111それまで勇将として畏敬されていた将軍が、暴将とか狂将といった評価に急変した。






・「インパール作戦」を強行した牟田口廉也中将 毎夜料亭で酒を飲み、芸者を自分の部屋に…

 

 ビルマ方面の日本軍を指揮した、第15軍司令官・牟田口廉也中将である。 昭和19年3月、多くの反対を押し切って、牟田口軍司令官がインパール作戦を強行した時は、一部では、まだ期待をもたれていた。何にしても、大東亜戦争(当時の日本側の呼称)の開戦の当初、マレー半島を急進し、シンガポール島を攻略した勇将である。 しかし、今度は、ビルマからインドへ、国境山脈を越えて急進し、3週間で英軍の基地インパールを攻略するという作戦なので、多くの困難が予想されていた。

 果して4月の下旬までに、第15軍の3個師団は、それぞれに損害が多く、攻撃が挫折した。3週間の予定で、食糧を3週間分しか持って行かないから、まず食糧が不足してきた。また、急進撃をするため軽装備にしたので、武器、弾薬がたりなくなった。


・インパール作戦



 インパールを目ざして、3方面から進んだ第31師団、第10五師団、第33師団はいずれも悪戦苦闘となり、早くも過半の兵力を失う惨状となった。

 このころ、第一線には、牟田口軍司令官についての噂がひろがった。それは、作戦開始後、3週間を過ぎても、牟田口中将は軍司令部の所在地メイミョウから動かないでいるというのである。今度のような重大な作戦の場合、軍司令官は前線指揮に適した場所に、戦闘司令所を進めるべきである。

 だが、軍司令部が動かないのは、メイミョウがシャン州の高原地帯にある、ビルマ第一の避暑地であるからだ。そこには日本風の料理屋があり、内地からきた芸者、仲居が いる。その一つは軍司令部の将校専用であり、軍司令官、各参謀、幹部将校は、それぞれに専属の芸者をもっている。彼らは毎夜、料亭で酒を飲み、芸者を自分の部屋につれて行く・・

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・一度決めた事を変えることが出来ず判断すらできない、命令する立場の人間が当然のように「自分は特権階級である」「人には不自由を強いるが自分はその命令の埒外だ」という態度を取るような状況なら負け戦が必至なのはいつの時代でも同じですな

・陸軍士官学校を出た将校は、卒業試験の成績が一生つきまとったとのことです。
「あいつは、卒業試験で出来が悪かったくせに、生意気だ」
「卒業試験で首席だっただけあって、さすがに優秀だな」
そんな会話が、10年経っても20年経っても交わされていたというんですから、ヘンな組織ではあります。

・戦犯裁判でBC級戦犯の一人として裁かれたが、嫌疑不十分として釈放され、帰国後は東京都調布市で余生を過ごした。
死去までの約4年間はインパール作戦失敗の責任を問われると戦時中と同様、
「あれは私のせいではなく、部下の無能さのせいで失敗した」と頑なに自説を主張していた。
1966年(昭和41年)8月2日、77歳没。
兵士たちへの謝罪の言葉は死ぬまでなかった。
当時の戦争指揮者なんてこんなもんですよ。

・戦時中の指揮官には多くの愚将、醜将がいるが牟田口中将は、その代表格の様な人物。
ビルマ方面軍の河辺大将とは盧溝橋事件で旅団長と連隊長として、大陸での戦線拡大の原因を作った当事者という事もあり、自分の始めた戦争は自分達で収めなければならないというピントのズレた使命感に燃えていたという。
学者肌の河辺大将は野心家で声の大きな牟田口中将に引きずられる形で、無謀な作戦に突き進んでいった結果がインパールの悲劇に繋がっていく事になる…。
作戦の失敗に加えて、親補である師団長を無断で解任するという軍規違反を犯した牟田口だが、作戦終了後、作戦を承認した自らの責任問題を恐れる上層部に救われる形で陸軍大学校校長に就任したというから、恐れ入ったという他はない。

・太平洋戦争末期、敗色が濃くなってから、日本軍幹部将校の腐敗堕落ぶりは酷くなったが、「国よりも軍を守る」ことを優先して、軍律違反者への懲罰が階級が上になればなるほど甘かったことが、それを助長した。敵前逃亡の疑いのある木村兵太郎、富永恭次、牟田口廉也らの各司令官は左遷とか予備役編入程度でほとんど罪に問われていない。兵隊なら銃殺刑なのに、、、、まさしく「将校商売、下士道楽、兵隊ばかりが国のためなり」と囁かれて通りであり、だからこそ戦後、日本を占領したアメリカ軍から「将校をアメリカ人、下士官をドイツ人、兵隊を日本人で構成すれば世界最強の軍隊がつくれる」とまで断言されてしまうのだ。現行憲法をどのようにイジったとしても、自衛隊に旧・帝国陸海軍の轍を踏ませることは絶対にあってはならない。

・無能な司令官の下になると、部下は命をなくします。こんな司令官がいる日本軍では勝てる訳ありません。このような常識外れの作戦を批判し、変更出来なかった軍の体質が問題です。
今の企業とつながるところがあるかも知れませんが。

・陸軍海軍共に指揮する人たちの検証が一般的にはされてないように思います。関係者が多数存命中の間は忖度も働いたことでしょうが、今組織ごと見直さないとまた同じことが起こります。戦争したい人はたくさんいるようですが遂行能力のある人はいないようですし。


・生存者が語るインパール作戦