俺「？？？確かに『死ぬ』という能動的な体験をしたいという意味ではない。そう考えればあなたの仰る通り『死にたい』というよりは『生きたくない』という認識がより正確ではある」

相談員「なら、あなたは死ぬ必要なんてないじゃないですか」

俺「それはおかしくないか？生まれてしまった以上『生きたくない』という願望は『死』という選択以外でかなうことはないでしょ？」

相談員「どうして生きたくないと思うのでしょうか。『生きたくない』という願望をなくすという選択もあります」

俺「生きるメリットが存在しないから。いや、仮に『生きたくない』と思っていなくても死ぬのは構わないですよね？死んではならないならば、それは何故なんですか？」

相談員「あなたは死にたいわけではなくて、生きたくないだけだからです。生きたくないという思いをなくすことは、死を以てでなくともできます」

俺「いや、それは『死ななくてもいい理由』であって『死んではならない理由』じゃないでしょ？『死』という選択を否定できる理由あんの？」

相談員「それは…あなたの死で悲しむ人、苦しむ人がたくさんいます。あなたはあなた自身のためにはもちろん、たくさんの人を悲しませないためにも生きるべきだと思います」

俺「それは周りが悲しむからってだけじゃん。そんな話はくだらないネット記事にも山ほど書いてある。つまり俺が死んじゃいけない理由って、『お前らが困るから』なの？あなたが給料を貰って相談員やってんのも、人口が減れば国益が減るからってだけか？」

相談員「いいえ、そんなつもりで相談員をやっている訳ではありませんし、私はボランティアでやっている者です。お給料は頂いていません」

俺「え？給料貰ってないの？じゃあさ、なにが楽しくてこんなボランティアやってんの？」

相談員「私達の使命は一人でも多くのいのちを救うことです。私達と相談をして、少しでも気持ちが楽になってくれればいい、それで自らいのちを絶つという選択を思いとどまる手助けになればと思っています。」