今日も、あの男はやってきました。

いつものように主人と子供を送り出した時間帯を狙って・・・。

ゴミの処理を済ませて、マンション下の広場でご近所の方と立ち話をしていました。ふと、遠くを見ると、あの男がこちらに歩いて来るのです。無精ひげをはやしたあの醜い男が。

私は背筋に悪寒を感じ、何とかあの男に見つからないように、その場を立ち去ろうとしました。でも、次の瞬間、そんな私の想いははかなく崩れさりました。



なぜなら、あの男と目線があってあってしまったからです。一瞬、私はあの男が、ニヤリとしたように感じました。



そして、次には私に対して、顎で合図を送ってきました。



それはまさに「早く、家に帰れ」という私への命令でした。



私は、最初、それを無視し、さも気づかなかったようにご近所の方との話を続けていました。



でも、頭は上の空、心の中では「誰か助けて!」と叫んでいました。



すると、あの男はまさに目と鼻の先まで近づいてきました。



そして、その顔は、先ほどとは異なり、険しい鬼のような形相(私には、そう見えました)に変わっていました。



私の頭の中に、あの最初に×××された日のことがよみがえりました。



そして、男は再度、顎で合図をしました。



「早く、帰れ!さもないとお前との関係を夫や近所にばらすぞ!」と暗に言っている様でした。



もはや、私は、身体から力が抜けていくのを感じながら、男に従うしかないことに気づかされたのです。



私は、近所の方との話をきりあげ、マンション5階の家に戻る決心をしました。



これから、家の中で繰り広げられるであろう、私への数々の陵辱・・・



私はただそれを、受け入れるしかないのです。



男は、一足先に5階に上がり、私を待っていました。



鍵をあけて玄関のドアをあけると、当然のごとく、サッと男は家の中に入ってきました。



私にとって、それはまさに絶望的な瞬間でした。



男は、玄関に入るや否や、後ろ手で鍵を閉め太い腕で私を抱きしめると、唇を奪いました。



いつものように、タバコのヤニの匂いが私の鼻をかすめ、男のザラザラした汚い唾液まじりの舌が強引に、



私の口の中に入り込んできました。



私の舌は、男の舌に絡めとられ、息もさせないくらい強引な口づけは続きます。



心では、あんなにも嫌悪感を持っている憎き男なのに、永遠に続くかと思われる接吻の嵐の中、



いつしか、私と男の口の周りが、お互いの唾液で濡れまくる頃になると、私は、次第に気が遠くなっていくのです。



そして次にわれに返った時には、私はなんと男の背中に腕をまわし、男のあついキスと抱擁を全身で受け止めているのでした。


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