ「うん。…キミさ、美少女ちゃんの彼氏じゃないよね?」
俺「は!?いや、そんな訳ないじゃないですか!(なんであれと付き合わねばならんのだ)」
陽キャ「あぁ良かった、第一マイルストーンはクリアだ。次に、キミは彼女の事が好き?」
俺「いいえ」
陽キャ「な、なかなか返答が早いね。…でも、そうか、なら言えるね。あのさ、キミって多分彼女に好かれてるんだと思うんだ」
俺「……はぁ(いや、ビッチだから結構な人に話しかけてるし別にそういう意味でもないと思うが)」
俺「…なるほど。つまり、突き放せと?」
陽キャ「いやいやそこまでは言わないよ!?ただ、キミが彼女を本当に好きじゃないのなら…出来れば、告白とかされても受けないでくれると嬉しいんだよね」
俺「えっと、じゃあ、はい。分かりました」
陽キャ「…キミって変だよね。あんな可愛い子に好かれて何にも思わないなんて、おかしいよ。友くんと話した時にキミがブス専って聞いたけど、もしやホントなのか?」
俺「んな訳ないじゃないですか!あいつ…」
キョロ充「おいおまいらw そろそろこっちの時間も終わるから早く戻ってきてくれw」
陽キャ「あ、ありがとうキョロ充。…じゃ、行こうか。頼んだよ?」
俺「うっす」
友「何やってたん?」
俺「空中戦の練習」
陽キャ「だね」
友「はぁ…」
帰路
友「そういえばそろそろ体育祭だな」
俺「早いよな、なんでこんな早いんだろうか」
友「パパッと新入生みんなが仲良くなるにはこれくらい早いのが合理的だから、とか?」
俺「一理あるな」
友「じゃあこの辺で」
俺「おう」
俺「……」チラッ
美少女「」スマホポチポチ
俺(やっぱ正門に居るか。そろそろ面倒っちいし、たまには裏門から帰ってみるか)クルッ
俺(頼むからそろそろ誰か別のやつ見つけてくれ。怠いんだよ)テクテク
美少女「……」チラ
俺「おっは」
友「はっお」
俺「…いつだかの俺の真似じゃねえか」
友「ハマったわ」
ガラッ
美少女「…俺くん居ますか?」
友「!? お、おい美少女ちゃんじゃん…呼ばれてんぞ」ボソ
俺「…! あ、ああ」
俺「…どうしたんだよ?」
美少女「……」
俺「……なぁ、黙ってちゃ「俺くんさ」
美少女「昨日、裏門から帰ったでしょ?」
美少女「ねぇ。なんで?」
俺「…いや、なんとなくその気分で」
美少女「私たち、あの日からずっと一緒に帰ってるよね。LINEも交換してるんだし、せめて一報入れるのが普通じゃないかな」
俺「…そ、そうだな。ごめん」
美少女「………」
俺「……」
美少女「……」
美少女「…」
美少女「」
美少女「…うん、いいよ!でも、これからはちゃんと言うんだよ?裏門から帰りたかったら、私も着いていくからさ!」ニコッ
俺「………っ(…こいつ、ただのビッチじゃないのか…?)」
美少女「言いたい事はそれだけだったから!じゃね!」タタタッ
俺「…」
俺(…陽キャ先輩、頼むからさっさと告白してくれ…なんかこえぇよ…)
俺「…おはよ」ゲッソリ
友「お、おい…お前最近大丈夫か?」
俺「…ああ……」
俺(あの女、やはり何かおかしかった)
俺(最近やけに俺を遊びに誘ってくるし、何かするたびに俺を同伴させようとしてくる。更にいえば、一度だけ俺の家まで着いてきやがった事すらあった。
完全におかしい。だからといってセ○クスを強制する訳でもなかったし、何が目的なのか一切わからない。…正直言って、恐怖している)
友「…つーかよー。やっぱお前あの子の事好きなんじゃねえのか?他の奴がお前と美少女ちゃんが歩いてるのよく見るって言ってたぞ」
俺「…好きじゃない。…ほんとに、好きじゃないんだよ…」
友「どーだか。まぁ、ぶっちゃけ俺はなんか言ってもあんま相手にされないし、お前と一緒にいる時くらいしか積極的に話されないしな。美少女ちゃん、お前の事好きだわあれ。良かったな」
俺「良くねぇよ…(ふざけんなクソビッチ…なんだ?俺がお前に靡かないのが悔しいのか?だから嫌がらせでもしてるのかよ?クソ女が…ふざけんなよ。ふざけんな)」
俺「…俺は屈しねえぞ」ボソッ
友「ん?なんか言ったか?」
俺「…いや」
俺(人に嫌がらせしてそんなに楽しいのか、テメェは…!)
