三匹の子豚「狼が我ら兄弟を狙っている」「へっ、返り討ちにしてやるぜ!」「怖いよう……」
長男豚「たった今、情報が入った。狼が我ら三兄弟を狙っているとのことだ」
長男豚「各自家を建て、自己防衛する必要があるだろう」
次男豚「へっ、おもしれえ! 返り討ちにしてやるぜ!」
三男豚「うう……怖いよう……」
長男豚「情けない奴だ……貴様、それでも豚か」
次男豚「とても俺らの弟とは思えねえな……とっとと狼に食われちまいな!」ドカッ
三男豚「ぎゃんっ!」
長男豚「だいぶ家が出来てきたぞ」
トンテンカン…
次男豚「こっちもだ! 狼如き、逆に食ってやるぜ!」
三男豚「……」トコトコ
長男豚「おい、どこに行くんだ?」
三男豚「ちょっと海まで……」
次男豚「ハァ? 海なんか行ってどうすんだ!? 豚が海行ったってイルカにゃなれねえぞ!」
長男豚「放っておけ。あんな軟弱者は、我ら兄弟に必要ない」
次男豚「おう! 海で溺れるなり、狼に食われるなりして死んじまいな!」
三男豚「……」
長男豚「最大面積、最新兵器、最強兵力を兼ね備えた、我が要塞(いえ)が……!」
長男豚「ここに立てこもっていれば、いかに狼であろうと我を喰らうことはできまい!」
部下「司令官!」ビシッ
長男豚「どうした?」
部下「要塞近くに狼が現れました!」
長男豚「来たか。ただちにミサイルを用意せよ!」
部下「かしこまりました!」
長男豚「狼如きが……貴様はこの家に入ることなく死ぬのだ」
長男豚「ミサイル発射!」
部下「はっ!」ポチッ
シュボッ
ドゴォォォォォン!!!
部下「着弾!」
長男豚「終わった……」
部下「はっ!」
部下「……」
部下「これは……!」
長男豚「どうした?」
部下「狼は……無傷です! なんの損傷(ダメージ)も受けていません!」
長男豚「な、なんだとォ!?」
部下「それどころか、ものすごいスピードで要塞に迫っています!」
部下「ダメです! 既に狼は要塞内に入り込みました!」
長男豚「ならば、全兵士に最上級厳戒態勢を敷かせろ!」
部下「はっ!」
長男豚(この要塞には最新の重火器を装備した10万もの兵士がいて)
長男豚(その兵士たちがAからZまで、計26の防衛ブロックに配備されている!)
長男豚(破られるわけがないッ!)
長男豚「さっそく仕留めたか」
『こちらJブロック……狼に襲撃され……壊滅……』
長男豚「な、なにっ!?」
『Hブロック! 狼が侵入……ぐあああああああああっ!』
『こちらWブロックです! 狼が……! 援軍を、援軍をォォォォォォ!』
『こちらCブロッ……ぎゃあああああああああ!!!』
長男豚「……ッ!」
部下「全てのブロックから……通信が途絶えました……」
長男豚「ものの十数分で、10万の兵士が全滅したというのか……!?」
ザッ…
長男豚「!」ハッ
長男豚「狼……!」
部下「うっ、うわあああああっ!」ダッ
狼「……」シュバッ
部下「ぐええっ……!」ドチャッ
長男豚「あ……ああ……ああ、あ……!」
狼「お前を食いに来た」
長男豚「金ならいくらでもやる! 地位だって……!」
長男豚「そうだ! 我と組めば、豚などよりもっと食べがいのある獲物を喰えるぞ!」
長男豚「た、頼むっ!」
狼「いただきます」グパァァァァァ
ぎゃぁぁぁぁぁ……!
バリボリベキメキ…
次男豚「ンだとォ!? 兄貴が!?」
次男豚「……ケッ、兄貴は兵器だの兵士だのに頼りすぎだったんだよ! だから食われちまった!」
次男豚「だが、俺は違うぜ。俺は道具に頼ったりはしねえ!」
次男豚「やはり自然界で一番頼りになるのは己の肉体よォ!」ムキッ
ライオン「おっしゃる通り。あんたこそ世界最強の生物ですよ」
次男豚「この道場(いえ)で、狼を叩き潰してやるぜ!」
次男豚「ようこそ、俺の道場へ!」
ライオン「クックック……」
ゾウ「ずいぶん小さいお客さんパオねえ」
トラ「お前が師範にたどり着くことはない」
カバ「ぐははは、わざわざ死にに来るとは哀れな奴だ!」
次男豚「俺たちは兄貴とは違う……鍛えた技と体でてめえをブチのめしてやるぜ!」
ライオン「へい!」
ライオン「頭から食ってやる!」ガブッ
狼「……」
ライオン「か、硬……ッ!」
狼「邪魔だ」ブオンッ
ボウッ!
