f2フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、大阪の地下街で居酒屋を経営する大家族を追った『お父さんと13人の子ども』。






・密着対象がコロナで重症に…ベテランDが直面した緊急事態「元気な頃の姿が見られない」



きょう19日に放送される後編「新型コロナと大家族」では、一家の大黒柱である父が新型コロナウイルスに感染、重症化して入院するという状況に見舞われる。

撮影を進める中で、新型コロナウイルスの感染が拡大し、東京から大阪まで取材に行くことができなくなったが、そのピンチを救ったのは、何を隠そう澤井家の人たちだった。普段から子供たちの出場する空手の試合など、家族の様々なシーンをビデオ撮影する習慣があったため、撮影していた家族の映像を、番組に提供してくれることになったのだ。

そんな中、父・淳一郎さんが新型コロナに感染し、重症化。人工呼吸器でも回復が見込めず、“最終段階”の治療に賭けるまで急激に容態が悪化してしまった。



居酒屋の営業自粛を余儀なくされるなど一家は大ピンチを迎えるが、家族が撮影していた映像には、大黒柱が不在の中でも逆境を乗り越えようと奮闘する子供たちの頼もしい姿が映し出されていた。メールや電話でやり取りするしかなかった李氏も「子供たちが、より自分たちの足で立つようになった印象でした」と感心する。

この期間心配したのは、やはり淳一郎さんの容態だ。撮影が進められないため、ディレクターとしては自宅待機であれば、それまで撮りためた映像素材のチェックや編集もしたいところだが、その作業に手を付けることが、しばらくできなかったという。

「非常に密着していた人が、もしかしたら亡くなってしまうかもしれないと思ったときに、元気な頃の姿を見ることができなかったんですよね…」

淳一郎さんは入院後、病室から家族に向けてスマートフォンの自撮り動画でメッセージを送っている。その素材も番組で使用しているが、息苦しそうにしながら懸命に言葉を発する姿には、胸が締め付けられる。

30年以上にわたってドキュメンタリーを制作してきたベテランの李氏だが、コロナ禍で取材不可能という経験したことのない事態に、今後の密着取材の仕方も考えさせられたという・・