雪男、ビッグフット、サスカッチ、あるいはイエティ――世界各地では、雪山で直立する毛におおわれた大型生物の目撃談が伝えられている。
その正体を巡ってはさまざまな説があるが、じつは巨大なナマケモノだったという説も存在する。これまで日の目を見ることがあまりなかった説だが、今後はメジャーになるかもしれない。
ロサリオ大学(アルゼンチン)の研究グループによれば、エクアドル中央部から北部にかけて発見された南米の「イエティ」とされる頭蓋骨や骨は、1万年前に絶滅した巨大なナマケモノのものであるという。
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体長2メートルのイエティの正体
そのUMAの正体とされるのは、「オレオミロドン・ウェグネリ(Oreomylodon wegneri)」という1万年前に絶滅した巨大なナマケモノだという。
『Journal of Vertebrate Paleontology』の研究によれば、最新のデータは、南米で目撃されたイエティの目撃情報を説明しうるという。
Palaeontologists from Argentina and Ecuador presented a "Yeti" of more than 10,000 years ago
オレオミロドン・ウェグネリは、前足と後ろ足には大きな爪を生やし、後ろ足で立ち上がれば、背丈2メートルを超える巨体の持ち主だ。
エクアドルの首都キトでは、同じ場所から3体の標本が発見されており、このことから群れで生活していたとも考えられる。これは陸上性ナマケモノにはない特徴であるそうだ。
もうひとつの特徴は、口先の部分が幅広なことだ。これは低温や山岳部の環境に耐えられるよう適応したための特徴であるそうで、実際化石はエクアドルの標高2500〜3100メートルの高地で発見されている。
実際そんな生き物と雪山で遭遇したら、イエティだと思っても不思議はないだろう。ちなみにオレオミロドン・ウェグネリという名称は、「山のミロドン」という意味だ。
クマに見える巨大ナマケモノ
ミロドンは、1万年前にパタゴニア地域に生息していた陸上性ナマケモノの仲間だ。ナマケモノの仲間といっても体重1トン、直立すれば3メートルを超える巨体で、どちらかと言えばクマに見えたことだろう。
別の研究によれば、ミドロンは人間と同時期に生きており、人間による乱獲のために絶滅してしまったのだという。
しかもその時期、温暖化という追い討ちもあった。暖かくなったために、人間はそれまで以上に長く狩猟を続けられるようになり、ついでに木々の変化のせいでそれまでの隠れ家から追い出されてしまい、人間の手に掛かるミロドンがいっそう増えることになった。
さて、南米のイエティの正体がオレオミロドン・ウェグネリだったとしよう。彼らはいかにして1万年もの間、人間と気候変動の魔の手から逃れることができたのであろうか?
Paleontologos de Argentina y Ecuador presentaron un "Yeti" de mas de 10 mil anos de antiguedad
References:mysteriousuniverse/ written by hiroching / edited by parumo
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