男「殺人鬼と一緒にいられるか! 俺は部屋に戻る!」
中年「ちくしょう、いい人だったのによぉ……」
キモオタ「ひいいいい……!」ガタガタ
女「決まってんでしょ? あたしらの誰かに決まってるじゃん!」
チャラ男「っべーっ! マジやっべーっ!」
探偵「とにかく、警察が来るまではみんなでこの部屋にいましょう」
男「ふざけるな! この中に管理人を殺した殺人鬼がいるんだろ!?」
男「殺人鬼と一緒にいられるか! 俺は部屋に戻る!」
男「危険? お前らと一緒にいる方がよっぽど危険だっての!」
探偵「ですが……!」
男「うるさい! 自分の身は自分で守る!」
男「あんたもせいぜい殺されないようにするんだな。おっと、あんたが犯人じゃなければの話だが」
スタスタ…
バタンッ!
男「……」
男「……」
男「……」
男「……」
男「……」
男(そろそろ誰か、俺のことが心配になって、見に来てもいいんじゃないかな?)
男「……」
男「……」
男(誰も来ない……)
男「……」
男「……」
男「……」
男(いや、そろそろ来るだろ! 人知れず殺されてるかもしれないんだぞ!)
男「……」
男「……」
男(ホントに来ないな……)
男「……」
男「……」
男「……」
男(なんだよなんだよ、薄情者どもがァ! 俺を見捨てやがって!)
男「……」
男(ちょっと……俺の方から行ってみるか? どうなってるか気になるし……)
男(あの状況から第二の犠牲者が出るとは思えないけど……)
パリィンッ!
男「わっ!?」
男「な、な、な、なに!? ガラスが割れたような音が……!」
男「ええっ!?」
男(女の……悲鳴!?)
男(声の主は……一人だけいたあの女だろうな)
男(外でいったい何が……!?)
男「!?」
男(今度は笑い声が聞こえてきた……!)
男(外の状況が全然分からん! 何が起こってるんだよぉ……!)
男「じゅ、銃声!? 銃撃戦!?」
男「やっぱり、あの中の誰かが殺人鬼だったのか!?」
男「ひいいい……! こっちにも来るんじゃないの!? ど、どうしよう!」
男「……!?」
男(銃声が収まったと思ったら、聞いたことのない音の数々……)
男(どうなってる! どうなってやがるんだよぉぉぉぉぉ!!!)
男(音が……消えた……)
男「……」
男「……」
男(いくら耳を澄ましても……なんの音も……しなくなった……)
男「……」
男「……」
男(どうなったんだ? みんな死んじゃったのか!?)
男「……」
男「もういいかーい?」
男「……」
男(返事がない……。もう……出ていくしかない)
男「出ていくよー」ガチャッ
中年「よくやった、探偵さん!」
キモオタ「さすが名探偵!」
女「すごーい! 真相を全て解き明かしちゃうなんて!」
チャラ男「お見事です」
管理人「いやー、よかったよかった。なにもかも一件落着だ!」
男「え……え!?」
男(解決したの……? てか、なんで管理人さん生きてんの!?)
探偵「おや、あなたは部屋に戻ってた……どうしました?」
男「事件は……?」
探偵「ああ、全て解決しましたよ」
女「それにしても、中年さんが柔道の達人だったとはねー。すごい投げだったわ!」
中年「能ある鷹は何とやらってやつよ」
キモオタ「“奴ら”も驚いてたねえ」
男「え……“奴ら”ってなに!?」
中年「まさか、あの≪組織≫のエージェントだったとはな。度肝抜かれたぜ」
キモオタ「いやいや、照れますな」
男「組織……?」
チャラ男「探偵さんの名推理、中年さんの柔道技、キモオタさんの工作スキルがなければ――」
チャラ男「きっと事件は迷宮入りだったでしょうね」
男「あれ? お前もっとチャラくなかったっけ?」
チャラ男「この事件が解決したので、もう演技する必要はなくなりましたから」
男「なんで!?」
女「あんな恥ずかしいことするの……もうこれっきりだからね!」
中年「へへへ……いい目の保養になったぜ」
女「やだー!」ペシッ
中年「冗談だよ、冗談!」
男「なにしたんだよ……俺も見たかったよ……」
管理人「はい?」
男「あんた死んだはずだよな!? なんで生きてるんだよ!」
管理人「話せば長くなるので……」
男「長くなってもいいから!」
管理人「すいません……長くなるので……」
男「めんどくさがるなよ!」
管理人「すいません……長くなるんで……」
探偵「はい?」
男「俺が部屋にこもってから……何があったんだ? 頼む、教えてくれ!」
探偵「事件はもう解決したんですから、知る必要ないですよ」
男「そんなことないって! 教えてくれよ!」
探偵「そう言われてもねえ……」
探偵「お前らといると危険、だなんて暴言まで吐いていた」
探偵「そんな人の頼みを素直に聞く気になんてなれませんよ」
男「……!」
中年「その通りだぜ! 今更なにいってやがる!」
キモオタ「身から出たサビってやつさ」
女「サイテー!」
チャラ男「最初から最後まで身勝手な人ですね」
管理人「あんた、あれだろ? 映画をネタバレだけ見て、観た気になるタイプだろ?」
管理人「後からやってきて真相だけ知りたいなんてのは、ちょっとムシがよすぎるよねえ」
女「さんせー!」
アハハハ… ワイワイ…
男「……」
男「……」
男「……」
男「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
男「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
男「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
……
……
刑事「こんなひどい事件は、俺の刑事人生で初めてだ……」
刑事「なぜだ……? なぜあの六人を殺したんだ!?」
男「……」
男「部屋に戻ったせいで、殺人鬼になっちゃいました」
完
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コメント一覧 (16)
-
- 2020年05月14日 20:04
- なにこれつまんね
-
- 2020年05月14日 20:11
- 切り口はなかなか斬新
-
- 2020年05月14日 20:19
- もう少しで良作になりそうな雰囲気はあるが
-
- 2020年05月14日 20:39
- かまいたちの夜にありそうなエンド
-
- 2020年05月14日 20:44
- ヌペッ… ヌポポポッ ポリヌンチョ… ポイポーイ… ブロニョーン って何の音だよwww
-
- 2020年05月15日 00:05
- >>5
長くなるので…
-
- 2020年05月14日 20:56
- 最近読んだもんの中ではかなり良かった
-
- 2020年05月14日 21:19
- よぉし疑心暗鬼から犯人含むバトルロイヤルに発展させて犯人ドン引きさせようぜ!
-
- 2020年05月14日 21:46
- 長い上に内容が薄すぎる
そして長い
-
- 2020年05月14日 22:52
- >>8
きっっっしょ
-
- 2020年05月14日 21:50
- ポリヌンチョってなんだよ
-
- 2020年05月14日 21:55
- 割と面白かったが
これならオチはてんどんで良かった様に思う
-
- 2020年05月14日 22:20
- これを面白いと思える奴は箸が転がっても笑えるだろ
-
- 2020年05月15日 00:06
- >>11
そう必死になって叩く対象を探すようなSSでもないかと
-
- 2020年05月14日 23:53
- 男強くね?
-
- 2020年05月14日 23:54
- 惜しい
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