アフターコロナ、最強のハーフスーツ Production Club
世界各国で、コロナ対策によるソーシャル ディスタンスが呼びかけられている。3密(密閉・密集・密接)は厳禁だとのことで、どうしても大勢が狭い空間に集まらざるを得ないライブや演劇といったイベントの類は、ほとんど壊滅状態となっている。
しかし人はパンのみで生くるにあらず。我々には心を満たしてくれる栄養も必要なのである。ならばどうするのか?
アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置く「プロダクション・クラブ(Production Club)」は、そんな問いに大胆な答えで応じている。
上半身を高いウイルス防御力で守ってくれ、機能性の高いハーフスーツを開発し、そのプロトタイプを公開した。
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3密でもコミュニケーション可能なハーフスーツ
「業界は死にかけています。助けを求める悲鳴が聞こえる」と、同スタジオのミゲル・リスエーニョ氏は話す。
このスタジオは普段、ハイテク・ゲーム・音楽業界向けの没入感あふれる体験をプロデュースしている。
代表的なものとしては、プロジェクション・マッピングとリアルタイム・ゲーミング技術を活用したSkrillex初のメジャー・ツアー「The Cell」や、アマゾン・ウェブ・サービスを利用した音楽フェス「Intersect Festival」が挙げられる。
そんな同スタジオがロックダウン下で提案する大胆なソリューションが、ハーフスーツ型プロテクター「The Micrashell」だ。これを装着すれば、もはや3密など恐るるに足らずだ。
Production Club's Daft Punk-style ‘Micrashell Suits’
ウイルスに対する高い防護力と機能性
The Micrashellは、最高クラスの基準に準拠した厳しい防護服の雰囲気を漂わせながらも、ポップなカラーリングのおかげでマーベルのスーパーヒーローをも連想させる。
image by:The Micrashell
もちろんスゴいのは雰囲気だけではない。メインの素材に超高分子量ポリエチレン繊維と軽量コンポジット膜を採用し、高い気密性と耐久性を実現。耐切創性があるのでうっかりスーツに穴を開けてしまうようなこともなく、使用後の殺菌も簡単にできる。
image by:The Micrashell
ヘルメットは、N95マスクレベルの粒子フィルター機能を搭載。ワイヤレスの音声通信機能も備わっているので、周囲の人たちとの会話も容易だ。もちろん電話をかけることもできる。そうした機能を稼働させる動力は、2個のリチウムイオン電池で供給される。
image by:The Micrashell
ヘルメットを脱がずに飲み物や電子タバコを楽しめる
リスエーニョ氏は、設計にあたって、時間との戦いであることが念頭に置かれたと語っている。そのために手に入る技術を利用し、まだ存在しないSF的な機能を搭載することは避けたという。また通行の邪魔にならないようなデザインにもなっている。
だが、遊び心が忘れられているわけでもない。給水システムとベイピングシステムが搭載されており、ヘルメットを脱がずとも飲み物や電子タバコを楽しむことができる。
内蔵型スピーカーから音楽を流したり、カメラで写真や動画の撮影をしたりといったこともできる。カメラはスーツが通行の妨げになっていないかモニターしたり、周囲を漂う物質を解析するためにも利用されるという。
image by:The Micrashell
image by:The Micrashell
image by:The Micrashell
人間の生理機能に配慮、商品化に前向き
全身スーツではなくハーフスーツであるのも理由がある。トイレでわざわざ脱がなくてもいいようにするためだそうだ。なので下半身の防御力は不安かもしれないが、その分フリーダムな感じとなっている。
なお、The Micrashellはまだ構想段階であり、発売されていない。プロダクション・クラブは現在、パートナーや販売業者と話し合いながら、実際にどのようなものを開発できるか、どのように流通させるべきかを検討している最中であるそうだ。
「こうした機能についてできるだけ現実的であろうとしました」と、リスエーニョ氏は話す。決してアイデアだけで終わらせるつもりはないようだ。
References:production.club / fastcompany / mailchiなど/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
できれば色は銀ピカで統一してもらえると理想の21世紀に近づく
2. 匿名処理班
超汗かきなんやけど・・・
汗ふくときどうしたらええんや
3. 匿名処理班
メトロイドっぽい
4. 匿名処理班
現実の理由にかこつけて、ここぞとばかりにSFオタクの夢実現!って感じが少し笑える。
なんにせよ、あって困るものではないし、
これでも被ってれば、集まらなければいけない物を自粛しなくて良くなるだろうし、
ここまでデザインチックじゃなくても、似たようなものは絶対生まれるだろうね。
そして、結局の所、最も大きく立ちはだかる問題であるコストに負け、
コレジャナイ感のあるビニールに落ち着く気がする。
5. 匿名処理班
21世紀になると銀色の全身ぴったりスーツを着て生活しているはずだったのだが、、、
なるほど、こういう理由で現実になるわけか。
6. 匿名処理班
ウィルス対策なんて安いもんだ、特に俺の手拭いマスクはなっ!
7. 匿名処理班
アフターコロナはこんなのいらない
これ今必要だろ
8. 匿名処理班
鼻とか目が痒くて剣道の面ですら発狂しそうなときがあるのに…
9. 匿名処理班
サイバーパンクじゃん、かっこいい
ずっと先の未来はウイルスよりもコンピューターウイルスの方が脅威になってそう
10. 匿名処理班
これをベースにしていけば地球用ノーマルスーツが開発されると
11. 匿名処理班
…グッジョブ・仏眼・利他性等(百花繚乱)……
12. 匿名処理班
rarara むじん君 rarara むじん君 rararara♪
13. 匿名処理班
レトロフューチャーやん
14. 匿名処理班
マーズアタック!?
15. 匿名処理班
…グッジョブ・仏眼・利他性等(百花繚乱)……
16. 匿名処理班
僕の考えた最強防護服。なおフライドポテトそのままつまんで食べちゃう模様。
17. 匿名処理班
>>6
使い捨てマスクを捨てる前に鼻のところのワイヤーを抜いておくんだ。
それを手縫いマスクに縫い込むだけでフィット感が違う。
18. 匿名処理班
素晴らしい防護服だえ
いまの人ごみはコロナが怖くて敵わんえ
19. 匿名処理班
アフターコロニーに空目したひとー(´・ω・`)ノ