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ファイナルファンタジー7がPS1で発売したころに発足したコンビニでゲームが買えるサービス『デジキューブ』の始まりと終焉 - [ゲーム]ゲーム情報記事

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ファイナルファンタジー7がPS1で発売したころに発足したコンビニでゲームが買えるサービス『デジキューブ』の始まりと終焉



ファイナルファンタジー7がPS1で発売したころに発足したコンビニでゲームが買えるサービス『デジキューブ』の始まりと終焉としていて、当時は流通改革として活気的なことだと賞賛されていましたよね。


コンビニに現れた大きな端末
 1996年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が設立した「デジキューブ」は、コンビニエンスストアでのゲームソフトの販売を手掛け、ゲーム業界の流通に大きな革命を起こしうる存在となりました。しかしながらさまざまな要因により業績は低迷、挙句の果てには銃撃される事件まで発生し、2003年11月26日に東京地裁に自己破産を申請、負債総額95億円の負債を抱え倒産の憂き目をみました。デジキューブの端末が設置された頃にコンビニでアルバイトをしていた経験を持つライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。


 ある日、いつものようにバイトをしていたお店に行くと、店内の風景が少し変化していました。確か、それまでは単行本や小説が並べられていた棚がふたつあったのですが、そのうちのひとつが撤去され、代わりに小さな画面が付いた回転式の棚が置かれていたのです。これが、「デジキューブ」の専用棚だったのです。
 
 その日は、既にシフトに入っていたバイト仲間から、ゲームソフトの売り方についての簡単な説明を受けました。棚に置かれているカードをお客様が持ってきたら、レジのなかにある小さな金庫に収められているソフトを出して販売する。特典などがあったらそれも絶対に忘れないようにと念を押された記憶があります。他のお店ではどのような形式だったのかは知りませんが、筆者のバイト先ではおおむねこういう形で販売していました。プレイステーションの本体も入荷しており、レジ後方の棚の上の方に見やすい形で展示されていました。ソフトの方もいくらか入荷しましたが、サービス開始当初はたまに興味本位で購入していくお客様がいるくらいでそれほど勢いがあるようには感じませんでした。


 その大きな理由は、定価販売だったことです。本体もソフトも、家電量販店に行けば割引価格で購入できるので、わざわざコンビニで購入する理由がなかったのです。

 そんなことは「デジキューブ」側も当然承知しており、強力な一手を打ってきます。それは『ファイナルファンタジーVII』(以下、『FFVII』)初回出荷分220万本の内8割をコンビニで販売するという、強烈なものだったのです。

『FFVII』狂騒曲とゲームの流通
『FFVII』がコンビニ中心の流通になることが知れわたると、予約が殺到するようになりました。確か筆者がバイトしていた店舗でも、100本以上の予約が入っていたはずです。またプレイステーション本体がゲーム店や家電量販店から姿を消したため、コンビニでも定価だというのに一気に売れるようになりました。


 このとき、「デジキューブ」が目指したコンビニでのゲーム流通は、確かに成功していました。しかしそれは、既存流通網や販売店舗を敵に回すもろ刃の剣でもあったのです。

 特に大きな問題となったのが流通でした。任天堂製品を扱う流通組織はかつて「初心会」と呼ばれており、任天堂とは極めて密接な関係にあったのです。デジキューブの設立自体が「初心会」と対立するものであり、当然のごとくデジキューブでは任天堂製品を扱うことはできなかったのです。そのほかさまざまな問題があり、この時期の任天堂とスクウェアの関係は非常に悪いものでした。

「デジキューブ」としては携帯用ゲーム機で大きなシェアを持つ任天堂製品を取り扱いたいと考えていましたが、任天堂はそれを拒否します。ことに、大流行していた『ポケットモンスター赤・緑』を取り扱えなかったことは、「デジキューブ」にとって大きな痛手となったのです。最近では『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに『FFVII』のクラウドが登場していることを見ると、関係は修復されているのかもしれません。

 また、「デジキューブ」はゲームソフト流通としては珍しく返品制度を設けていたことも後々打撃となりました。『FFVII』は好調だったものの、割引価格で購入することに慣れているユーザーからは、定価販売はやはり不評で、多くの返品が生じてしまったのです。

 さらに親会社のスクウェアが映画『ファイナルファンタジー』で巨額の負債を抱えてしまったことも、「デジキューブ」に更なる追い打ちをかけました。

 追い詰められた「デジキューブ」は音楽配信事業やコンビニATM事業に乗り出しますがことごとく失敗。2000年4月5日には本社が銃撃されるという事件も発生します。原因は音楽配信事業の利権がらみという説もありますが、真相は謎のままです。

 こうして多額の負債を抱えた「デジキューブ」は2003年11月26日に倒産します。しかしながら、「デジキューブ」が目指した世界は、今はごく当たり前に存在しているものも多くなっています。もし、インターネットの本格普及が5年早ければ、まだ「デジキューブ」は存在していたのではないか、世界の最先端を走っていたのではないか。筆者は少しだけ、そんな考えを持っています。


関連リンク


定価は5800円が多かったPS1ソフトですが、任天堂を取り込めず、そして、定価販売が追い打ちをかけたとしており、流通業界の一躍を担ったものの、2003年に倒産という残念な結果になりましたね。

 [ゲーム]ゲーム情報記事

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