先輩「シューーーーット!!! さっすが俺だよ、実戦でも無回転シュート打てるんだもんね!凄いよホントー!」
俺「はは、ども」
美少女友「あれどんだけ練習したら打てるの…」
俺「まあジュニアユースとか入ってれば打てるんじゃないかな」
友「お前はなんで俺の活躍の場を盗るん?」
俺「すまんな」
キョロ充「…w」グッb
俺「」グッb
美少女「ナイス!さいっこうだよっ!おめでとう!」ハイタッチ
俺「…あ、あぁ」ハイタッチ
陽キャ「…ねぇ」
俺「…はい」
陽キャ「ちょっと来てくれないか?」
俺「えぇ…」
陽キャ「みんなは練習やっててくれ!」
陽キャ「どういう事さ」
俺「そんなの俺が聞きたいです。先輩ちゃんと彼女を連れ回したりしてますか?帰路と休日だけとは言え完全に彼女に支配されてます。いい加減うんざりです」
陽キャ「ボクだって出来る限りアプローチはしてるさ。…でも、現実はこれだ。そろそろお互いの事を知ってきた感も新入生との間に出てきたし、告白はしてみるが…」
俺「…先輩。告白なんて、まどろっこしいと思いませんか」
陽キャ「……っ、いや、でも、それは…」
俺「先輩は、好きな子が誰かに、それも肉体的にかっさらわれても良いんですか…?」
陽キャ「……」ギリッ
俺「先輩…やるんですよ」
陽キャ「……強引に、か?」
俺「そうです…大丈夫、所詮は女。ラブホに連れ込めばもう何もできませんよ…」
陽キャ「けど…」
陽キャ「や、辞める!?そんな…いや、ダメだろ!?」
俺「ならお願いですから、先輩が勇気を出してください…俺が言うまでもないですが、先輩ってかなりカッコいいです。性格も少々キザったいですが、基本的にはバリくそいい人だと思ってます。
従って、先輩に迫られればだいたいの女は落ちます…だから、やるだけやってみて下さい」
陽キャ「………!!!」
陽キャ「……ッッッ!!!!!」グググ
陽キャ「ッッッッッ───!!!」グググググググッ
スッ
フゥーーー
陽キャ「…良いだろう、覚悟は決めた。殆ど犯罪行為だが、あの子の可愛さにはそれを為すだけの価値がある。…やるよ、ボクは」キッ
俺「流石です、先輩。頑張ってください。簡単な援護はさせて頂きます」
陽キャ「感謝するよ。本決行は明日の土曜日午前だ。キミもなるたけ明日に予定がある事を彼女に強調しておいてくれ。普段は休日も拘束されているんだろ?」
俺「了解です。…成功を、祈ります」
陽キャ「この場合は性交を祈ります、って感じだけどね」フフ
美少女「あ、俺くん!待ってたよ!」
俺「…あぁ。あ、そうだ、美少女ちゃん、明日なんだけどさ」
美少女「え、俺くんが休日の話自分からするって珍しいね?…も、もしかして、また家に連れてってくれるのかな?」
俺「あ、いや、そうじゃなくて…その、明日法事があるんだ、だからさ…(まずお前は俺の家に強引について来ただけだろ。わざと緊張してるフリまでしててマジで気持ち悪い。素人だからひっかかるとでも思ったか?それ以前に不快だったんだよ…!)」
美少女「法事…そっか。うん、それなら仕方ないね」
俺「悪いな。そういう事だから、明日は陽キャ先輩とか空いてるだろうし遊んでくれば?あれくらいかっこいい人と都内闊歩できたら楽しいだろ」
美少女「え……よ、陽キャ先輩と? …そうだね、確かにかっこいいと思うよ、でも…」
俺「やっぱりかっこいいよな陽キャ先輩!じゃあ今明日遊べるかってLINEで聞いてみるよ!」
美少女「え、いや、あの」
ピロン
陽キャ『いいよ🤗全然良いよ👍明日はすごく暇だったんだ🙂
遊んでくれるなら是非一緒に遊びたいな😆』
俺「だってさ、遊べよ先輩と。な?(はっや…10秒経ったかこれ)」
美少女「………」
俺「……お、おい、どうした?」
美少女「……だ」
俺「は?」
美少女「やだって言ってるの!」ウルウル
俺「え…いや、でも、先輩には既に了解貰ったし…」
美少女「…俺くんは、私の事どう思ってるの」
俺「いや今それ関係無「いいから教えてよ!」
俺(……いや、どうしろと…援護作戦が狂ったし、まさかこんな風になるとは…というか…)
ワイワイガヤガヤ
