image credit:harnaamkaur/Instagram
所変われば美の基準も変わり、また時代によって美の基準も常に変化している。そして今や多様化の時代である。既成概念にとらわれず自分らしさを表現する女性たちが、続々と有名な雑誌の表紙を飾っている。
彼女たちの魅力は、使い古されたステレオタイプのそれではなく、型にはまらない美しさである。美の概念は1つだけではない。それが時代のトレンドになっているようだ。
2020年、アメリカやイギリスなど世界17か国で出版されているファッション雑誌『Glamour(グラマー)』の2月号は、11枚の表紙でリリースされた。その新しい顔として選ばれた11人の女性たちを紹介しよう。
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1ソフィア・ハジパンテリ(アメリカ出身)
2020年版のカネボウ化粧品の新CMにも起用されたソフィア・ハジパンテリは、1本眉で見た目のインパクトが強いモデルだ。
この眉のせいで、SNSでは激しく攻撃されたこともあったソフィア。しかし、ハッシュタグ「#unibrow movement(一本眉運動)」を発信し、自身のマインドを貫いた。
これが多くのデザイナーの心を掴み、今ではロンドン・ファッションウィークにも参加できるほどのモデルに成長。Instagramには多くのフォロアーを抱えており、今やファッション・アイコンと呼べる1人になっている。
2.ハーナーム・カウア(イギリス出身)
ハーナーム・カウアは活動家だ。彼女は多嚢胞性卵巣症候群に苦しんでいる。彼女にヒゲが生えているのはその病が原因だ。
しかし、それを隠したり恥じたりはしていない。それどころか、世界中の女性に病を抱えていても美しく成功できることを示している。
3.マンロー・バーグドルフ(イギリス出身)
トランスジェンダーモデルおよびDJ、活動家として活躍しているマンロー・バーグドルフは、ロレアルUKのキャンペーンで初のトランスジェンダーモデルとして選ばれた。
この出来事は歴史的に大きな改革と起こすとされていたが、その後バーグドルフの人種差別的発言が問題になり、契約を解除されてしまったという。この1件で「多様性」を求めたキャンペーンのテーマに反していると、ロレアル社には多くの批判の声が寄せられた。
4.チデラ・エゲル(イギリス出身)
ハッシュタグ「#SaggyBoobsMatter(どんな形の乳だって大切)」ムーブメントを始め、有名になった。
この活動家は、SNSで主に宣伝されているものとは異なる乳房の形をしている女性に、ネット上で写真を共有することをリクエスト。
課せられた美容基準にうんざりし、「美しさは1つだけじゃない」「女性はもっと自然な外見に主導権と自信を持つべき」「自然は美の基準など認識しない」と訴えた。
5.ステファニー・イェボア(イギリス出身)
プラスサイズモデルおよびスタイルブロガーのステファニー・イェボアは、マルチ賞の受賞歴もあるInstagramインフルエンサーだ。
6.ジェイザ・ギャリー(出身不明)
ジェイザ・ギャリーは、魚の鱗のように皮膚が2週間ごとに剥がれ落ちては再生する疾患「魚鱗癬」で生まれた。
しかし、人生を諦めなかった彼女はモデルになり、2020年のファッション雑誌『Glamour』と『Vogue』の表紙を飾った。
7.ケイティー・パイパー(イギリス出身)
美しい容姿を持ち、モデルやTV司会などで活躍していたケイティ―・パイパーは、当時ジョービズ界でおおいに期待された人物だった。
ところが、2008年に元恋人の知り合いから顔面を破壊される激しい酸攻撃にあい、その事件は世界中に注目された。
回復までに長い道のりを歩んだパイパーだったが、勇敢にも事件をもとにしたドキュメンタリーに出演し、現在は活動家、作家として活躍している。
8.アンバー・ジーン・ローワン(アイルランド出身)
15歳の時に脱毛症と診断され、16歳になる頃には全ての髪を失ってしまったアンバー・ジーン・ローワン。
それからはカツラを着けて生活してきたが、後に自分の容姿を受け入れる覚悟を決め、カツラを外した。現在は、モデルや女優として活躍している。
9.ミッシェル・エルマン(香港出身)
ブログ『Scarred Not Scared(傷なんか怖くない)』の著者であるミッシェル・エルマンは、15歳の時から脳腫瘍や重篤な腸疾患を患い、20歳になるまでに多くの手術痕を体に受けた。
そんな自身の経験をブログで綴り、どのように克服したかを共有している彼女は、自分と同じように困難な状況に陥った人たちを支援し、戦うよう励ましている。
10.ナベラ・ノール(アメリカ出身)
プラスサイズの体型やストレッチマークを恥じることなく見せているナベラ・ノールは、YouTuberであると同時に130万人のInstagramフォロワーを持つインフルエンサーだ。
彼女は、世間の女性たちに自分を愛し、独自の美しさの基準を作るようインスピレーションを与え続けている。
11.ハニ・シドウ(ソマリア出身)
Instagramで5年以上にわたり自身のルックスをシェアしているヒジャブ着用モデル。
自身の例により、自己表現の方法を防ぐものは何もないと示しているハニ・シドウは、最も有名なインスタグラマーの1人として知られている。
References:brightside.meなど / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
つくづく思う、自信のある人こそ美しい人なんだよ
2.