次男豚「な……!? ライオンの上半身が吹っ飛んだ!?」
狼「……」ミシミシ…
次男豚「よし、鼻で絞め上げた!」
狼「引きちぎりがいのある鼻だ」ガシッ
ミリミリミリ… ブチィッ!
ゾウ「パオオオオオッ!?」
ドゴォッ!
次男豚「ゾウが一撃でミンチに……!」
グチャ… ビチャ…
次男豚「トラ! カバ!」
狼「さて……残るはお前一匹だけだ」
次男豚「くっ……! もう終わりだ……!」
次男豚「なーんてな。未熟な弟子どもを倒したぐらいで調子こいてんじゃねえぞ」
次男豚「はあああああああああああああ……!!!」ボンッ!
次男豚「見ろ、この筋肉ッ! もはや世界最強どころじゃねえ……宇宙最強だァ!」
次男豚「喰らえッ!!!」
ドゴォッ!
次男豚(殴った俺の拳がグシャグシャに砕けて……)
狼「……」ザッ
次男豚「あ、あわわ……タンマタンマタンマ! 参ったぁぁぁぁぁ!」
次男豚「あんたは強い! で、弟子にしてくれねえか!? な、絶対役に立つぜ!」
次男豚「お、お願い――」
狼「いただきます」グパァァァァァ
ぎえぇぇぇぇぇ……!
ボリベリゴリメキ…
狼「三匹目は……ここか」
狼「レンガの家……」
狼「この程度、デコピンで破壊できる」ピンッ
ボゴォンッ!
狼「さあ……いただこうか」
狼「こ、これは……!?」
三男豚「いらっしゃいませ」
家の中では、滑らかでしなやかな裸体を惜しげもなく晒した一匹の豚が、ベッドに横たわっていた。
そのあまりに美しい四肢を、艶めかしく駆動させる姿には、さしもの狼も――
狼「……」ゴクリ
思わず生唾を飲み込んでしまう。
三男豚「なんと美しい狼だ。まるで夢を見ているようだ」
狼「な、なにをいう! お世辞などいっても無駄だ! 食べてしまうぞ!」
三男豚「お世辞ではありません。僕の口は真実しか述べません」
三男豚「その証明といってはなんですが、あなたに贈り物をしたい」
狼「贈り物……だと?」
三男豚「貴女のような美しい女性に相応しい贈り物です」
真珠のネックレスが首にかけられる。
狼「……!」
三男豚「受け取って……頂けますか?」
狼「あ、ああ……」
三男豚「それすなわち、僕の愛を受け取ってくれたという認識でよろしいか?」
狼「もちろんだ……!」
三男豚(この狼……落ちた!)
三男豚(真珠と僕の魅力が組み合わされば、たとえ狼だろうと落とせると確信していた)
三男豚(優れた豚ほど真珠を有効活用できる……これがホントの≪豚に真珠≫ってやつさ)
三男豚(しかも、予想通り、狼はあのうっとうしい兄二匹も始末してくれた……)
三男豚(ああ……我ながら、自分のツキと才能が怖いよ……)
― 完 ―
元スレ
三匹の子豚「狼が我ら兄弟を狙っている」「へっ、返り討ちにしてやるぜ!」「怖いよう……」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1578999604/
三匹の子豚「狼が我ら兄弟を狙っている」「へっ、返り討ちにしてやるぜ!」「怖いよう……」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1578999604/
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コメント一覧 (5)
-
- 2020年01月14日 23:13
- 薄い
-
- 2020年01月14日 23:15
- ※1
性病科か頻尿器科に早めに行った方がいいぞ
酷くなるとションベンどころか勃つだけでめちゃくちゃ痛くなるからな
-
- 2020年01月14日 23:20
- スゴイ!!!豚がしゃべった!!スゴイ!!!
-
- 2020年01月14日 23:43
- そこまで引っ張ってそのオチ?
三流以下だな
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