オイアレナンダヨ
コイビトドウシノケンカカナ
俺「…ここは人が多過ぎる、とにかく落ち着いた場所で話そうぜ、な?(本当に…こいつは…俺に害しか与えない…!!)」
美少女「……分かった」グスッ
俺「それで…どう思ってるか、だっけか?」
美少女「……うん」
俺「…今は、友達だと思ってる(嘘はついていない。明日関係が崩壊しようとも、現状これが客観的な事実だ)」
美少女「今、は?」
俺「! そ、そうだけど…」
美少女「……そっか。うん、そういう事か。…待つよ、私。俺くんは、きっとまだ心の準備が出来てないだけなんだよね。そうだよ、今までだってそうだったんだから」
俺「…分かってくれればいいんだよ。じゃあ…」ガタッ
美少女「待って」
俺「何?(まだ何かあるってのかよ! うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ死ね死ね死ね死ね死ね)」
美少女「…私は、いつでも大丈夫だから。ね?」ニコッ
俺「…ああ(知らねーよ、カス)」
俺(結局あの後、先輩と遊ぶ事については了承してくれた。作戦過程に大きな変化は生じないようで、だいぶ安心出来た。…問題は、先輩だ)
俺(やはり自分以外を信じるなんて難しく、心配はしてしまうもの…が)
ピロン
陽キャ『👍👍👍作戦性交😏😏😏』
俺(心配は杞憂だったようだ)ニヤ
俺(あまりに愉快で、ついつい美少女へのLINEを送る為文字を打ってしまう)
ピコッ
俺『美少女ちゃん、どうだった?楽しかった?😂』
…
俺(いつもなら爆速で来るはずの返信が、来ない。その事実が嬉しくて、愉快で、変な感じで…)
俺「……っふ、くくっ、っひぃ…ぃひひひひ、ひひひひ、ひゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!」
俺(爆笑してしまった)
俺「おっはー!」
友「おう、なんか元気だなお前…」
俺「ま、ちぃと色々あってね」
友「ちぃとと色々って矛盾してねぇか。っと、そういや今日講堂に集まるらしいぜ?」
俺「講堂に?…何でだよ」
友「さぁ?なんでも、うちの大学の生徒が1人死んで、そいつを殺した1人が行方不明とか」
俺「えぇ…こわ…」
友「な。怖すぎておしっこちびりそう」
俺「にしても誰が死んだんだ?」
友「さぁ?まだ公開されてねぇし、講堂で分かるんじゃねえの」
俺「ふーん」
ワイワイガヤガヤ
教授「あー、静粛に!これから学長のお話です。しっかり傾注する様に」
学長「…おほん。皆さん、こんにちは。尋常ならお日柄もよく~、などと言うところですが、今回は事が事ですので、そういうものは割愛させて頂きます」
学長「さて、今日皆さんに集まってもらった理由はですね、本学における2人の学生の状況についての周知を行う為です。
まず1人、陽キャという学生ですが、彼が行方不明なんですね。どこへ行ったかも分からず、警察も手を尽くしていますが、はっきりとした状況証拠が見つかっていないのが現状です」
俺「…は?よ、陽キャ先輩が…」
友「行方不明……?」
学長「次に、2人目の学生、美少女という名前でした。
彼女は繁華街の下にある下水道に、大量の使用済みナイフと見られるもの、大量の釘を歩行側に散乱させ、五体を投地し溺死していた様です。
死体の損傷は激しく、多量の切り傷、刺し傷、抉れた面々などがあり、特徴の列挙は難しいとの事。
陽キャの動向も座標的には同位置近辺で途切れていますし、お互いに何かしらの関係があったと見て良いでしょう」
俺(その後、学長から様々な説明がなされた様だが、俺の耳には聞こえてこなかった)
俺(いや、正確には聞こえていたのだろうが、記憶がプロテクトを掛けているのかもしれない)
俺(それくらい信じられなくて、受け入れ難くて…何より、自分が関わったと言う現実を受け止めたくなかったのかもしれない)
俺(先輩と美少女の間に何があったかは分からない。しかし、少なくとも、先輩は美少女をレ○プ出来ていた筈だしあの時点では何も問題が無かったはずなのだ。だのに、トラブルは起きた)