3. 匿名処理班
多様性を認めることはとても大事だと思うし、我々も尊重しなければいけないけど、それを強制するような社会にならないことを願うばかりですね。
4. 匿名処理班
モデルになる条件って何なんですかね?
5. 匿名処理班
何を美しいと感じるかは人それぞれ。
もちろん私も異性の容姿について好き嫌いはあるけど、それを相手に強制した事はない。
だからと言って"容姿に対する好き嫌い"という概念自体を捨てる気もないかな。
6.
7. 匿名処理班
女ってつえーな
ここまで根性座って無きゃ妊娠出産の苦労耐え切れんわ
8. 匿名処理班
アニメも90年代始め頃の絵柄見たら違和感感じるけど(スレイヤーズとからんまとか)当時はそれが良かったもんなぁ
9. 匿名処理班
外見は抜きで堂々としてるのが美しいってことだよね
まあポジティブでいいんじゃないの
だいぶ脱線してきた気がするけどな
10. 匿名処理班
人違うのは個性でそれ自体は別に良いと思う
でもその個性が美しい感じるかは別の話
何が美しいと感じるかは自分に正直でいいでしょ
11. 匿名処理班
ハーナーム・カウアさんは京劇を参考にしているのかな。
12. 匿名処理班
※4
仕事と割り切ること
13. 匿名処理班
>>9
「脱線」じゃなくて、一本しかないと思われてた線路が実は何本もあったっていうことなんじゃないかな
14. 匿名処理班
モデルって着るもんとかアクセサリーとか化粧品を魅力的に見せる職業なんじゃないのかねって思うので、自分の主義主張に職業を利用されてもなあと感じる。だからなんだよ?って正直思ってしまうわ。添え物として引き立てるかよりいっそう魅力を引き出すなら分かるけど、商品より目立たれたら邪魔じゃないのかね。
15. 匿名処理班
こうして各地から集まった異能者たちが能力バトルを繰り広げる!
16. 匿名処理班
1の人の眉毛の拘りすげ〜わ
あえて整えず、とか書いてあるけど眉毛だけ
一流美容院で整えてますってレベルじゃん
17. 匿名処理班
太ってる=ブスじゃないからな
それに太ってる人用の服の
ファッションモデルは必要でしょうね
18. 匿名処理班
トランスジェンダーが人種差別発言は(何言ったのか知らんけど)皮肉という他ないね
19. 匿名処理班
※16
>1のは撮影用だね
関連記事のほうの画像はもっと自然
20. 匿名処理班
みんなカッケェ
21. 匿名処理班
バーグドルフさんの人種差別的発言ってどんなのかと思ったら、意外と内容は分からんでもないような話だった。歴史と社会構造のことを言いたいのよな。
22. 匿名処理班
これは生き様の美しさであって外見の美とは違うような気がするんだが……
ファッション業界も新市場開拓しないといけなくて大変なんだな
23. 匿名処理班
※13
それが多様性と分かっちゃいるけど
自分の中にある美の基準を無理に変えよう、とも思わないし
ご立派なんだが、やっぱり変なノリの悪い冗談にしか見えない
24. 匿名処理班
美しさを磨いたプロたちが仕事を奪われた件は酷かったな
25. 匿名処理班
モデルの多様性はあってもいいと思うよ
服は買う人が着るんだしその人に近いモデルさんが着たほうがイメージつかみやすい
特にプラスサイズについては日本でもぽっちゃりカワイイモデルさんがいるね
この記事の二人のプラスサイズモデルさんもカワイイなあ
ぽっちゃりでもココまで可愛くなるという目標にもなる
26. 匿名処理班
だれもが人と比べて落ち込むことなく、自分には自分の美があると信じて堂々とできる時代が訪れたらどんなに素敵だろうな。
27. 匿名処理班
首が長いほど美人の種族も居るし
下唇にはめた陶器の大きさが美の基準の種族も居る
我々日本人の美人もかつては能面の小面だったし
ギリシャを源流とし西洋から取り入れ今席巻する物差しは
決して不変では無いという事を
知っておかなければいけないと思う。
28. 匿名処理班
人種や年配者は良いとして髭の奴は一寸受け入れ難い
多様性とは言う物の美観てある程度は多数決な気がするんだよね
多くの人に指示されて初めて「美」になるんじゃないかと
文化毎に存在するとしても共通認識にはある程度沿った方が良い様な…