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本当に隕石が爆発したのか?ロシアで起きたツングースカ大爆発の謎を追う : カラパイア

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 1908年6月30日7時2分(現地時間)頃、ロシア、中央シベリアにある、ポドカメンナヤ・ツングースカ川上流の上空で大爆発が起きた。

 8000万本の木がなぎ倒されて、2000平方キロメートルものシベリアの森が丸坊主になってしまった。上空で隕石によって起こった爆発だと言われているが、112年たった現在でも、この爆発の真の原因には謎が残されているという。
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本当に隕石が爆発したのか?


 このツングースカの大爆発は、さまざまな憶測がもっとも飛び交った異常な出来事のひとつだ。地表5〜10キロの地点で隕石が爆発したという説が有力だ。

 だが、それを裏づける確固たる証拠はない。そのため、エイリアン説や秘密兵器の試験説まで、おもしろいけれど、根拠のないとんでもない説が次々飛び出すことになった。

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ツングースカ爆発によってなぎ倒された木々
image credit:wikimedia commons

 ロシアの主要な4つの科学機関、ノヴォシビルスク核物理学研究所、ノヴォシビルスク地質鉱物研究所、ツングースカ自然保護区、クラスノヤルスク生物物理学研究所は、このツングースカミステリーを、いいかげんはっきりさせたいと思っている。ツングースカ自然保護区のドクター・アーサー・メイダスは言う。

ツングースカ惨事の謎は、科学者にとっても一般大衆にとっても心配の種です。隕石そのものは見つかっていませんが、とてつもなく激しい爆発の痕跡は確かに残っていて、現在でも、研究者たちが調査を進めています。今でもわたしたちは、1908年の悲劇のシナリオを明らかにしたいと思っているのです


Tunguska event, 1908: Why Asteroid Day is observed on June 30?


隕石爆発の証拠を求めて


 この謎を探るため、研究者たちは、隕石爆発の証拠を求めて、爆心地とされる場所からおよそ40キロ離れたところにあるザポヴェドノエ湖の湖底を調べた。

この湖は、1908年の爆発の影響があったエリアの外ですが、非常に重要な場所なのです。この湖は深く、ここに蓄積しているシルト質の堆積物は、混ざったり沈んだりしていないからです。

春や秋にかけての排水や、ラクラ川の水が、ツングースカ爆発の痕跡をこの湖にもたらした可能性があります。爆発とともに、大規模な山火事が起き、地球側と宇宙側を起源とする放出物を伴ったと思われるからです

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bksrus/iStock

 蛍光X線やシンクロトロン放射といった科学技術を使って、ツングースカ爆発以後にできた湖の堆積層の中に、地球外のものを起源とする粒子を発見できるのではと研究者たちは期待している。

 メイダスによれば、すでにどの堆積層が爆発の年のものなのかを特定することに成功し、1908年から1910年にかけての層をとりわけ詳しく調べているという。隕石の粒子が爆発後の2年間に湖に流れ込んでいるかもしれない。

わたしたちは、ザポヴェドノエ湖の堆積層の中に特別に明るい色をした部分を発見しました。

その層には、カリウム、チタン、ルビジウム、イットリウム、ジルコニウムといった成分の値が高く、これは、ツングースカで隕石爆発があった証拠につながるものです。このようにして、どこの堆積層が地球外起源の粒子を含んでいるかを知ることができます。

次の段階としては、シンクロトロン放射技術を使って、珍しい組成の微粒子を探します。今なら、どこを探せばいいのか、わかりますから。もし、地球外の物質が存在するとすれば、それはきっと1908〜1910年の堆積層でしょう

 研究者たちが探しているものが見つかったら、とても興味深い。

 湖の堆積物に地球外のものが含まれていたら、その他の面白みのある説はみんな除外されることになるだろう。しかし、まだ地球外のものの痕跡は見つかっていない。ツングースカ大爆発のような謎は、まだ当分は楽しめそうだ。

References:Scientists Search Tunguska For 'Cosmic Matter' to Solve the Mystery Once and For All | Mysterious Universe/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 20:39
  • ID:OfGzAsdz0 #

研究者たちはなにを探しているんだ?

2

2. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 20:51
  • ID:OE.tFu5E0 #

彗星の爆発らしいね。
隕石は岩石質、金属質、炭素・氷に分類される。
この炭素・氷がそれ、別名「汚れた雪玉」、大きいのが太陽に近づくと彗星になるようだ。
十分な質量があれば爆発力がある、チュラビンスクより大きかったろう。
どちらも湖底に証拠を残しているけど、ツングースは湖を作ったかもしれない。

3

3. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 21:33
  • ID:tpZGhIXi0 #

実はこの手の彗星が地球をかすめることは珍しくなく、20世紀初頭にはツングースカ級彗星3000個以上が地球の上空数十kmをかすめて行った。

4

4. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 21:40
  • ID:.ka5noEC0 #

※1
クリプトナイトとかスペシウムとか…

5

5. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 22:01
  • ID:bFixDjTS0 #

ツングー、っスカ!?(意味不明)

6

6. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 22:33
  • ID:KZdRKd6x0 #

核爆弾はまだ出来てないよね?

7

7. 匿名処理班

  • 2020年03月17日 23:16
  • ID:3uarkR7k0 #

天文学的な低確率とはいえ、
この次の爆心地が自分の家になる可能性もある世界に住んでいるって思うと不思議。

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