俺(なぜビッチが先輩というイケメンと問題を起こすのか?ビッチなんだから、互いに利害関係は一致出来ていた筈ではなかったのか?先輩が生きている可能性があるのは良かったが、今どこで何をしているのだろうか。…真相は、誰も分からない)
医者「…!! おい、お前たち…」
医療スタッフ「…え、ええ…これは…『美少女』の死体ではないです…」
医者「そうだ…これは…あまりにも下水に曝されていて一見判別がつかないが…『身体中に解剖の痕とそれをまるで縫い付けたかの様な多量の釘の痕がある』…!」
医療スタッフ「それも、明らかに皮膚だけの裂傷痕である事、筋繊維の奥深くに釘が尽く沈んでいる事から鑑みて…これは、」
医者「『陽キャ』の死体…! では、陽キャの全身の皮膚と美少女本人の身体は何処に…!?」
家
俺「………」ハァ
俺(美少女によるウザ絡みは消えた。けれど、それで陽キャ先輩が死ぬのは辛かった。頭は意外と良かったし、初酒を奢ってくれたし、俺より下手でもサッカーを楽しんでいた。
よく遊んだりもしてくれたし、バカなノリにも乗っかってくれた。あの人と過ごした日々は半年ほどだったけど、楽しかった)
俺「…ありがとう、陽キャ先輩。それと、ごめんなさい…」
俺(これで許されるなんて思っていない。でも、しないよりかはマシだと思った)
ピンポーン
俺「…? なんだろう、俺、なんか配達頼んだっけ」
俺「はーい」ガチャ
配達員「サインお願いします」
俺「あ、はい」カキカキ
配達員「お邪魔しましたー」
俺「なんなんだ、この箱は…?とりあえず、テープを切って………っと」ガチャ
「お゛れ゛く゛ん゛み゛ぃ゛つ゛け゛た゛」
END
「SS」カテゴリのおすすめ
- 平塚「比企谷、そもそも君は誰の専業主夫になるつもりなんだ?」
- モバP「ふみかいぢめ」
- 長門有希の日記
- ケンシロウ「世紀末からもう11年か」
- モバP「眠い」
- 新谷良子「もうすぐGWだね」 田村ゆかり「そだねー」
- ラケル博士「あっ……また中で出てる……」(ゴッドイーター2レイジバースト)
- モバP「茄子は、今幸せか?」
- 海未「誕生日に菊の花を貰ってしまいました」
- みほ「抜き打ちテスト?」
- 八幡「酒を飲んだ雪ノ下がにこにこ笑いだしてかわいい」
- モバP「アイドルの自宅にカメラを設置してプライベートを観察?」
- モバP「まゆ!包丁を持って何やってんだ!?」
- 李衣菜「プロデューサーが風邪?」
- イケメン「彼女寝取られた・・・」 糞女粉砕マン俺「呼んだか」
「ランダム」カテゴリのおすすめ
- 杏「杏・輝子・小梅のシンデレラジオ 第49回」
- 【鉄血】ガンダムバルバトス「――あぁ、納得したよ」ガンダム「そうかい」
- 神谷奈緒「オフ会」
- 提督「強靭な精神は強靭な肉体に宿る」
- 貴音「へい、あなた様!」
- モバP「いつまでも綺麗で可愛いままでいてくれ」
- 【ガルパン】カチューシャ「ぐだぐだプラウダ」
- 川内「夜戦の時間だよ!」瑞鶴「あーかわうちうるさい!」
- 憂「えへへ…明日からお姉ちゃんの制服着て学校行くんだ…」
- 星空凛「鬼の小泉 仏の西木野」【前半】
- ゲンドウ「エヴァに乗れ、でなければガンダムに乗れ」
- 渋谷凛「さくらんぼ」
- P「貴音と孤独じゃないグルメ」
- 遊戯「ひぐらしのなく頃に?」
- 藍子「うーひっく、どうせ私は74ですよ」
今週
先週
先々週
コメント一覧 (4)
-
- 2019年12月22日 17:00
- クッソ真面目に「これは…『陽キャ』の…!」みたいなこと言ってて笑う
いやまぁ物語の符号だから仕方ないんだけどさ
-
- 2019年12月22日 17:25
- 途中まで良かった。50点。
-
- 2019年12月22日 19:28
- 陽キャよりキョロ充の方がいい奴
あと俺くんがクズ
スポンサードリンク
デイリーランキング
ウィークリーランキング
マンスリーランキング
アンテナサイト
新着コメント
最新記事
読者登録
スポンサードリンク
お前、絶対途中でめんどくさくなって方向性かえたろ?