廃墟となった鉱山の町 wikimedia commons
カナダ、ケベック州コート・ノール地方ガニョンは、ゴーストタウンだ。だが、かつて人が住んでいたことをしのばせる、建物や住居、施設などは見当たらない。現在は町を貫く一本の道路が侘しくのびているだけとなっている。
だが、わずか40年ほど前は、飛行機でしかたどり着けないへんぴな場所にもかかわらず、ガニョンの町は空港、教会、学校、市庁舎、競技場、病院、大きな商業センターを備えた、羽振りのいい鉄鋼の町だったのだ。
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最盛期は四千人が暮らしていた鉱山の町
ガニョンは、ケベック州中央部にあるマニクアガン湖のはずれから直線でおよそ600キロ北にある。この湖は、隕石が衝突してできた巨大なクレーター跡にあるダム湖だ。
1960年にこのあたりで鉄鉱石が採れることがわかったため、将来性を期待してガニョンの町がバーベル湖のほとりに作られ、急速に発展した。
病院、空港、教会、小中学校、その他商業施設が次々と建てられ、新しい住民にとって生活しやすい便利な町となった。その最盛期には、4000人の住民が暮らしていたという。
人が住んでいた当時のガニョン
Gagnon, Quebec
資源が枯渇して打ち捨てられた町
しかし、1973〜75年の不景気のせいで、北米全体の鉄鋼生産が下火になり、その影響が80年代に入っても続いた。
1977年、鉱山資源が枯渇して、採鉱事業はガニョンの90キロ北東にあるファイア湖の鉱山へと移されたが、80年代半ばまでには、このふたつの鉱山はもはや利益にならず、両方とも閉山することになった。
住民は立ち退き、建物はそのまま残されたが、1985年に町全体が破壊された。今日残っているものは、打ち捨てられた町のメインストリートと、空港の滑走路だけだ。
Google mapで見るガニョン
町が閉鎖して2年後、ガニョンの孤立を終わらせるかに思える高速道路が建設された。この道路は、かつての町から100メートルも離れていないところを通って、ベー・コモーからラブラドールまでつながっている。
2019年のガニョンの様子
Gagnon, Que. Site de l'ancienne ville en juin 2019
References: written by konohazuku / edited by parumo
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